上 下
63 / 77

57.竜帝様が変態覚醒した!??(側近ガトー視点)

しおりを挟む
(……やはり竜神となると強いな)

竜の姿になり、尻から放った水魔法をあっさりと交わされてしまった。

さきほどから、私の攻撃が効いていないのが分かっていた。攻撃系は苦手ではないが直の攻撃となると辺境伯様の方が炎とかで燃やすタイプなので強いだろうとは思っている。

私も火の魔法は使えるが、固有ではないのであまり強くない。どちらかというと水や氷の魔法が得意だが全て尻から出る魔法なので特に氷はちょっと出した後の尻のコンディションもありあまり出していない。

「どうした。もう終わりか??」

余裕の笑みを浮かべている変態蛇系竜神は、完全におちょくっている。

(まぁ、神だから余裕なのはわかっている。しかし、攻撃がほぼ通らないとなるとどうするべきか……)

そう考えた時、全裸の下半身がキュッとしたのを感じた。それは玉ヒュンや前立腺をガン掘りするタイプのボールが原因と思っていたが違うようだ。

竜玉りゅうたま……)

私は自身の竜玉りゅうたまを見てある覚悟を決める。ほんとうに一か八かだしそもそも竜神に我々が常識として認識していることが通じるか分からない。それでも助けのないこの状況でこの世界と私の尻の貞操という大切なふたつを守り抜くにはもはやその手しかない。

私は自身の竜玉りゅうたまいや竜玉ドラゴンボールを変態蛇系竜神に投げる。

「こんなものに神は捕らえられないぞ」

そう笑顔で弾くと、ニヤニヤしながら変態蛇系竜神が近づいてくる。私はそれを確認すると、とりあえず尻の穴に力を入れて一番攻撃力が見込める氷魔法を放った。

「ははは、可愛いな。全然効かないといっても放つとは」

ククッと喉に引っかかるような悪いヤツっぽい笑い声を上げながら、変態蛇系竜神はそれを躱していく。そう、あくまで躱すだけなのだ。

(そうやって躱させて……)

ある作戦のために順調に布陣を固めていた私の背後から聞き覚えのある声がした。

「イグなにしてんの!!!???この変態じじい!!」

「竜帝様!!??」

そこには親の顔よりみた主君である竜帝様が立っていたのだが、なんだろう、普段からだいぶやばい空気を纏っているけれど今回はその比ではない恐ろしい覇気を発揮している。

「ガトーたん、大丈夫??怪我してない??って全裸??えっ、なに、えっ変態じじいは可愛い可愛いガトーたんのお尻掘ったの!?だめでしょう!!ガトーたんの鋼鉄の貞操を、僕が大切に守ってきたのにふざけんな!!その鋼鉄の貞操を奪うのは僕のはずだ!!」

竜帝様が、とんでもないことを言っていて私は思わず固まる。竜帝様にガトーたんとか言われるのは正直解釈が違い過ぎて気持ち悪い。後、私の貞操はこのまま永遠に捧げないか、ミケが泣きながら「挿れたいにゃ」と言わない限り拓かない予定なのにとんでもないセクハラ発言をしていた。

これは、この戦いが終わったら私の貞操のために労基に訴えにいく必要があるかもしれない。

「変態じじいとはそっくりそのまま言葉を返そう。ヨグ様、大体貴方の方が年上だろう。この世界が生まれた日から存在する変態の根源の癖に」

「うるさい!!僕は変態の根源だけどガトーたんに欲情はするかもしれないけど、無理やりとかは襲わないんです、ちゃんと合意してもらってからしかしないんです!!」

(合意しないので永遠にないな。やはりこの戦いが終わったらセクハラで竜帝様を訴えよう。流石にちょっと上司に不信感が生まれてしまった)

そんなことを考えていた時、空間が歪んで、中からミケとカオロとマヌルとなぜか竜帝様が現れた。

「えっ!?竜帝様がふたり??」

「ガトーしゃん!!心配しましたにゃ!!」

色々びっくりした私の体にミケが抱き着いた。その愛らしい姿に思わず甘い笑みになる。

「ありがとう。ミケ。大丈夫だ。私は竜帝様(1)からセクハラはされたがそれ以外は無事だ」

「竜帝様(1)??えっ、竜帝様がガトーしゃんにセクハラを……」

ミケが軽蔑の目で見つめているとその目を呆れたように見返した竜帝様(2)が大変失礼なことを言った。

「……寝言は服を着てからいえ。この世界が滅んでマタタビ竜人としか夫婦になれないと言われたら自死するレベルなので絶対にあり得ない」

しかし、これは確かにいつもの竜帝様らしい。

「えっ、あの、分身したのではなく??」

「分身??ああ、あの変態の源みたいな神は我々のご先祖様である竜神の王でいらっしゃるヨグ様だ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

「俺の子を孕め。」とアルファ令息に強制的に妊娠させられ、番にならされました。

天災
BL
 「俺の子を孕め」  そう言われて、ご主人様のダニエル・ラーン(α)は執事の僕、アンドレ・ブール(Ω)を強制的に妊娠させ、二人は番となる。

【本編完結】至高のオメガに転生したのに、最強ヤンデレアルファの番に攻められまくっています

松原硝子
BL
安村誠司、27歳。職業、実家暮らしの社畜サラリーマン。 これまでの人生も今までの人生も、モブとして地味に生きていく予定だったーー。 ところがある日、異世界に生きる”シュプリーム”と呼ばれる至高のオメガ・若柳飛鳥(わかやなぎあすか)に転生してしまう。 飛鳥にはすでに銀髪にアクアマリンの瞳を持つ最強の”アルティメット”アルファの番がいる。けれどその番はヒートの時以外、飛鳥の前には現れることがなく、名前も教えてくれないなど、秘密と謎が多い存在だ。 また自宅には血の繋がらない弟・金成(かんなり)が同居していた。 金成は「インフェリア」と呼ばれる劣等アルファで、口を聞くことができない。 転生前の飛鳥は「番がヒートの時期しか来てくれないのは、他のアルファ、つまり弟が同居しているせいだ」と思い込み、ネグレクトと虐待を繰り返していた。 最初は環境の変化に戸惑う誠司だったが、次第に弟と仲良くなっていく。しかし仲良くなればなるほど、ヒートの時期しか姿を見せないはずの番が夜な夜な部屋へ現れるようになる。 正体を明かさない最強アルファの番と口の聞けない劣等アルファの弟に囲まれて、平凡に生きたいはずの人生はどんどん思う方向とは違う道へ進んでしまう。 そして誠司は番に隠されたある秘密を知ってしまい……!? ヤンデレ溺愛最強アルファから逃げられない美人オメガがハッピーエンドを目指して奮闘する物語です。

弟に殺される”兄”に転生したがこんなに愛されるなんて聞いてない。

浅倉
BL
目を覚ますと目の前には俺を心配そうに見つめる彼の姿。 既視感を感じる彼の姿に俺は”小説”の中に出てくる主人公 ”ヴィンセント”だと判明。 そしてまさかの俺がヴィンセントを虐め残酷に殺される兄だと?! 次々と訪れる沢山の試練を前にどうにか弟に殺されないルートを必死に進む。 だがそんな俺の前に大きな壁が! このままでは原作通り殺されてしまう。 どうにかして乗り越えなければ! 妙に執着してくる”弟”と死なないように奮闘する”兄”の少し甘い物語___ ヤンデレ執着な弟×クールで鈍感な兄 ※固定CP ※投稿不定期 ※初めの方はヤンデレ要素少なめ

童話パロディ集ー童話の中でもめちゃくちゃにされるって本当ですか?ー

山田ハメ太郎
BL
童話パロディのBLです。 一話完結型。 基本的にあほえろなので気軽な気持ちでどうぞ。

犯されないよう逃げるけど結局はヤラれる可哀想な受けの話

ダルるる
BL
ある日目が覚めると前世の記憶が戻っていた。 これは所謂異世界転生!?(ちょっと違うね) いやっほーい、となるはずだったのに…… 周りに男しかいないししかも色んなイケメンに狙われる!! なんで俺なんだぁぁぁ…… ーーーーーーー うまくにげても結局はヤられてしまう可哀想な受けの話 題名についた※ はR18です ストーリーが上手くまとまらず、ずっと続きが書けてません。すみません。 【注】アホエロ 考えたら負けです。 設定?ストーリー?ナニソレオイシイノ?状態です。 ただただ作者の欲望を描いてるだけ。 文才ないので読みにくかったらすみません┏○┓ 作者は単純なので感想くれたらめちゃくちゃやる気でます。(感想くださいお願いしやす“〇| ̄|_)

獣人王の想い焦がれるツガイ

モト
BL
山暮らしの“コバ”は、怪我を負い倒れている獣人を見つけ看病する。目が覚ました獣人はコバを見て何かを言ってくるが伝わらない。その時、獣人は番だと言っていた。 一人ぼっちの少年が訳も分からず惹かれた獣人は別の国の王様でした。 強く逞しく生きるコバとそんな彼を溺愛したい王のお話。 コバと獣人は運命の番。番を知らないコバと彼に焦がれる獣人。 獣人は妊娠可能の世界になっております。ムーンライトノベルズにも投稿しております。

最恐変態ヤンデレ竜王様は番の生贄ひよこ王子が可愛くって仕方ないので世界を滅ぼす約束をした

ひよこ麺
BL
「せめて、その薄汚い血を王族のために役立てろ」 父親とは到底思えないセリフをベテルギウス王国の国王に吐かれて、第1王子の僕、通称ひよこ王子は無実の罪で先祖の竜神が今も住むとされる呪われた谷に生贄として叩き落とされた。ガッテム。 自由落下して薄れゆく意識の中で幼い頃に亡くなった母である側妃の言葉がよみがえる。 『もしも、あなたに死の危険が訪れたら必ず竜神の王である竜王様が助けてくれるわ。だって貴方はこの世界の真のヒロインだから』 「男にヒロインはおかしいけど、こんな惨めに死ぬくらいなら世界を滅ぼしてやりたいな」と、僕は惨めは人生の終わりにそう願ってしまった。 「その願い、叶えよう。その代わり愛おしい番、僕と結婚をしてほしい」 真っ暗な闇に堕ちていく僕の耳にとても美しく威厳のある声が響いた。死の間際の夢だと思った僕はうっかりそれに同意してしまう。 「では、世界を壊しに行こう……いやしかし、可愛い、僕の番。ああ、まさかこんなに可愛いピヨちゃんだったなんて、食べてしまいたい。ああ、くんかくんか。ピヨちゃんのにおいがする。もう辛抱堪らない!!」 結果、世界を滅ぼす権利と引き換えにものすごいヤバイ変態竜王様の番兼ペットみたいになってしまった僕が変身して復讐したりエッチな目にあったり色々する物語。 ※基本コメディーです。ざまぁ要素を今回は多分に含みます。「※」付はエッチなことがある回です。ルキオは見た目は幼いですが19歳でこの国の成人済みの設定です。また、竜王様は「はぁはぁ」するタイプの変態です。色々残念なのでご注意を。

運命の番から逃げたいです 【αとΩの攻防戦】

円みやび
BL
【αとΩの攻防戦】 オメガバースもの ある過去から人が信じられず、とにかく目立ちたくないがないために本来の姿を隠している祐也(Ω)と外面完璧なとにかく目立つ生徒会長須藤(α)が出会い運命の番だということがわかる。 はじめは暇つぶしがてら遊ぼうと思っていた須藤だったが、だんたん遊びにできなくなっていく。 表紙は柾さんに書いていただきました! エブリスタで過去投稿していた物を少しだけ修正しつつ投稿しています。 初めての作品だった為、拙い部分が多いとおもいますがどうか暖かい目で見てください。 モッテモテの自信ありまくりの俺様が追いかけるというのが好きでできた作品です。

処理中です...