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43.マタタビは空からやってくる(竜帝様視点)
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「……なるほど」
目の前でニヤニヤしている獣耳の生えた男には見覚えがあった。隣国の王子であるその男が居るということはどうやらここは隣国ということだろう。
※唐突にアホで下くてエロい感じがあります、ご注意ください。
しかし、いきなり我々はこの場所に転移した。間違いなく瞬間移動の魔法が使用されたのだが俺もヴィクトールも使用していない。
ただ、あの時、シユの様子がおかしいと感じた瞬間に起きた。そこから導き出すにシユになんらかの魔法が仕掛けられていたと考えるのが妥当だろう。
(どうやら、うっすら見えていた未来のひとつに進んだようだな……ならば)
「クソトカゲども、ようこそ俺様の城へ」
「……兄上、あいつのたてがみ燃やしていい??」
すぐに煽られるヴィクトールが笑顔で聞いてくるが、俺は首を横に振る。むしろ、そんなことして面倒くさいことになるのはごめんである。
「其方は我々が竜帝と帝国の辺境伯と分かって狼藉を働いているのか??」
まっすぐに男を見る。精悍な顔立ちをしたライオンの獣人である男はチッと舌打ちをした。
「うるせぇよ。今の状況でよくそんなことが言えたもんだな。あのマタタビ神様、もといクソマタタビ神様もいない状態ならあんたらは俺らに跪くしかねぇんだよ」
「弱いなんちゃらほどというがな。言っておくが朕と弟ふたりいれば今この場を血の海にすることは簡単だ。しかし、こちらとて鬼ではない。なぜこのようなことをしたのか理由を話してもらおうか」
少しも俺が恐れないことに苛立っているのか、尻尾が大きくバタバタと動いている。
「ふん、いつまでそんなことが言えるか見物だな。それにこちらの理由なんて話すわけがねぇだろうが」
小馬鹿にしたように答えると、男は手下のネコ科獣人達に何やら指示を出している。そして見た感じ手下どもの中には蛇はいないようだ。
(なるほど、蛇との関係はあくまで協力関係ではあるが味方という訳ではないらしいな)
「そうか、あまり手荒なことはしたくなかったんだがな」
しかし、このように拉致されているのだから全て正当防衛でなんとかなるだろう。とりあえずネコ科に攻撃をしようとしたその時だった……。
「減らず口ばかり叩きやがって、おい、お前ら可愛がってっ!!うわぁっ……ん!!」
それは突然起こった。い
きなり空いた空間からガトーがミケとマヌルを連れて現れたのだ。
それだけなら問題ないのだが、ガトーはまた何故か全裸になりしかも例のネコ科王子の顔面に跨ぐ形で着地した。つまり、あまり説明したくないが顔面に下半身のアレが完全に当たった状態で王子は今倒れている。
「竜帝様、助けにきましたにゃ!!」
目の前の大惨事を無視して、ミケが我々に手を差し伸べた。しかし、あまりにも事態が事態でついガトーの方を見てしまう。
「私はマタタビ神だ。ネコ科の獣人はひれ伏すがいい」
全裸のマタタビ竜人はすごいドヤ顔で言った。殴りたい、正直味方でなかったら絶対に殴る自信があるほどムカつく様子だが、殺気だっていたネコ科獣人達の目の色が文字通り変わっていく。さらに……
「マタタビ神しゃまぁ……マタタビぃくらはぃ」
顔面にマタタビ竜人の股間をもろに受けた哀れな王子が何故か懇願するようなとろけた瞳でそう言った。
「はっ??私のマタタビはミケ専用だから。お前たちには香りはいくらでも嗅がせてやるけれど与えてはやらん」
「いやぁ……マタタビ神しゃまの……そそり立つマタタビをなめさせてぇ……」
男らしい顔が明らかにアへ顔になり、しかも目に涙を溜めながらマタタビ竜人のアレを舐めたいと懇願する姿には百獣の王の威厳はまるでない。
「ガトーしゃん、浮気したらゆるさにゃににゃ」
「浮気なんてしないさ。ミケのナカ以外に私のマタタビは挿れないよ、あっ、こら、待て。私のマタタビを舐めようとするな」
マタタビ竜人の下半身にかぶりつこうとしているネコ科たちを制して笑うその姿、何故全裸である必要があったのかは後で小一時間問い詰めよう。
「にゃあああ、ほしぃいいいいにゃあああああ」
「マタタビ神しゃぁあああああ」
「我々、哀れな猫にご慈悲をにゃ」
(なんだこの地獄絵図は……)
あまりの酷い状況に、うんざりした時だった。
「ああ、やはりこうなったか。全く。蛇以外の獣人は使えない」
「お前は……」
そこには見覚えのない爬虫類のような目をした男が立っていた。
目の前でニヤニヤしている獣耳の生えた男には見覚えがあった。隣国の王子であるその男が居るということはどうやらここは隣国ということだろう。
※唐突にアホで下くてエロい感じがあります、ご注意ください。
しかし、いきなり我々はこの場所に転移した。間違いなく瞬間移動の魔法が使用されたのだが俺もヴィクトールも使用していない。
ただ、あの時、シユの様子がおかしいと感じた瞬間に起きた。そこから導き出すにシユになんらかの魔法が仕掛けられていたと考えるのが妥当だろう。
(どうやら、うっすら見えていた未来のひとつに進んだようだな……ならば)
「クソトカゲども、ようこそ俺様の城へ」
「……兄上、あいつのたてがみ燃やしていい??」
すぐに煽られるヴィクトールが笑顔で聞いてくるが、俺は首を横に振る。むしろ、そんなことして面倒くさいことになるのはごめんである。
「其方は我々が竜帝と帝国の辺境伯と分かって狼藉を働いているのか??」
まっすぐに男を見る。精悍な顔立ちをしたライオンの獣人である男はチッと舌打ちをした。
「うるせぇよ。今の状況でよくそんなことが言えたもんだな。あのマタタビ神様、もといクソマタタビ神様もいない状態ならあんたらは俺らに跪くしかねぇんだよ」
「弱いなんちゃらほどというがな。言っておくが朕と弟ふたりいれば今この場を血の海にすることは簡単だ。しかし、こちらとて鬼ではない。なぜこのようなことをしたのか理由を話してもらおうか」
少しも俺が恐れないことに苛立っているのか、尻尾が大きくバタバタと動いている。
「ふん、いつまでそんなことが言えるか見物だな。それにこちらの理由なんて話すわけがねぇだろうが」
小馬鹿にしたように答えると、男は手下のネコ科獣人達に何やら指示を出している。そして見た感じ手下どもの中には蛇はいないようだ。
(なるほど、蛇との関係はあくまで協力関係ではあるが味方という訳ではないらしいな)
「そうか、あまり手荒なことはしたくなかったんだがな」
しかし、このように拉致されているのだから全て正当防衛でなんとかなるだろう。とりあえずネコ科に攻撃をしようとしたその時だった……。
「減らず口ばかり叩きやがって、おい、お前ら可愛がってっ!!うわぁっ……ん!!」
それは突然起こった。い
きなり空いた空間からガトーがミケとマヌルを連れて現れたのだ。
それだけなら問題ないのだが、ガトーはまた何故か全裸になりしかも例のネコ科王子の顔面に跨ぐ形で着地した。つまり、あまり説明したくないが顔面に下半身のアレが完全に当たった状態で王子は今倒れている。
「竜帝様、助けにきましたにゃ!!」
目の前の大惨事を無視して、ミケが我々に手を差し伸べた。しかし、あまりにも事態が事態でついガトーの方を見てしまう。
「私はマタタビ神だ。ネコ科の獣人はひれ伏すがいい」
全裸のマタタビ竜人はすごいドヤ顔で言った。殴りたい、正直味方でなかったら絶対に殴る自信があるほどムカつく様子だが、殺気だっていたネコ科獣人達の目の色が文字通り変わっていく。さらに……
「マタタビ神しゃまぁ……マタタビぃくらはぃ」
顔面にマタタビ竜人の股間をもろに受けた哀れな王子が何故か懇願するようなとろけた瞳でそう言った。
「はっ??私のマタタビはミケ専用だから。お前たちには香りはいくらでも嗅がせてやるけれど与えてはやらん」
「いやぁ……マタタビ神しゃまの……そそり立つマタタビをなめさせてぇ……」
男らしい顔が明らかにアへ顔になり、しかも目に涙を溜めながらマタタビ竜人のアレを舐めたいと懇願する姿には百獣の王の威厳はまるでない。
「ガトーしゃん、浮気したらゆるさにゃににゃ」
「浮気なんてしないさ。ミケのナカ以外に私のマタタビは挿れないよ、あっ、こら、待て。私のマタタビを舐めようとするな」
マタタビ竜人の下半身にかぶりつこうとしているネコ科たちを制して笑うその姿、何故全裸である必要があったのかは後で小一時間問い詰めよう。
「にゃあああ、ほしぃいいいいにゃあああああ」
「マタタビ神しゃぁあああああ」
「我々、哀れな猫にご慈悲をにゃ」
(なんだこの地獄絵図は……)
あまりの酷い状況に、うんざりした時だった。
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