43 / 77
37.番を竜玉に入れるタイプなのに仕事は出来る賢竜帝様(側近ガトー視点)
しおりを挟む
「……そのような存在は私にはおりません」
「朕には未来が感覚で分かるものでな、その女はこうなる前に捉えてある。しかし、其方と関係ないならば、朕の愛する番のルーエリンに毒を盛り狂わせた女……、男爵令嬢ということになっていたが実際はお前たちに雇われた、確かローズベルという女を殺しても拷問しても問題ないということだな」
冷酷な笑みを浮かべた竜帝様に、今まで毅然とした態度だったかの令嬢の顔色が変わった。その体は小刻みにしかし震えている。
「先ほど女性には暴力を振るわないとおっしゃりませんでしたか??」
「それは刑が確定していない者に関してだ。かの女は朕の最愛に手を出したもの、愛おしい愛おしい番を害した証拠も見つかり罪は確定している。そして朕はこの国の最高権力者だ。罪人をどうするかは自由に決められる」
背筋が寒くなるような冷たく恐ろしい表情を浮かべているが、その手には、ルーエリン様入りの竜玉が大切に包まれている。
「愛おしいルーエリンを害した者だ、拷問して、ボロボロにして、苦役をかして、慰み者にしても朕の怒りはおさまらないだろう。朕が思いつく全ての地獄を味わわせてやりたい」
「……違います、ローズベルは何も悪くありません!!」
まるで血を吐くように叫んだ言葉に、竜帝様は余裕のある笑みを浮かべた。
「では、誰がルーエリンを呪った??朕は知っているんだ。ルーエリンはその魂ごと呪われて番が分からないようにされていた。その罪は誰が犯した??」
「……」
その質問に黙り込んだかの令嬢だったが、それを許すほど竜帝様は優しくはない。
「それもローズベルというあの女が行ったのだろう。ならば、さらに罪を重くして……」
「ローズベルは関係ありません。全ては私と同胞が行ったのです」
瞳にはいつの間にか涙が浮かんでいた。かの令嬢は罪を認めた。そしてぽつりぽつりと話はじめた。
「私達、蛇の血を引くものは生まれた時から竜人を憎むように教育されるのです。そして、長年の執念によりついに竜帝の番に番以外を番と思わせる呪いをかけることに成功しました。そう、貴方の番はずっと我々の手の中で数多の輪廻を苦しみながら過ごしたのです。その苦しみの手法は偽の番が、かの人の恋人のように振舞い弄び捨てる。心に大きな傷を負って精神的に壊れたところで殺すか自死に追い込むほど精神を壊したのです。それを繰り返すうちに例え竜帝の魂を同じくする者でも綻んで壊れていきました。そして、もうすぐかの魂は完全に壊れる予定でした。そうなれば竜帝様は番を失う、永遠に」
あまりに恐ろしい計画に、身震いが止まらないし正直少しマタタビフェロモンが怖くてでてしまったかもしれない。ちなみにマタタビフェロモンを意思に関係なく漏らすのはとても恥ずかしいのでこのことは全力で隠す予定だ。
オモマタタビしたなんて知れたら恥ずかしくて全裸で歩けなくなってしまう。
「……なるほど、番殺しを行おうとしていたのか」
「ひぃっ」
「こわっ」
「はわわ」
全身から迸るそれは紛れもない覇気で、その強さにかの令嬢、辺境伯様、そして私は慄いた。そしてすごく恥ずかしいけどまたオモマタタビしてしまった。ちょっといや、割と漏れた。
「そうだとしたら、死刑は生ぬるいな。朕はルーエリンに出会って分かったのだ。番とはやはり至高の存在だと。今までは国以外のことは全て心を殺せたが、ルーエリンを害し、魂まで殺そうとしたなどと聞いて許せるはずもない、同じ苦しみを与えるのが順当かもしれないな」
「わ、私には番などおりません。なので罰はすべて私が受けます」
「ははは、ルーエリンをシユを弄んだ者の意見が通るとでも??朕は知っている。かの女、ローズベルは其方の番だな」
「朕には未来が感覚で分かるものでな、その女はこうなる前に捉えてある。しかし、其方と関係ないならば、朕の愛する番のルーエリンに毒を盛り狂わせた女……、男爵令嬢ということになっていたが実際はお前たちに雇われた、確かローズベルという女を殺しても拷問しても問題ないということだな」
冷酷な笑みを浮かべた竜帝様に、今まで毅然とした態度だったかの令嬢の顔色が変わった。その体は小刻みにしかし震えている。
「先ほど女性には暴力を振るわないとおっしゃりませんでしたか??」
「それは刑が確定していない者に関してだ。かの女は朕の最愛に手を出したもの、愛おしい愛おしい番を害した証拠も見つかり罪は確定している。そして朕はこの国の最高権力者だ。罪人をどうするかは自由に決められる」
背筋が寒くなるような冷たく恐ろしい表情を浮かべているが、その手には、ルーエリン様入りの竜玉が大切に包まれている。
「愛おしいルーエリンを害した者だ、拷問して、ボロボロにして、苦役をかして、慰み者にしても朕の怒りはおさまらないだろう。朕が思いつく全ての地獄を味わわせてやりたい」
「……違います、ローズベルは何も悪くありません!!」
まるで血を吐くように叫んだ言葉に、竜帝様は余裕のある笑みを浮かべた。
「では、誰がルーエリンを呪った??朕は知っているんだ。ルーエリンはその魂ごと呪われて番が分からないようにされていた。その罪は誰が犯した??」
「……」
その質問に黙り込んだかの令嬢だったが、それを許すほど竜帝様は優しくはない。
「それもローズベルというあの女が行ったのだろう。ならば、さらに罪を重くして……」
「ローズベルは関係ありません。全ては私と同胞が行ったのです」
瞳にはいつの間にか涙が浮かんでいた。かの令嬢は罪を認めた。そしてぽつりぽつりと話はじめた。
「私達、蛇の血を引くものは生まれた時から竜人を憎むように教育されるのです。そして、長年の執念によりついに竜帝の番に番以外を番と思わせる呪いをかけることに成功しました。そう、貴方の番はずっと我々の手の中で数多の輪廻を苦しみながら過ごしたのです。その苦しみの手法は偽の番が、かの人の恋人のように振舞い弄び捨てる。心に大きな傷を負って精神的に壊れたところで殺すか自死に追い込むほど精神を壊したのです。それを繰り返すうちに例え竜帝の魂を同じくする者でも綻んで壊れていきました。そして、もうすぐかの魂は完全に壊れる予定でした。そうなれば竜帝様は番を失う、永遠に」
あまりに恐ろしい計画に、身震いが止まらないし正直少しマタタビフェロモンが怖くてでてしまったかもしれない。ちなみにマタタビフェロモンを意思に関係なく漏らすのはとても恥ずかしいのでこのことは全力で隠す予定だ。
オモマタタビしたなんて知れたら恥ずかしくて全裸で歩けなくなってしまう。
「……なるほど、番殺しを行おうとしていたのか」
「ひぃっ」
「こわっ」
「はわわ」
全身から迸るそれは紛れもない覇気で、その強さにかの令嬢、辺境伯様、そして私は慄いた。そしてすごく恥ずかしいけどまたオモマタタビしてしまった。ちょっといや、割と漏れた。
「そうだとしたら、死刑は生ぬるいな。朕はルーエリンに出会って分かったのだ。番とはやはり至高の存在だと。今までは国以外のことは全て心を殺せたが、ルーエリンを害し、魂まで殺そうとしたなどと聞いて許せるはずもない、同じ苦しみを与えるのが順当かもしれないな」
「わ、私には番などおりません。なので罰はすべて私が受けます」
「ははは、ルーエリンをシユを弄んだ者の意見が通るとでも??朕は知っている。かの女、ローズベルは其方の番だな」
1
お気に入りに追加
411
あなたにおすすめの小説
【R18】【BL】嫉妬で狂っていく魔法使いヤンデレの話
ペーパーナイフ
BL
魔法使いのノエルには欲しい物が何もなかった。美しい容姿、金、権力、地位、魔力すべてが生まれ持って与えられていたからだ。
ある日友達に誘われてオーティファクトという美男美女が酒を振る舞う酒場へ足を運ぶ。その店で出会った異世界人の青年ヒビキに恋をした。
彼は不吉なこの黒い髪も、赤い瞳でさえも美しいと言ってくれた。ヒビキと出会って初めて、生きていて楽しいと思えた。俺はもう彼なしでは生きていけない。
素直で明るい彼にノエルはどんどんハマっていく。そしていつの間にか愛情は独占欲に変わっていった。
ヒビキが別の男と付き合うことを知りノエルは禁断の黒魔術を使ってしまうが…。
だんだん狂っていくヤンデレ攻め視点の話です。2万文字程度の短編(全12話ぐらい)
注意⚠
最後に性描写あり(妊娠リバなし本番)
メリバです
高スペックな義兄弟が出来たのですが。
ぱふぱふ
BL
▷ 高 ス ペ ッ ク な 義 兄 弟 が 現 れ た !
どうする?
→逃げる
→諦めて捕まる
→引きこもる◀
▷ 鍵 が か か っ て い る !!
どうする?
→逃げる ◀
→諦めて捕まる
▷ 回 り こ ま れ て し ま っ た!!
・・・無理ゲーじゃね?
────────────────────
▫ファンタジー要素を含みます。
▫主人公の周りがヤバいです。
▫過激な表現(R18に引っかかりそうなもの)がある場合は※をつけます。
▫本番の時、又はそれに近い行為の時は※※をつけます。
▫おかしな表現などございましたらそっと目を瞑ってやってください。
▫話は完全に作者の趣味です。
からっぽを満たせ
ゆきうさぎ
BL
両親を失ってから、叔父に引き取られていた柳要は、邪魔者として虐げられていた。
そんな要は大学に入るタイミングを機に叔父の家から出て一人暮らしを始めることで虐げられる日々から逃れることに成功する。
しかし、長く叔父一族から非人間的扱いを受けていたことで感情や感覚が鈍り、ただただ、生きるだけの日々を送る要……。
そんな時、バイト先のオーナーの友人、風間幸久に出会いーー
【R18】【Bl】R18乙女ゲームの世界に入ってしまいました。全員の好感度をあげて友情エンド目指します。
ペーパーナイフ
BL
僕の世界では異世界に転生、転移することなんてよくあることだった。
でもR18乙女ゲームの世界なんて想定外だ!!しかも登場人物は重いやつばかり…。元の世界に戻るには複数人の好感度を上げて友情エンドを目指さなければならない。え、推しがでてくるなんて聞いてないけど!
監禁、婚約を回避して無事元の世界に戻れるか?!
アホエロストーリーです。攻めは数人でできます。
主人公はクリアのために浮気しまくりクズ。嫌な方は気をつけてください。
ヤンデレ、ワンコ系でてきます。
注意
総受け 総愛され アホエロ ビッチ主人公 妊娠なし リバなし
Tally marks
あこ
BL
五回目の浮気を目撃したら別れる。
カイトが巽に宣言をしたその五回目が、とうとうやってきた。
「関心が無くなりました。別れます。さよなら」
✔︎ 攻めは体格良くて男前(コワモテ気味)の自己中浮気野郎。
✔︎ 受けはのんびりした話し方の美人も裸足で逃げる(かもしれない)長身美人。
✔︎ 本編中は『大学生×高校生』です。
✔︎ 受けのお姉ちゃんは超イケメンで強い(物理)、そして姉と婚約している彼氏は爽やか好青年。
✔︎ 『彼者誰時に溺れる』とリンクしています(あちらを読んでいなくても全く問題はありません)
🔺ATTENTION🔺
このお話は『浮気野郎を後悔させまくってボコボコにする予定』で書き始めたにも関わらず『どうしてか元サヤ』になってしまった連載です。
そして浮気野郎は元サヤ後、受け溺愛ヘタレ野郎に進化します。
そこだけ本当、ご留意ください。
また、タグにはない設定もあります。ごめんなさい。(10個しかタグが作れない…せめてあと2個作らせて欲しい)
➡︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
➡︎ 『番外編:本編完結後』に区分されている小説については、完結後設定の番外編が小説の『更新順』に入っています。『時系列順』になっていません。
➡︎ ただし、『番外編:本編完結後』の中に入っている作品のうち、『カイトが巽に「愛してる」と言えるようになったころ』の作品に関してはタイトルの頭に『𝟞』がついています。
個人サイトでの連載開始は2016年7月です。
これを加筆修正しながら更新していきます。
ですので、作中に古いものが登場する事が多々あります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる