26 / 77
22.竜玉についてと諸々とマタタビ竜の帰宅??(竜帝様視点)
しおりを挟む
「しかし、兄上、ガトーを行かせて良かったのか??」
珍しく心配そうにしているヴィクトール。なんやかんや、こいつとガトーは仲が良い。
基本的に戦うこととシユにしか興味がない弟だが、俺同様に番が居ない歴=年齢ということもあり割と気にかけてはきていた。
「あいつなら問題ないだろう。特にネコ科の敵には無敵だ。尻から魔法が出てしまうことを除けば有能だからな」
「尻から魔法。あいつ俺すらちゃんと受講した魔法の修業ショートカットしたんだな。しかし尻から魔法が出るなんて思ってないから不意打ちも効くし割と汎用性は高いよな。ただ、竜玉が焦げそうだから俺はいやだけど」
「竜玉はやめろ。後、なんか尻の辺りについている風にも言うな。アレはそんなところにないだろう」
その言葉に何故かヴィクトールが驚いている。そして何故か悲しそうな顔をすると一言。
「いや、大体その辺りに竜人は竜玉あるだろう。よく竜人が座るときに、竜玉のポジショニングを気にするじゃないか。ただ、兄上が真性竜玉だとその辺りかわってくるけど……」
「だから、性器みたいに言うな!!そんなところに竜玉はついてない。あ、いや竜玉について読んでいる人が誤解するだろうが」
「まぁ、兄上の真性竜玉のことは置いといて、兄上の考えだとミケを攫ったのはダミーで本命はこの居城を襲うということでいいんだよな??」
「ガトーもお前もなんだか朕がそのネタを振ったみたいな流れにするのはやめろ。そうだ。そして、ヤツらは内密にしていたにも関わらず朕がお前を呼び寄せたことも知っている」
その言葉に、ヴィクトールの表情が険しくなる。
「……それはおかしい。俺が、兄上に会いに来ることを知っていたのは……」
ヴィクトールが言葉を紡ごうとしたときだった。
ゴフッ!!
目の前にいた騎士の男が突然血を吐いて苦しみはじめた。その様子を俺は眺めながら瞬時にこの男に遅行性の毒が盛られたのだと悟った。
「なんで!?」
「……動き出したようだな」
よりにもよって、我が居城にこのような攻撃を行うなどただですまないのにそれでも、連中はこの城に攻撃をし、ミケを攫い、そして俺の番にも手を出そうとしている存在。
それについて、俺にはある心当たりがあった。
「ヴィクトール、もしお前が不当に番に対して呪いをかけられていたとしたらどうする??」
「死にたいと思っても死ねない状態で永遠に苦しめる」
「……俺も同じ意見だ。ちなみに俺の番がその状態にされている」
ヴィクトールは静かに目を閉じた。その仕草は昔から変わらない弟の癖でもある。そしてその仕草をした時に何が起きるのかも俺は理解している。
「そいつは苦しみを与えねぇとだな。兄上。その犯人がもしかしてシユの心すらおかしくしているのか??」
「ああ、シユはまだ幼く騙されやすい。そこを突かれたのだろう」
「シユ……絶対にシユをおかしくしたヤツは許さん」
ふたりで、敵への怒りを共有していたその時、いきなり天井がはじけ飛んだ。
嘘だと思うだろうが、文字通りの事態が起きた。
「敵襲か??」
ヴィクトールが構えた時、しかし眼前にいたのは見慣れた駄竜、もといマタタビ竜人だった。
「……ガトー、城の修理代は後ほどお前の給料から天引きする」
「……」
そこで気付いた。いつもなら減らず口を叩くはずのガトーの反応がおかしいことに。
珍しく心配そうにしているヴィクトール。なんやかんや、こいつとガトーは仲が良い。
基本的に戦うこととシユにしか興味がない弟だが、俺同様に番が居ない歴=年齢ということもあり割と気にかけてはきていた。
「あいつなら問題ないだろう。特にネコ科の敵には無敵だ。尻から魔法が出てしまうことを除けば有能だからな」
「尻から魔法。あいつ俺すらちゃんと受講した魔法の修業ショートカットしたんだな。しかし尻から魔法が出るなんて思ってないから不意打ちも効くし割と汎用性は高いよな。ただ、竜玉が焦げそうだから俺はいやだけど」
「竜玉はやめろ。後、なんか尻の辺りについている風にも言うな。アレはそんなところにないだろう」
その言葉に何故かヴィクトールが驚いている。そして何故か悲しそうな顔をすると一言。
「いや、大体その辺りに竜人は竜玉あるだろう。よく竜人が座るときに、竜玉のポジショニングを気にするじゃないか。ただ、兄上が真性竜玉だとその辺りかわってくるけど……」
「だから、性器みたいに言うな!!そんなところに竜玉はついてない。あ、いや竜玉について読んでいる人が誤解するだろうが」
「まぁ、兄上の真性竜玉のことは置いといて、兄上の考えだとミケを攫ったのはダミーで本命はこの居城を襲うということでいいんだよな??」
「ガトーもお前もなんだか朕がそのネタを振ったみたいな流れにするのはやめろ。そうだ。そして、ヤツらは内密にしていたにも関わらず朕がお前を呼び寄せたことも知っている」
その言葉に、ヴィクトールの表情が険しくなる。
「……それはおかしい。俺が、兄上に会いに来ることを知っていたのは……」
ヴィクトールが言葉を紡ごうとしたときだった。
ゴフッ!!
目の前にいた騎士の男が突然血を吐いて苦しみはじめた。その様子を俺は眺めながら瞬時にこの男に遅行性の毒が盛られたのだと悟った。
「なんで!?」
「……動き出したようだな」
よりにもよって、我が居城にこのような攻撃を行うなどただですまないのにそれでも、連中はこの城に攻撃をし、ミケを攫い、そして俺の番にも手を出そうとしている存在。
それについて、俺にはある心当たりがあった。
「ヴィクトール、もしお前が不当に番に対して呪いをかけられていたとしたらどうする??」
「死にたいと思っても死ねない状態で永遠に苦しめる」
「……俺も同じ意見だ。ちなみに俺の番がその状態にされている」
ヴィクトールは静かに目を閉じた。その仕草は昔から変わらない弟の癖でもある。そしてその仕草をした時に何が起きるのかも俺は理解している。
「そいつは苦しみを与えねぇとだな。兄上。その犯人がもしかしてシユの心すらおかしくしているのか??」
「ああ、シユはまだ幼く騙されやすい。そこを突かれたのだろう」
「シユ……絶対にシユをおかしくしたヤツは許さん」
ふたりで、敵への怒りを共有していたその時、いきなり天井がはじけ飛んだ。
嘘だと思うだろうが、文字通りの事態が起きた。
「敵襲か??」
ヴィクトールが構えた時、しかし眼前にいたのは見慣れた駄竜、もといマタタビ竜人だった。
「……ガトー、城の修理代は後ほどお前の給料から天引きする」
「……」
そこで気付いた。いつもなら減らず口を叩くはずのガトーの反応がおかしいことに。
1
お気に入りに追加
413
あなたにおすすめの小説
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。
【完結】別れ……ますよね?
325号室の住人
BL
☆全3話、完結済
僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。
ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。
幸せな番が微笑みながら願うこと
矢野りと
恋愛
偉大な竜王に待望の番が見つかったのは10年前のこと。
まだ幼かった番は王宮で真綿に包まれるように大切にされ、成人になる16歳の時に竜王と婚姻を結ぶことが決まっていた。幸せな未来は確定されていたはずだった…。
だが獣人の要素が薄い番の扱いを周りは間違えてしまう。…それは大切に想うがあまりのすれ違いだった。
竜王の番の心は少しづつ追いつめられ蝕まれていく。
※設定はゆるいです。
悪役令息に転生しましたが、なんだか弟の様子がおかしいです
ひよ
BL
「今日からお前の弟となるルークだ」
そうお父様から紹介された男の子を見て前世の記憶が蘇る。
そして、自分が乙女ゲーの悪役令息リオンでありその弟ルークがヤンデレキャラだということを悟る。
最悪なエンドを迎えないよう、ルークに優しく接するリオン。
ってあれ、なんだか弟の様子がおかしいのだが。。。
初投稿です。拙いところもあると思いますが、温かい目で見てくださると嬉しいです!
悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!
梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!?
【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】
▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。
▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。
▼毎日18時投稿予定
なんでも諦めてきた俺だけどヤンデレな彼が貴族の男娼になるなんて黙っていられない
迷路を跳ぶ狐
BL
自己中な無表情と言われて、恋人と別れたクレッジは冒険者としてぼんやりした毎日を送っていた。
恋愛なんて辛いこと、もうしたくなかった。大体のことはなんでも諦めてのんびりした毎日を送っていたのに、また好きな人ができてしまう。
しかし、告白しようと思っていた大事な日に、知り合いの貴族から、その人が男娼になることを聞いたクレッジは、そんなの黙って見ていられないと止めに急ぐが、好きな人はなんだか様子がおかしくて……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる