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22.竜玉についてと諸々とマタタビ竜の帰宅??(竜帝様視点)

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「しかし、兄上、ガトーを行かせて良かったのか??」

珍しく心配そうにしているヴィクトール。なんやかんや、こいつとガトーは仲が良い。
基本的に戦うこととシユにしか興味がない弟だが、俺同様に番が居ない歴=年齢ということもあり割と気にかけてはきていた。

「あいつなら問題ないだろう。特にネコ科の敵には無敵だ。尻から魔法が出てしまうことを除けば有能だからな」

「尻から魔法。あいつ俺すらちゃんと受講した魔法の修業ショートカットしたんだな。しかし尻から魔法が出るなんて思ってないから不意打ちも効くし割と汎用性は高いよな。ただ、竜玉りゅうたまが焦げそうだから俺はいやだけど」

竜玉りゅうたまはやめろ。後、なんか尻の辺りについている風にも言うな。アレはそんなところにないだろう」

その言葉に何故かヴィクトールが驚いている。そして何故か悲しそうな顔をすると一言。

「いや、大体その辺りに竜人は竜玉りゅうたまあるだろう。よく竜人が座るときに、竜玉りゅうたまのポジショニングを気にするじゃないか。ただ、兄上が真性竜玉しんせいりゅうたまだとその辺りかわってくるけど……」

「だから、性器みたいに言うな!!そんなところに竜玉りゅうたまはついてない。あ、いや竜玉りゅうぎょくについて読んでいる人が誤解するだろうが」

「まぁ、兄上の真性竜玉しんせいりゅうたまのことは置いといて、兄上の考えだとミケを攫ったのはダミーで本命はこの居城を襲うということでいいんだよな??」

「ガトーもお前もなんだか朕がそのネタを振ったみたいな流れにするのはやめろ。そうだ。そして、ヤツらは内密にしていたにも関わらず朕がお前を呼び寄せたことも知っている」

その言葉に、ヴィクトールの表情が険しくなる。

「……それはおかしい。俺が、兄上に会いに来ることを知っていたのは……」

ヴィクトールが言葉を紡ごうとしたときだった。

ゴフッ!!

目の前にいた騎士の男が突然血を吐いて苦しみはじめた。その様子を俺は眺めながら瞬時にこの男に遅行性の毒が盛られたのだと悟った。

「なんで!?」

「……動き出したようだな」

よりにもよって、我が居城にこのような攻撃を行うなどただですまないのにそれでも、連中はこの城に攻撃をし、ミケを攫い、そして俺の番にも手を出そうとしている存在。

それについて、俺にはある心当たりがあった。

「ヴィクトール、もしお前が不当に番に対して呪いをかけられていたとしたらどうする??」

「死にたいと思っても死ねない状態で永遠に苦しめる」

「……俺も同じ意見だ。ちなみに俺の番がその状態にされている」

ヴィクトールは静かに目を閉じた。その仕草は昔から変わらない弟の癖でもある。そしてその仕草をした時に何が起きるのかも俺は理解している。

「そいつは苦しみを与えねぇとだな。兄上。その犯人がもしかしてシユの心すらおかしくしているのか??」

「ああ、シユはまだ幼く騙されやすい。そこを突かれたのだろう」

「シユ……絶対にシユをおかしくしたヤツは許さん」

ふたりで、敵への怒りを共有していたその時、いきなり天井がはじけ飛んだ。

嘘だと思うだろうが、文字通りの事態が起きた。

「敵襲か??」

ヴィクトールが構えた時、しかし眼前にいたのは見慣れた駄竜、もといマタタビ竜人だった。

「……ガトー、城の修理代は後ほどお前の給料から天引きする」

「……」

そこで気付いた。いつもなら減らず口を叩くはずのガトーの反応がおかしいことに。
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