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14.賢竜帝様とマイスイートハニーミケから見た元王太子様の話(側近ガトー視点)
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「詳しくその話を教えてほしい」
「はいですにゃ、王太子殿下、私が仕えていたかの御方はとても優秀な方でした。特に幼い日に婚約者となったリリア様をそれはもう溺愛されていて、その行為が行き過ぎて完全なるヤンデレ殿下だったことを除けば全てにおいて完璧な御方だったのですにゃ。それなのに、学園に入って転校生としてやってきたローズベル、あのピンク頭が来てから全ておかしくなったのにゃ」
「……ヤンデレ。その、ルーエリンは婚約者の女にそんなに執着していたのか??」
スメルハラスメント竜帝様は何故か全然関係ないところを聞き返した。それに対して優しいミケは少し困った顔をしている。私の可愛いミケが困っている、これは助けるべきかと思ったが……。
「殿下はそれはもう、リリア様が大好きで、お城に隠し部屋を作りそこにリリア様の等身大の彫像や、姿絵コレクション、さらにはふたりでお出かけした際の記念品を丁寧にコレクションしては、リリア様に会えない日はその中で1日リリア様との逢瀬に想いを馳せておりましたにゃ。それ以外にもリリア様のことを毎日影に探らせて少しでもリリア様に近付く男がいたら、キレイキレイしてたにゃ。さらに口癖で「リリアが好きすぎて保護監禁したい」とか言ってたにゃ……あ、あの……」
その言葉にスメルハラスメント竜帝様の表情が極悪なものに変わっている。確かに番が重い愛で自分以外を愛していたとかいう話は聞いていい気持ちはしない。私だってもしミケが誰かにヤンデレ愛を拗らせていた話を聞いたら、あまりのショックに逆に興奮して玄関マット遺伝子が活性化しミケに踏んでほしいとその場で叫んでしまうかもしれない。
「ルーエリンは婚約者にそこまで執着していたのか。途中で話を止めてすまない。一旦ローズベルという女の話をしてほしい」
「わかりましたにゃ。ローズベルが来てしばらくは殿下はいつも通りリリア様をストーカーするヤンデレパーフェクト殿下だったのですが……確かこちらの帝国の、竜帝陛下の甥っ子様のシユ公爵令息様が留学してきた、あの日あたりから殿下の様子がおかしくなりました。
具体的には何故かローズベルとひと目も憚らずイチャイチャするようになって、目も虚ろで、さらに殿下は勉強をある程度してるだけで学年上位の成績をとるほど優秀だったのに、急に最下位を取り出して、人の話も聞かなくなったし、いつも壊れたようにローズベルの名前を呼び続けて、なんだか麻薬、いやマタタビに惹かれて我を忘れてしまう時のようにあの腐れ女だけを求めるようになったのにゃ。でも……」
そこまで話して、とても辛そうな顔をミケがした。
「でも、殿下は時々普通になることがあってそのタイミングではリリア様のことを探したりしてたし、何故かローズベルといちゃついたことも忘れていて、むしろその話をしたら嫌悪感から泣いていらっしゃったにゃ。
ただ、ローズベルが近くに来ると殿下はマタタビ廃のネコ科みたいになってしまったですにゃ。マタタビ怖いですにゃ、ガトーしゃんも怖いですにゃ。いや、マタタビは置いといて、殿下は完全に殿下ではなくなっていて……アレはマタタビと同じでイチャイチャというより耐え難くてスリスリしているような、そんな感じでした。
……そして、卒業パーティーの日に殿下はリリア様との婚約を破棄してしまったのですにゃ。しかも愛するリリア様に無実の罪を着せて。ただ、あの時、殿下は台本読んでるみたいに棒読みで心もここにあらずだったにゃ。
その前に会った殿下の目はほんの少し正気にも見えたのですが……」
「つまり、ミケはそのローズベルという女がマタタビのようにかの元王太子殿下を誑かしたと……。しかし、ミケ、マタタビは悪くない。私はミケを廃ネコ科なんかにしない、ただ、ふたりで愛を分かちあって……」
「ガトー次に会話を遮ったら側近のお前にしたくないが少し痛いことをする」
「えっ!!だめです、竜帝様、私にはミケというマイスイートハニーミケが居ますのでエロ同人みたいな展開は……」
「とりあえず歯を食いしばれ」
何故か私は竜帝様にたこ殴りにされた。痛かった。とりあえず少しボコボコになったが、そのまま話は進行された。ミケがプルプル震えているのでとりあえずその体を抱きしめてあげたかったが、竜帝様が圧と悪臭を強めて私を睨んでいたので一旦は我慢した。
「はいですにゃ、王太子殿下、私が仕えていたかの御方はとても優秀な方でした。特に幼い日に婚約者となったリリア様をそれはもう溺愛されていて、その行為が行き過ぎて完全なるヤンデレ殿下だったことを除けば全てにおいて完璧な御方だったのですにゃ。それなのに、学園に入って転校生としてやってきたローズベル、あのピンク頭が来てから全ておかしくなったのにゃ」
「……ヤンデレ。その、ルーエリンは婚約者の女にそんなに執着していたのか??」
スメルハラスメント竜帝様は何故か全然関係ないところを聞き返した。それに対して優しいミケは少し困った顔をしている。私の可愛いミケが困っている、これは助けるべきかと思ったが……。
「殿下はそれはもう、リリア様が大好きで、お城に隠し部屋を作りそこにリリア様の等身大の彫像や、姿絵コレクション、さらにはふたりでお出かけした際の記念品を丁寧にコレクションしては、リリア様に会えない日はその中で1日リリア様との逢瀬に想いを馳せておりましたにゃ。それ以外にもリリア様のことを毎日影に探らせて少しでもリリア様に近付く男がいたら、キレイキレイしてたにゃ。さらに口癖で「リリアが好きすぎて保護監禁したい」とか言ってたにゃ……あ、あの……」
その言葉にスメルハラスメント竜帝様の表情が極悪なものに変わっている。確かに番が重い愛で自分以外を愛していたとかいう話は聞いていい気持ちはしない。私だってもしミケが誰かにヤンデレ愛を拗らせていた話を聞いたら、あまりのショックに逆に興奮して玄関マット遺伝子が活性化しミケに踏んでほしいとその場で叫んでしまうかもしれない。
「ルーエリンは婚約者にそこまで執着していたのか。途中で話を止めてすまない。一旦ローズベルという女の話をしてほしい」
「わかりましたにゃ。ローズベルが来てしばらくは殿下はいつも通りリリア様をストーカーするヤンデレパーフェクト殿下だったのですが……確かこちらの帝国の、竜帝陛下の甥っ子様のシユ公爵令息様が留学してきた、あの日あたりから殿下の様子がおかしくなりました。
具体的には何故かローズベルとひと目も憚らずイチャイチャするようになって、目も虚ろで、さらに殿下は勉強をある程度してるだけで学年上位の成績をとるほど優秀だったのに、急に最下位を取り出して、人の話も聞かなくなったし、いつも壊れたようにローズベルの名前を呼び続けて、なんだか麻薬、いやマタタビに惹かれて我を忘れてしまう時のようにあの腐れ女だけを求めるようになったのにゃ。でも……」
そこまで話して、とても辛そうな顔をミケがした。
「でも、殿下は時々普通になることがあってそのタイミングではリリア様のことを探したりしてたし、何故かローズベルといちゃついたことも忘れていて、むしろその話をしたら嫌悪感から泣いていらっしゃったにゃ。
ただ、ローズベルが近くに来ると殿下はマタタビ廃のネコ科みたいになってしまったですにゃ。マタタビ怖いですにゃ、ガトーしゃんも怖いですにゃ。いや、マタタビは置いといて、殿下は完全に殿下ではなくなっていて……アレはマタタビと同じでイチャイチャというより耐え難くてスリスリしているような、そんな感じでした。
……そして、卒業パーティーの日に殿下はリリア様との婚約を破棄してしまったのですにゃ。しかも愛するリリア様に無実の罪を着せて。ただ、あの時、殿下は台本読んでるみたいに棒読みで心もここにあらずだったにゃ。
その前に会った殿下の目はほんの少し正気にも見えたのですが……」
「つまり、ミケはそのローズベルという女がマタタビのようにかの元王太子殿下を誑かしたと……。しかし、ミケ、マタタビは悪くない。私はミケを廃ネコ科なんかにしない、ただ、ふたりで愛を分かちあって……」
「ガトー次に会話を遮ったら側近のお前にしたくないが少し痛いことをする」
「えっ!!だめです、竜帝様、私にはミケというマイスイートハニーミケが居ますのでエロ同人みたいな展開は……」
「とりあえず歯を食いしばれ」
何故か私は竜帝様にたこ殴りにされた。痛かった。とりあえず少しボコボコになったが、そのまま話は進行された。ミケがプルプル震えているのでとりあえずその体を抱きしめてあげたかったが、竜帝様が圧と悪臭を強めて私を睨んでいたので一旦は我慢した。
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