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番外編:グレゴリー編
11.久遠の最果てまで02(リーンハルト視点)(グレゴリー(狂信者)編)
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それから何度も僕は最愛を失い続けた。
ある時は、推しである母に会いたいと最期には黄泉の国へ旅立ってしまった。またある時は、また竜を推して、最期に唯一の弱点を突かれて殺されてしまった。
全ての世で自分より先に出会った何かに惹かれて、最期の一瞬以外の時間を僕は最愛と得ることはできなかった。それでも最愛と一緒の時間があるだけで僕は幸福だった。そう、愛する人がいるだけで僕は……けれどそんな幸せは本当に嘘のようにすぐになくなってしまった。
そして、僕はとうとう壊れた。
精神が壊れた僕は、最愛を忘れようとした。最愛に出会わないように世界の果てまで逃げ出した。
そうしてやっと手に入れた平穏な日々は、なんの感傷もなく凪のような静かさだったが僕の心は同時に輝きもなくした。
ゆっくりと水分を失くして枯れていく花のように、そのままドライフラワーになっていくように僕はモノクロの世界をただ、生きていた。その時に偶然、竜王の血を引く帝国の皇族と接触した。
彼等は、他の人間に比べて長命であることと、竜王の血筋ということで何故かそこにいることで僕は何かを取り戻そうとしていた。よく考えたら、竜王に執着する最愛が来るのを待っていたのだろう。
これについて、彼が執着していた竜王が黒髪で金色の瞳をしていたことをあまりにも竜王には興味がなさ過ぎて忘れていたことで、銀髪に碧眼という竜王の番に似ているこの国の皇帝には最愛が興味を示さなかったことで、長い年月再会できないという汚点を作る羽目になったことにはついこの間気付いた。
そうして、最愛を忘れて、皇帝とその最愛の番様との愛を近くて遠い場所から眺める日々はアイドルが、推しの幸福を見るような日々で、僅かに心が躍った。
愛する最愛が、眺めていた風景。推しを本気で追いかける日々はその魂に触れた気がした。だからだろう、僕はそれを楽しんでいた。
そんな日々を送り、ヴィルヘルム皇帝と番様であるマーティン様が幸せそうにしているのを見守っていた時だった、僕はマーティン様から懐かしい気配を感じて心が正気に戻ってしまった。
正気に戻れば、僕は最愛に会いたくて仕方なくなった。けれど最愛がまだ見つからず、推し活の終わりについて考えていたところへグレッグが、僕の最愛が現れた。
それからはただ、グレッグの尊さが愛おしくて壊れてしまいそうで、しかもグレッグはなんだろう今までの最愛も全員素敵だったのだけれどもう、可愛いの極なのだ。
どれくらい可愛いかというと、某金融会社のCMに出てきた小さな犬のように潤んだ上目遣いとかしちゃうんだ、それも無意識に。こんな可愛いからあまたの男に狙われてしまいそうで僕は気が気ではない。
実際、グレッグを見つめるルーク殿下の目は動物を見るムツゴロ〇さんのような眼差しで見つめているし、ガルシア公爵に至っては皇帝陛下と同じすました顔を普段しているはずが、グレッグの可愛さに頬袋に餌を詰め込み過ぎたハムスターみたいな顔で見ていたから、とても心配になる。
(ああ、可愛いグレッグが結婚してくれるって誓ってくれたし監禁したいな。閉じこめて僕だけその可愛い瞳で見つめてほしい、声を聞かせてほしい、その短い人生を全部僕にくれないかな……)
そんなことを考えてグレッグを見ている、なんやかんやWデートになったus〇で、ターキーレッグの食べ方に悪戦苦闘している。
(可愛い、可愛いが過ぎる)
「うーん、どうしたものか……」
大口を開けて食べるのを躊躇しているみたいなんだけど、肉をこう加えるところがなんかこう色々想像してしまって……
「ん?どうしたリーンハルト、鼻血が出ている。ああ、すまない。ハンカチを今持っていない、そうだ!!」
そう言ってターキーレッグの紙で止血しようとしたグレッグ。あの紙は固いので鼻血止めには向いていないし、すごくお肉の香りがするけどとても幸せだ。
その様子を「グレゴリーも幸せそうでよかった」とムツゴロ〇さんのような目で見ているルーク殿下と、完全に頬袋にターキーレッグでも詰め込んだような顔をしているガルシア公爵が見ているけれど、幸せだから気にしてはいけない。
そうして色々あったけれど、僕は最愛を手に入れて、初デートしてから宮殿に戻った。
ある時は、推しである母に会いたいと最期には黄泉の国へ旅立ってしまった。またある時は、また竜を推して、最期に唯一の弱点を突かれて殺されてしまった。
全ての世で自分より先に出会った何かに惹かれて、最期の一瞬以外の時間を僕は最愛と得ることはできなかった。それでも最愛と一緒の時間があるだけで僕は幸福だった。そう、愛する人がいるだけで僕は……けれどそんな幸せは本当に嘘のようにすぐになくなってしまった。
そして、僕はとうとう壊れた。
精神が壊れた僕は、最愛を忘れようとした。最愛に出会わないように世界の果てまで逃げ出した。
そうしてやっと手に入れた平穏な日々は、なんの感傷もなく凪のような静かさだったが僕の心は同時に輝きもなくした。
ゆっくりと水分を失くして枯れていく花のように、そのままドライフラワーになっていくように僕はモノクロの世界をただ、生きていた。その時に偶然、竜王の血を引く帝国の皇族と接触した。
彼等は、他の人間に比べて長命であることと、竜王の血筋ということで何故かそこにいることで僕は何かを取り戻そうとしていた。よく考えたら、竜王に執着する最愛が来るのを待っていたのだろう。
これについて、彼が執着していた竜王が黒髪で金色の瞳をしていたことをあまりにも竜王には興味がなさ過ぎて忘れていたことで、銀髪に碧眼という竜王の番に似ているこの国の皇帝には最愛が興味を示さなかったことで、長い年月再会できないという汚点を作る羽目になったことにはついこの間気付いた。
そうして、最愛を忘れて、皇帝とその最愛の番様との愛を近くて遠い場所から眺める日々はアイドルが、推しの幸福を見るような日々で、僅かに心が躍った。
愛する最愛が、眺めていた風景。推しを本気で追いかける日々はその魂に触れた気がした。だからだろう、僕はそれを楽しんでいた。
そんな日々を送り、ヴィルヘルム皇帝と番様であるマーティン様が幸せそうにしているのを見守っていた時だった、僕はマーティン様から懐かしい気配を感じて心が正気に戻ってしまった。
正気に戻れば、僕は最愛に会いたくて仕方なくなった。けれど最愛がまだ見つからず、推し活の終わりについて考えていたところへグレッグが、僕の最愛が現れた。
それからはただ、グレッグの尊さが愛おしくて壊れてしまいそうで、しかもグレッグはなんだろう今までの最愛も全員素敵だったのだけれどもう、可愛いの極なのだ。
どれくらい可愛いかというと、某金融会社のCMに出てきた小さな犬のように潤んだ上目遣いとかしちゃうんだ、それも無意識に。こんな可愛いからあまたの男に狙われてしまいそうで僕は気が気ではない。
実際、グレッグを見つめるルーク殿下の目は動物を見るムツゴロ〇さんのような眼差しで見つめているし、ガルシア公爵に至っては皇帝陛下と同じすました顔を普段しているはずが、グレッグの可愛さに頬袋に餌を詰め込み過ぎたハムスターみたいな顔で見ていたから、とても心配になる。
(ああ、可愛いグレッグが結婚してくれるって誓ってくれたし監禁したいな。閉じこめて僕だけその可愛い瞳で見つめてほしい、声を聞かせてほしい、その短い人生を全部僕にくれないかな……)
そんなことを考えてグレッグを見ている、なんやかんやWデートになったus〇で、ターキーレッグの食べ方に悪戦苦闘している。
(可愛い、可愛いが過ぎる)
「うーん、どうしたものか……」
大口を開けて食べるのを躊躇しているみたいなんだけど、肉をこう加えるところがなんかこう色々想像してしまって……
「ん?どうしたリーンハルト、鼻血が出ている。ああ、すまない。ハンカチを今持っていない、そうだ!!」
そう言ってターキーレッグの紙で止血しようとしたグレッグ。あの紙は固いので鼻血止めには向いていないし、すごくお肉の香りがするけどとても幸せだ。
その様子を「グレゴリーも幸せそうでよかった」とムツゴロ〇さんのような目で見ているルーク殿下と、完全に頬袋にターキーレッグでも詰め込んだような顔をしているガルシア公爵が見ているけれど、幸せだから気にしてはいけない。
そうして色々あったけれど、僕は最愛を手に入れて、初デートしてから宮殿に戻った。
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