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番外編:グレゴリー編

04.嫌がらせを受けるはめになった(グレゴリー(狂信者)編)

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「ああ、なるほど。私とマクスを勘違いしているのか。威勢がなかなか良い若者だ」

「威勢が良いというより、ルークの狂信者なんよ。グレゴリー、この人は飼い主しゃん。ルークのバリ怖い叔父しゃんと血のつながりはあるけど別人なんよ」

「アホのマーティン。そんなことで僕が騙されると思っ……」

いきなり、先ほどまで穏やかな笑みを浮かべていたガルシア公爵から殺気が漏れだした。その威圧感に思わずたじろぎかけたが、そこで引いたらばルーク殿下をお守りできない。

(ここで引いたらルーク殿下を、大切な神をお守りできない。この自身の大切な根っこがあれば絶対負けない。そうだ!お前もこの苗のように強い根っこを持て! 出来る!)

「お米を食べろ!!そんな威圧には負けない。ルーク殿下、ルーク殿下をどこに隠した!!」

「お米食べろ??グレゴリー何言ってるんよ、ヤバイ、これ完全にイッてるんよ」

「ははは、私の威圧も恐れぬとはなるほど、お前はベルセルクの血筋か。しかし、私の最愛の番であるマルえるがいう通りで、マクスではない。ヴィルヘルム、この国の皇帝をしている」

そう言われて、前情報が急に頭の中を過った。

『イガルク帝国の現皇帝はガルシア公爵とまるで双子のように瓜ふたつで年齢も同じらしい』

「ま、まさか……」

「陛下、がご迷惑をお掛けして申し訳ありません。不敬罪とするならば、僕が責任をもってかわい……いえ、かんき……、いえ、罰を与えますので……」

「リーンハルト。単純にお前がその若者を監禁して色々したいだけだろう。この程度は不敬には問わないし、私の最愛の友人だ。大切にもてなすように」

「はい、わかりました」

恭しく跪いているリーンハルトの危険な発言を僕は決して聞きながしてはいない。

(あの男はやはり危険だ。注意を怠ってはいけない)

「グレゴリーはルークを探しにきたんよね??でもルークは……」

「ルーク殿下の居場所を知っているのか!!」

思わず、マーティンに詰め寄ると見慣れたアホ面が珍しく難しい顔をしている。

「今、ルークのバリ怖い叔父しゃんとこの国を転々としているから俺らも居場所は知らんよ」

「はっ!!なんだと!!」

思わずマーティンに詰め寄ると、マーティンがまるで可哀そうな人でも見るようにこちらを見つめた。

「お前とお前の親父の宰相しゃんから逃げて来たから、しばらくは飼い主しゃんが匿ってたけど、実際追い付かれとるしね。ルークのバリ怖い叔父しゃんの判断は正しかったようなんよ」

「クソっ!!絶対に見つけ出す。そうと分かれば僕自身が……」

「グレッグ、まだ条約についてちゃんと見直せていないよ。それに皇帝陛下もお戻りになられたしゆっくりしっかり国同士の話はしないといけない」

さっきまで僕を監禁して手を出そうとしたはずの危ない男であるリーンハルトがまるで、普通の人のような発言をしている。

「お前、気でも狂ったのか!!先ほどまでの発言とあまりに違いすぎる!!」

「僕はグレッグとを自覚してからずっと狂っているよ。陛下、それなので、ゆっくりとちゃんとお仕事してくださいね」

「こわっ!!リーンハルトしゃん、あんなにちゃんとした人だったリーンハルトしゃんがなんか狂ってしまったんよ。狂気は伝染するってルークが言ってたけど本当だったんよ!!」

「マルえる。リーンハルトは元々こんな感じだ。まぁ国同士の大切なことはしっかり決めないといけない。後まぁ、腹も立つが血を分けた身内の幸せもかかっているのでゆっくりしっかり話し合おう」


「ああああああああああああああ」

それから3週間ほど僕は、皇帝とリーンハルトと話合うことになった。それ自体は一応仕事なので構わないが小さな分かるだろうポイントを何度も聞き返したりされて、あからさまな妨害をされたことは絶対に許さない。

さらにもうひとつ許せないのが……。

「グレッグ、今日こそは僕の愛を受け入れておくれ」

「お前は何を言っている」

何故か毎晩、僕の貴賓室の寝室に最近、リーンハルトが潜り込んでいるという悪夢。

「大体、僕はお前についてよく知らない。今のところ気持ちが悪く話が全く通じない狂ったストーカーとしか認識していない」

「グレッグは素直だね。確かに今の君から見たらそうだろうね。そうだ、少し昔話をさせてくれないかい??」

そう言って、勝手に僕のベッドに入ったリーンハルトが隣に来いというように手招きしているので、僕はベットサイドの揺り椅子に腰かける。

「話はここで聞こう」

「グレッグは、恥ずかしがり屋さんだね。分かったよ。では、この世界で最も有名な王の話をするとしよう」
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