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番外編:マーティン編
最終話:廃嫡されて色々あったけどなんやかんや幸せなんよ(マーティン(廃嫡フレンズ)編)
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それからかれこれ、何ヵ月かの時が流れた。
「私の天使、おはよう」
「おはよっす、飼い主しゃん」
すっかり天使とか呼ばれるのにも慣れたし、すっかり淫紋や飼い主しゃんとの諸々も鍛えられた。きっと一皮むけた立派な男になってきているはずなんよ。
あの後、割とイケメンは捕らえられて尋問されて、どうやらゲオルクって人は殺されて入れ替わられていたこと、それに伴い護衛の入れ替えが行われて組織関係者が護衛に成りすましていたことなどが判明した。その後、組織の他の情報もなんやかんや判明して無事に壊滅させることができたそうだ。
割とイケメンは口とか堅いタイプかと思ったけど、別に拷問したりしていないのに何故か口を割ったらしい。その際に「自分は間違っていた、竜帝陛下には神の使わせた御使いである天使様が付き従っていた。あの麗しい天使様に嘘偽りなどいうことはできない」などと意味不明な話をしているらしいんよ。狂信者みたいで怖い。
これについては、リーンハルトしゃん曰く、
「マジカルエンジェルの尊さに彼もひれ伏したのです。だからお気になさらず。具体的に言うとあの聖なる一撃「ウィングマーティン・バーニングクラッシュ」を喰らうと人格がキレイキレイされるみたいです」
とかよく意味が分からないことを話していた。まぁなんにせよ飼い主しゃんの安全も確保されて良かったんよ。
「可愛い天使、実は今日の私の番であることのお披露目セレモニーに、隣国、君の故郷から特別ゲストを呼ばせてもらったよ」
そう言って、飼い主しゃんが俺の髪を撫でながら話をする。これもなんか慣れてきたんよ。慣れると割と気持ちよいんで飼い主しゃんは立派なモフリストなのかもしれない。
「特別ゲスト??」
自国の知り合いと考えて、本当はルークに会いたいけどルークは廃嫡されてからバリ怖い叔父しゃんの性奴隷になっているはずだからここには来れんし、だとしたら、真っ先に浮かぶのがグレゴリーとかラスボス宰相しゃんとか、あんまり考えたくないけどテディとかの可能性も微レ存。
それに、ちょっと引っかかるのが「呼んでいる」って飼い主しゃんが呼んだような発言しているところで、そうなると飼い主しゃんが人選して呼んだ可能性が高い。ならばワンチャン家族枠でテディの可能性もあるんかな。
「ああ、あちらもつい最近結婚したそうでね。国からちょっと逃避行したいらしいし、ならば新婚旅行がてら身の保証をするからおいでと誘ったら、最初は若干、嫌そうな顔していたけれどOKしてくれたよ」
嫌そうな顔ってことはグレゴリーかな??でもグレゴリーが結婚とか考えられんな。あいつルーク一筋でルーク以外みんなジャガイモで俺とルークが廃嫡された後、周囲の反対押し切って修道士になると出家したらしいし……。
(政略結婚かな。まぁグレゴリーのヤツも見た目だけは問題ないからな。ちょっとあいつの奧さんの顔とか気になるな……美人だったらどうしよう)
狂信者だけど、一応友人だし、幸せを願ってやりたいとは思う。そういう意味ではやっぱり親友のルークのことはとても心配なんよ。
なんせ最後に別れた時、バリ怖い叔父しゃんの性奴隷にされるという話だったし。俺は飼い主しゃんに出会って、割と楽しくやっているだけに、もしルークが幸せでなかったらと考えたら胸が痛くなった。
(あいつはなんやかんや一番の親友だから、楽しく生きていて欲しいんよ)
そんなことを考えて、色々と頭を使ったためか、すごいぼんやりした状態で、その後、食事をして、お披露目セレモニーのためにマジカルエンジェルに変身した俺は、一旦飼い主しゃんと謁見の間でリハーサルをしていた。
「お披露目セレモニー、とりあえず筋肉で無事乗り切らんといけんのよ」
「天使らしいね。あ、そう言えば……」
飼い主しゃんが何か言いかけた時、謁見の間に誰かがやってきた。まだ時間じゃないのに時間まちがえたんかなと思ってみた先には……。
「えっ、マーティン??」
「ル、ルーク!!」
バリ心配していた親友が立っていた。それも割と王太子時代と変わらないとても綺麗な身なりをしている。
「ルーク、めちゃんこ心配したんよ!!バリ怖い叔父しゃんの性奴隷になったって聞いてたけど無事だったんね!!」
俺は駆け出して、ルークに抱きついた。本当によかった、なんかわからんけどもしかしたらルークは王族とかに戻れたんかもしれない。そして、綺麗な奥さんと結婚したのかもしれない。
(ちょっと童貞卒業しているのうらやましいんよ)
そう考えた時、抱き合っていた体が無理やり離された。男の中の男であり筋肉に自信がある俺を簡単に引きはがした人物、そんなことできるのは……。
「ルークのバリ怖い叔父しゃん!!えっ、やっぱりルークはバリ怖い叔父しゃんの性奴隷のままなん??」
「マーティン。僕とおじたん、もといマクスは結婚したんだ。だから今、僕はガルシア公爵夫人になったんだよ、なんか変な感じだけど」
そう言って恥ずかしそうに笑う、ルーク。え、今夫人っていったような気がしたけど気のせいだよな。後、バリ怖い叔父しゃんと結婚したって完全に思考が停止した。
「そういうことだ。だから、マーティン、ルークに僕の花嫁に気安く触れるな」
なんか、懐かしい阿修羅みたいな顔したルークのバリ怖い叔父しゃんがいる。いくら飼い主しゃんで慣れたとはいえとてもとても怖いんよ。
「マクスこそ、私の番に気安く触ってはいけない。後、怯えさせるのも見過ごせないぞ」
そう悠然と飼い主しゃんが言って、こちらへやって来て俺を抱き寄せた。
「えっ、この人誰!?マクスに激似、いや双子ですか??まさかチートの双子とかなんですか!?設定と夢が盛り沢山すぎません??神様、贔屓し過ぎでは??」
ルークが懐かしい意味不明なことを言っている。別れた時と変わらない親友と再会できてめちゃんこ嬉しい。
「……ルーク、この人はこの帝国の皇帝で、僕の従兄弟ということになっている」
少し歯切れ悪く答えたルークのバリ怖い叔父しゃんに、ニヤニヤしながら飼い主しゃんが近づいて、その隣に並んだ。二人並ぶとどちらがどちらか服装でしか判断できない。従兄弟というより完全に双子だ。
「そうだね。表向きは従兄弟だけれど、本当は私とマクスは双子の兄弟なんだ。色々と訳ありで公の秘密ではあるけれどね」
「……その話は」
「いいじゃないか、お互いの最愛の相手にくらいその話をしても、あ、そうそうマクス。お前、私の番が自分の側にいることを知っていて黙っていただろう」
飼い主しゃんが、嫌な笑顔でルークのバリ怖い叔父しゃんの肩に手を置いた。ルークのバリ怖い叔父しゃんがすごい面倒そうな顔でそれを払う。
「だからなんだ??」
「自分ばかり、番の子といちゃいちゃして、私ずっとうらやましかったんだよね。ねぇ、どうして教えてくれなかったんだ??」
あれは面倒臭いモードの飼い主しゃんだ。ああなると色々面倒でかったるい。俺はふたりからとりあえず目を離して、ルークに話かける。後ろでドカンドカン何かを殴り合うような、二大怪獣が激突しているようなすごい音と、城の壁とかがぶち壊れるみたいな音がしたけど気にしてはいけないんよ。
「ルーク、ところで俺、実はバリ最強の戦士になったんよ、見てみて!!」
俺は力こぶを作って笑顔でルークに見せた。けれどルークが複雑な顔している。
「ああ、そうだ言おうと思ってたけど、マーティン、その格好は何??魔法少女への冒涜じゃん!!なんで魔法少女の格好しているの??新しい趣味??」
「いや、俺の趣味じゃないんよ。飼い主しゃん、もとい皇帝陛下の趣味なんよ。後、前にルークが話してた淫紋も飼い主しゃんに刻まれたんよ」
そういって下腹部の印をルークに見せたら、すごい顔している。具体的にはルークがよく「宇宙猫顔」といっていた顔だ。多分これ理解できていないかもしれん。俺が同じこと言われてもそうなるから、仕方ない。
「な、なんでマーティンがエロ同人の女の子みたいにエッチな展開してるの??あ、そうかここR18BL本の世界だからか。マーティンの番外編もあるって聞いてたし、でも、あれ。でもマーティンの相手はエドワードなんじゃ……」
「テディには犯されかけたから逃げたんよ。そんでこの飼い主しゃんにあってなんか気づいたら番になってて、マジカルエンジェルに変身できるようになって、えっと処女も喪失したんよ!!男マーティンさらに一皮むけたんよ」
キラキラした目でルークを見たら、ルークの目が腐った魚くらい死んでる。アレは多分、ラスボス宰相しゃんに絡まれて死にかけている時の目に似ている。
「ねぇ、マーティンさ、処女喪失ってつまりその皇帝陛下としたの??」
「もちろん!!しなきゃ喪失しないんよ。あ、そうそう、この間は凄い盛り上がってしまって3日3晩ほどしたんよ。アレは本当に境界線が分からなくなるほど気持ち良かったんよ。もっと鍛えて7日7晩くらいできるようになるのが今の目標で……」
俺のその言葉にルークの顔面が蒼白になる。なんなら小刻みに震えている。
「はっ!?それ腹上死確定イベント……」
「ああ、やっぱりルーク、3日3晩はおかしいことではないみたいだね」
いつの間にか、飼い主しゃんと話し合いというか殴り合いが終わったらしい、ルークのバリ怖い叔父しゃんがルークの背後に来ていてそのまま後ろから抱きしめたというかホールドしている。城がさっき割と壊れていたけど全部直っているから多分気のせいなんよ。
「いやいや、えっ、絶対おかしいですって!!」
「この間はルークが泣いて死にかけたから半分の1日半で我慢したけど、このセレモニーが終わったら仕切り直しに3日3晩愛し合おう僕の花嫁」
「いやあああああああ、腹上死確定イベントはらめぇ!!」
ルークの悲痛な叫びが響き渡る。それにしても一時は色々どうなるかと思ったけど、なんやかんや廃嫡された俺も親友も幸せになれたみたいなんよ。
「さぁ。そろそろ行かないといけないよ、マーティン」
俺の手をとる飼い主しゃん。最初は正直どうなるかと思ったけれど、今、俺は飼い主しゃんと一緒になれてとても幸せなんよ。
HAPPY END
****************************************
マーティン編をお読み頂きありがとうございます。ルークとは違うタイプの主人公で書いていて楽しかったです。
こちらの話数の公開タイミングに、一旦こちらステータス完結になりますが、12月頭頃にリクエストの消化をさせて頂き、準備整い次第、第2部も始められたらと思います。
そちらについては確定後、近況報告にて追記させて頂きます。
この度はとても長い間、作品を愛して頂きありがとうございます。こちら初めての公募作品で色々手探りでしたが皆様のおかげでここまで来ることができ、感謝しかありません。
この作品が出て少しした頃に作品ページにちょっとした変化があると思います。そちらも皆さまに応援を頂いたおかげで夢がひとつ叶いました。少しでも皆様にも喜んで頂けましたら嬉しいです。
では、一旦、この辺りで失礼いたします。また12月にお会いいたしましょう!!
「私の天使、おはよう」
「おはよっす、飼い主しゃん」
すっかり天使とか呼ばれるのにも慣れたし、すっかり淫紋や飼い主しゃんとの諸々も鍛えられた。きっと一皮むけた立派な男になってきているはずなんよ。
あの後、割とイケメンは捕らえられて尋問されて、どうやらゲオルクって人は殺されて入れ替わられていたこと、それに伴い護衛の入れ替えが行われて組織関係者が護衛に成りすましていたことなどが判明した。その後、組織の他の情報もなんやかんや判明して無事に壊滅させることができたそうだ。
割とイケメンは口とか堅いタイプかと思ったけど、別に拷問したりしていないのに何故か口を割ったらしい。その際に「自分は間違っていた、竜帝陛下には神の使わせた御使いである天使様が付き従っていた。あの麗しい天使様に嘘偽りなどいうことはできない」などと意味不明な話をしているらしいんよ。狂信者みたいで怖い。
これについては、リーンハルトしゃん曰く、
「マジカルエンジェルの尊さに彼もひれ伏したのです。だからお気になさらず。具体的に言うとあの聖なる一撃「ウィングマーティン・バーニングクラッシュ」を喰らうと人格がキレイキレイされるみたいです」
とかよく意味が分からないことを話していた。まぁなんにせよ飼い主しゃんの安全も確保されて良かったんよ。
「可愛い天使、実は今日の私の番であることのお披露目セレモニーに、隣国、君の故郷から特別ゲストを呼ばせてもらったよ」
そう言って、飼い主しゃんが俺の髪を撫でながら話をする。これもなんか慣れてきたんよ。慣れると割と気持ちよいんで飼い主しゃんは立派なモフリストなのかもしれない。
「特別ゲスト??」
自国の知り合いと考えて、本当はルークに会いたいけどルークは廃嫡されてからバリ怖い叔父しゃんの性奴隷になっているはずだからここには来れんし、だとしたら、真っ先に浮かぶのがグレゴリーとかラスボス宰相しゃんとか、あんまり考えたくないけどテディとかの可能性も微レ存。
それに、ちょっと引っかかるのが「呼んでいる」って飼い主しゃんが呼んだような発言しているところで、そうなると飼い主しゃんが人選して呼んだ可能性が高い。ならばワンチャン家族枠でテディの可能性もあるんかな。
「ああ、あちらもつい最近結婚したそうでね。国からちょっと逃避行したいらしいし、ならば新婚旅行がてら身の保証をするからおいでと誘ったら、最初は若干、嫌そうな顔していたけれどOKしてくれたよ」
嫌そうな顔ってことはグレゴリーかな??でもグレゴリーが結婚とか考えられんな。あいつルーク一筋でルーク以外みんなジャガイモで俺とルークが廃嫡された後、周囲の反対押し切って修道士になると出家したらしいし……。
(政略結婚かな。まぁグレゴリーのヤツも見た目だけは問題ないからな。ちょっとあいつの奧さんの顔とか気になるな……美人だったらどうしよう)
狂信者だけど、一応友人だし、幸せを願ってやりたいとは思う。そういう意味ではやっぱり親友のルークのことはとても心配なんよ。
なんせ最後に別れた時、バリ怖い叔父しゃんの性奴隷にされるという話だったし。俺は飼い主しゃんに出会って、割と楽しくやっているだけに、もしルークが幸せでなかったらと考えたら胸が痛くなった。
(あいつはなんやかんや一番の親友だから、楽しく生きていて欲しいんよ)
そんなことを考えて、色々と頭を使ったためか、すごいぼんやりした状態で、その後、食事をして、お披露目セレモニーのためにマジカルエンジェルに変身した俺は、一旦飼い主しゃんと謁見の間でリハーサルをしていた。
「お披露目セレモニー、とりあえず筋肉で無事乗り切らんといけんのよ」
「天使らしいね。あ、そう言えば……」
飼い主しゃんが何か言いかけた時、謁見の間に誰かがやってきた。まだ時間じゃないのに時間まちがえたんかなと思ってみた先には……。
「えっ、マーティン??」
「ル、ルーク!!」
バリ心配していた親友が立っていた。それも割と王太子時代と変わらないとても綺麗な身なりをしている。
「ルーク、めちゃんこ心配したんよ!!バリ怖い叔父しゃんの性奴隷になったって聞いてたけど無事だったんね!!」
俺は駆け出して、ルークに抱きついた。本当によかった、なんかわからんけどもしかしたらルークは王族とかに戻れたんかもしれない。そして、綺麗な奥さんと結婚したのかもしれない。
(ちょっと童貞卒業しているのうらやましいんよ)
そう考えた時、抱き合っていた体が無理やり離された。男の中の男であり筋肉に自信がある俺を簡単に引きはがした人物、そんなことできるのは……。
「ルークのバリ怖い叔父しゃん!!えっ、やっぱりルークはバリ怖い叔父しゃんの性奴隷のままなん??」
「マーティン。僕とおじたん、もといマクスは結婚したんだ。だから今、僕はガルシア公爵夫人になったんだよ、なんか変な感じだけど」
そう言って恥ずかしそうに笑う、ルーク。え、今夫人っていったような気がしたけど気のせいだよな。後、バリ怖い叔父しゃんと結婚したって完全に思考が停止した。
「そういうことだ。だから、マーティン、ルークに僕の花嫁に気安く触れるな」
なんか、懐かしい阿修羅みたいな顔したルークのバリ怖い叔父しゃんがいる。いくら飼い主しゃんで慣れたとはいえとてもとても怖いんよ。
「マクスこそ、私の番に気安く触ってはいけない。後、怯えさせるのも見過ごせないぞ」
そう悠然と飼い主しゃんが言って、こちらへやって来て俺を抱き寄せた。
「えっ、この人誰!?マクスに激似、いや双子ですか??まさかチートの双子とかなんですか!?設定と夢が盛り沢山すぎません??神様、贔屓し過ぎでは??」
ルークが懐かしい意味不明なことを言っている。別れた時と変わらない親友と再会できてめちゃんこ嬉しい。
「……ルーク、この人はこの帝国の皇帝で、僕の従兄弟ということになっている」
少し歯切れ悪く答えたルークのバリ怖い叔父しゃんに、ニヤニヤしながら飼い主しゃんが近づいて、その隣に並んだ。二人並ぶとどちらがどちらか服装でしか判断できない。従兄弟というより完全に双子だ。
「そうだね。表向きは従兄弟だけれど、本当は私とマクスは双子の兄弟なんだ。色々と訳ありで公の秘密ではあるけれどね」
「……その話は」
「いいじゃないか、お互いの最愛の相手にくらいその話をしても、あ、そうそうマクス。お前、私の番が自分の側にいることを知っていて黙っていただろう」
飼い主しゃんが、嫌な笑顔でルークのバリ怖い叔父しゃんの肩に手を置いた。ルークのバリ怖い叔父しゃんがすごい面倒そうな顔でそれを払う。
「だからなんだ??」
「自分ばかり、番の子といちゃいちゃして、私ずっとうらやましかったんだよね。ねぇ、どうして教えてくれなかったんだ??」
あれは面倒臭いモードの飼い主しゃんだ。ああなると色々面倒でかったるい。俺はふたりからとりあえず目を離して、ルークに話かける。後ろでドカンドカン何かを殴り合うような、二大怪獣が激突しているようなすごい音と、城の壁とかがぶち壊れるみたいな音がしたけど気にしてはいけないんよ。
「ルーク、ところで俺、実はバリ最強の戦士になったんよ、見てみて!!」
俺は力こぶを作って笑顔でルークに見せた。けれどルークが複雑な顔している。
「ああ、そうだ言おうと思ってたけど、マーティン、その格好は何??魔法少女への冒涜じゃん!!なんで魔法少女の格好しているの??新しい趣味??」
「いや、俺の趣味じゃないんよ。飼い主しゃん、もとい皇帝陛下の趣味なんよ。後、前にルークが話してた淫紋も飼い主しゃんに刻まれたんよ」
そういって下腹部の印をルークに見せたら、すごい顔している。具体的にはルークがよく「宇宙猫顔」といっていた顔だ。多分これ理解できていないかもしれん。俺が同じこと言われてもそうなるから、仕方ない。
「な、なんでマーティンがエロ同人の女の子みたいにエッチな展開してるの??あ、そうかここR18BL本の世界だからか。マーティンの番外編もあるって聞いてたし、でも、あれ。でもマーティンの相手はエドワードなんじゃ……」
「テディには犯されかけたから逃げたんよ。そんでこの飼い主しゃんにあってなんか気づいたら番になってて、マジカルエンジェルに変身できるようになって、えっと処女も喪失したんよ!!男マーティンさらに一皮むけたんよ」
キラキラした目でルークを見たら、ルークの目が腐った魚くらい死んでる。アレは多分、ラスボス宰相しゃんに絡まれて死にかけている時の目に似ている。
「ねぇ、マーティンさ、処女喪失ってつまりその皇帝陛下としたの??」
「もちろん!!しなきゃ喪失しないんよ。あ、そうそう、この間は凄い盛り上がってしまって3日3晩ほどしたんよ。アレは本当に境界線が分からなくなるほど気持ち良かったんよ。もっと鍛えて7日7晩くらいできるようになるのが今の目標で……」
俺のその言葉にルークの顔面が蒼白になる。なんなら小刻みに震えている。
「はっ!?それ腹上死確定イベント……」
「ああ、やっぱりルーク、3日3晩はおかしいことではないみたいだね」
いつの間にか、飼い主しゃんと話し合いというか殴り合いが終わったらしい、ルークのバリ怖い叔父しゃんがルークの背後に来ていてそのまま後ろから抱きしめたというかホールドしている。城がさっき割と壊れていたけど全部直っているから多分気のせいなんよ。
「いやいや、えっ、絶対おかしいですって!!」
「この間はルークが泣いて死にかけたから半分の1日半で我慢したけど、このセレモニーが終わったら仕切り直しに3日3晩愛し合おう僕の花嫁」
「いやあああああああ、腹上死確定イベントはらめぇ!!」
ルークの悲痛な叫びが響き渡る。それにしても一時は色々どうなるかと思ったけど、なんやかんや廃嫡された俺も親友も幸せになれたみたいなんよ。
「さぁ。そろそろ行かないといけないよ、マーティン」
俺の手をとる飼い主しゃん。最初は正直どうなるかと思ったけれど、今、俺は飼い主しゃんと一緒になれてとても幸せなんよ。
HAPPY END
****************************************
マーティン編をお読み頂きありがとうございます。ルークとは違うタイプの主人公で書いていて楽しかったです。
こちらの話数の公開タイミングに、一旦こちらステータス完結になりますが、12月頭頃にリクエストの消化をさせて頂き、準備整い次第、第2部も始められたらと思います。
そちらについては確定後、近況報告にて追記させて頂きます。
この度はとても長い間、作品を愛して頂きありがとうございます。こちら初めての公募作品で色々手探りでしたが皆様のおかげでここまで来ることができ、感謝しかありません。
この作品が出て少しした頃に作品ページにちょっとした変化があると思います。そちらも皆さまに応援を頂いたおかげで夢がひとつ叶いました。少しでも皆様にも喜んで頂けましたら嬉しいです。
では、一旦、この辺りで失礼いたします。また12月にお会いいたしましょう!!
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