【第1部終了】断罪されて廃嫡された元王子に転生した僕は救国の英雄の叔父に監禁されえげつない目にあうようです

ひよこ麺

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番外編:マーティン編

08.肛門括約筋がわりとピンチだったんよ(マーティン(廃嫡フレンズ)編)

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※エロではないですが、トイレへ行く描写があるので念のため。

「マーティン様、何か気になることがございましたか??」

「この城の護衛、いや、飼い主しゃん付きの護衛って変じゃないっすか??」

先ほどの騒ぎもあって、護衛がいないのを一応確認してから話した。その辺りはちゃんと俺、見てるんよ。

前に弱い護衛が飼い主しゃんは簡単には死なないから、助けないで良いとか言っていた。けれど俺はそれがとても引っかかるのだ。だって仮に簡単に死なないとしてもあいつら立っているだけで最低限のこともしないのは異常だ。確かルークがこういう働かん連中のこと王城ニートって呼んでたけど、護衛が王城ニートってどうなん。ちなみに王城ニートの意味はよくわからん。

刺客がわんさか来るのも、そもそも護衛が、侵入を許しているせいだと思った。というか護衛は全然仕事していないから必要かってレベル。うちの城でこれやったらルークのバリ怖い叔父しゃんに確実に別の場所へ送られるレベルなんよ。

「それは私が、死なないから……」

「でも飼い主しゃんだって怪我するっしょ。さっきから気になってたんっすけどその手の怪我……」

さっき俺に触った時、一瞬、眉をひそめてたのに気づいた。多分擦り傷だろうけど、飼い主しゃんも戦いで怪我してる。つまり簡単には死なないだけで怪我はする。俺は飼い主しゃんの手を取った。気休めだけど、お決まりのおまじないをする。

「いくら、簡単に死ななくても怪我したら痛い。ほら、痛いの痛いのバリ遠くまで飛んでくんよ!!」

「マルえる、君はやっぱり天使だ、私の傷が絶対治った気がする……」

気がするだけなんで明らかに治ってないけど、飼い主しゃんが治ってるというならそれはいいんだけど、なんで頭を無茶苦茶なでなでしているのかの意味がわからん。

「もし飼い主しゃんが怪我して倒れたらどうなるっすか??簡単に死なないって言っても条件を満たせば死ぬんっすよね??それにさっき言ったけど護衛なのになんであれだけ沢山の刺客の侵入を王城に許したのか、絶対あいつら立ってるだけの王城ニートっすよ」

今まで黙って聞いていたリーンハルトしゃんが真剣な顔になる。

「マーティン様の意見、一利あるやもしれません。確かに我が国の、いえ現在、城で雇われている護衛は護衛として機能していない。先ほどその瞬間を初めてみましたが、まるで意図的にそうしているように彼らは逃げてしまった……」

「リーンハルト、もしかしたらあいつが……」

「ええ、もうひとりの側近、護衛や近衛騎士団に対して権限を持っているゲオルク、彼が何か知っているかもしれません」

無茶苦茶、真剣に話すふたりには申し訳ないけど、俺に人間としての尊厳クエストが発生してしまった。つまり、お手洗いに行きたい、漏らしそうというやつだ。

「あの、バリ真面目な話の最中に悪いんっすけど、お手洗いってどこっすか??」

漏れそうでもじもじする。悪い癖なんだけど、なんでも極限まで我慢して放出するほうが気持ち良い気がしてつい尿意も我慢してしまうんよ。でも、知らない場所でこれすると尊厳クエストの発生率が上がるからやめようとは思ってる。

でも、なんか癖でやめられん。テディに何回か「マート兄さん、僕は兄さんのためにいつも魔導式携帯トイレを持っているので言ってください。兄さんが漏らす姿は僕以外見てはいけないんですよ」とか目が笑ってない顔で言われたことあったな。怖かった。

「マルえる、トイレを我慢するのは良くない。確かに何かを我慢しているマルえるは、そそるものがあるが、最悪、病気になってしまう。さぁ、今すぐトイレへ連れて行こう」

飼い主しゃんがそのまま抱きかかえて、お手洗いに連れて行こうとするがそれを制止する。

「あ、自分で歩けるっす。それに割と限界だから変な動かし方すると、漏れちゃ……うっ」

内股でまるで生まれたての小鹿くらい恥ずかしいポーズをとらないといけない俺。やっぱり限界付近までの我慢は良くない、とりあえず俺は肛門括約筋こうもんかつやくきんをグッと閉めてはいるけれど膀胱なんであんまり効果はなさげだ。筋肉の敗北かもしれん。いや、筋肉は万能だから尿意にも勝てるはずなんよ。

「だめだ、マルえる、その姿で歩いたら。城のみんながマルえるの可愛い肛門括約筋こうもんかつやくきんに悪戯してしまう。むしろ私がその誘惑と戦っているくらいだ」

と強引に飼い主しゃんに抱きかかえて歩かれる。腹がパンパンだから、出そうになっている。しかし、ここで尊厳クエストに失敗したら男マーティンは尿意に負けた男になってしまうんよ。負けられない戦いがここにあるんよ。

「ううっ、早く……しっ、まけない……っはん」

割とガチで涙目になっている俺の顔を、飼い主しゃんが物凄い顔で見てた。やっぱり情けない男と思われてしまったかもしれない。弟子入りの道が遠ざかったかもしれん。

尿意如きで涙目になるなんて男マーティン的には不覚なんよ。「ああ、漏らさせたいなんて思っちゃだめだ、理性、私の理性負けるな」とか飼い主しゃんも何かと戦っていた。やはり戦士には闘志が必要なんよ。

ギリギリ間に合って、お手洗いで用を足す。なんかずっと背後から飼い主しゃんの視線を感じるけど、刺客もいるから警戒してくれているのだろう。飼い主しゃんはバリ最強の男だから背中を預けることに抵抗はないんよ。

「なんとか理性が勝ってよかった。危なく、可愛い天使のお尻に欲情して後ろから挿れたくなった」

前言撤回、飼い主しゃんに背中預けたら、肛門括約筋こうもんかつやくきんに危機が訪れることを悟った。
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