100 / 126
番外編:マーティン編
06.あの時襲っていた刺客の正体を知ったんよ(マーティン(廃嫡フレンズ)編)
しおりを挟む
※戦闘描写があるため、血の描写、ケガの描写があります、ご注意ください。
色々見たことないものを見せてもらったり食べさせてもらって、感動していた矢先、庭に居た飼い主しゃんのところに見たことないすごい綺麗な兄しゃんがやってきた。
サラサラの黒い髪に、紫の瞳。カラーリングは若干違うけど、ルークの優しそうでバリ腹黒いお兄しゃんにちょっと似ている気がする。
「皇帝陛下、例の連中が……ん?こちらの可愛らしい方は??」
でも、この綺麗な兄しゃんも眼球がおかしいんよ。俺は180㎝あるそこそこ筋肉質な男なんで、可愛いではなくカッコイイが正しいんよ。そもそも男に可愛いは嬉しくないしな。
「ああ、彼は、マーティン。私の番だ」
その言葉に、綺麗な兄しゃんがすごい優しい笑顔になる。綺麗な人の笑顔の破壊力はバリやばい。これがお姉しゃんだったら完全に落ちてた。恋するマーティンが爆誕していた。
優しい笑顔が綺麗な兄しゃんが、僕に恭しく臣下の礼をとる。
「初めまして、マーティン様。僕はリーンハルト。皇帝陛下の側近をしている魔術師です」
「魔術師!!すげぇ、初めて見た。あ、はいけんした!!俺は、マーティンっす、よろしくお願いいたします」
「マルえる、リーンハルトばかり見ていると寂しいからこっちを向いておくれ」
ぐりんって音しそうなくらい俺の首をこちらに回そうとする、飼い主しゃん、流石にそれは痛い。痛みに割と強い自負はあるけどそういうのはだめなんよ。
「飼い主しゃん、首ぐりんはダメなんよ。最悪、すじが伸びてバリ痛いから」
「皇帝陛下、そのようにしては、マーティン様が割とお強いから大丈夫でしたが、ほかの人にはやってはいけません。最悪首がもげる可能性があります」
あれ、俺とリーンハルトしゃんの言い分がだいぶ違う。むしろあれって首もげるほどの力だった??そこまでは強くなかったと思うけど。
「すまない。マルえるが怪我をしたら私は生きていけない」
ふたりに怒られて珍しくシュンとしている飼い主しゃん。整った顔の人ってシュンとしても絵になるからうらやましい。
俺が前にシュンとしてたら、ルークのバリ怖い叔父しゃんには「雨に濡れている子犬」と言われて、ルークには「しわしわのピカチュ〇」って言われた。そう言えばピカチュ〇ってなんだろう。ネズミの一種なんかな。
そういえば、その時にグレゴリーからは「ドブネズミ」って言われたから、ルークのピカチュ〇もネズミの一種かもしれんな。
「番様を見つけられて、皇帝陛下、本当におめでとうございます。お披露目のセレモニーを開かねばと思いますが、その前に例の連中が王宮の家臣に紛れているようです」
「ああ、マルえるに出会った際に沢山の刺客に襲われていただろう?彼らが例の連中だ」
飼い主しゃんはそうとても寂しそうに言った。皇帝陛下なのに刺客に狙われているなんて、何かあるのだろう。
「彼らは、皇帝陛下のことを「化け物」やら「悪魔」と呼び、人の手に治世を戻すべきだとする過激派組織となります。皇帝陛下の力のおかげでこの美しい国が守られていることを1ミリも理解しておらず、都合の悪いことばかり皇帝陛下のせいにしているような輩なのです」
リーンハルトしゃんがめちゃんこ怒っている。怖い。笑っているのに怒っている。こういう顔をルークの優しそうでバリ腹黒いお兄しゃんとか弟のテディがするんだけど割と苦手なんよね。だってなんで笑ってるのに怒ってるんだろう。どちらかにした方が絶対、楽なのに。
「皇帝陛下の飼い主しゃんは頑張ってるのに、バリ頭くる連中っすね」
「そうですね。そこで陛下、そいつらをあぶり出すために……」
ドーン!!
リーンハルトしゃんが飼い主しゃんに何か言いかけた時、突然爆音が響いた。
「まさか……ここまで堂々と……」
大勢の刺客に襲い掛かられて、リーンハルトしゃんが魔法で障壁や攻撃をしているけれど、手が間に合っていない。そして、相変わらず護衛どもは全く戦わない。
(実質、ひとりしか働いとらんとかどうなんよ!!)
そんな中、魔法の障壁を抜けた刺客が、突然、飼い主しゃんに襲い掛かろうとシャムシールで切りかかった。
「邪悪なる竜王に鉄槌を!!」
「飼い主しゃん、危ない!!」
咄嗟に俺の体が動く。ルークのバリカッコイイ護衛もできる側近だったから、丸腰だったけど咄嗟に一番ダメージが低いように腕で刀を受けた。当然、血が出たが、相手が剣を使えないうちに、腹を蹴り上げて、その勢いで飛んだシャムシールを手に取る。
「リーンハルトしゃん、助太刀しやす!!」
そのまま、歩み出ようとした時、大気が揺れるような激しい殺気を感じた。その方角を振り返った時、俺は動物的な本能で震えた。
飼い主しゃんの青い目が、まるで鋭利な刃物のような殺気を放っていたからだ。
「……余の番を傷つけてただですむと思うな」
色々見たことないものを見せてもらったり食べさせてもらって、感動していた矢先、庭に居た飼い主しゃんのところに見たことないすごい綺麗な兄しゃんがやってきた。
サラサラの黒い髪に、紫の瞳。カラーリングは若干違うけど、ルークの優しそうでバリ腹黒いお兄しゃんにちょっと似ている気がする。
「皇帝陛下、例の連中が……ん?こちらの可愛らしい方は??」
でも、この綺麗な兄しゃんも眼球がおかしいんよ。俺は180㎝あるそこそこ筋肉質な男なんで、可愛いではなくカッコイイが正しいんよ。そもそも男に可愛いは嬉しくないしな。
「ああ、彼は、マーティン。私の番だ」
その言葉に、綺麗な兄しゃんがすごい優しい笑顔になる。綺麗な人の笑顔の破壊力はバリやばい。これがお姉しゃんだったら完全に落ちてた。恋するマーティンが爆誕していた。
優しい笑顔が綺麗な兄しゃんが、僕に恭しく臣下の礼をとる。
「初めまして、マーティン様。僕はリーンハルト。皇帝陛下の側近をしている魔術師です」
「魔術師!!すげぇ、初めて見た。あ、はいけんした!!俺は、マーティンっす、よろしくお願いいたします」
「マルえる、リーンハルトばかり見ていると寂しいからこっちを向いておくれ」
ぐりんって音しそうなくらい俺の首をこちらに回そうとする、飼い主しゃん、流石にそれは痛い。痛みに割と強い自負はあるけどそういうのはだめなんよ。
「飼い主しゃん、首ぐりんはダメなんよ。最悪、すじが伸びてバリ痛いから」
「皇帝陛下、そのようにしては、マーティン様が割とお強いから大丈夫でしたが、ほかの人にはやってはいけません。最悪首がもげる可能性があります」
あれ、俺とリーンハルトしゃんの言い分がだいぶ違う。むしろあれって首もげるほどの力だった??そこまでは強くなかったと思うけど。
「すまない。マルえるが怪我をしたら私は生きていけない」
ふたりに怒られて珍しくシュンとしている飼い主しゃん。整った顔の人ってシュンとしても絵になるからうらやましい。
俺が前にシュンとしてたら、ルークのバリ怖い叔父しゃんには「雨に濡れている子犬」と言われて、ルークには「しわしわのピカチュ〇」って言われた。そう言えばピカチュ〇ってなんだろう。ネズミの一種なんかな。
そういえば、その時にグレゴリーからは「ドブネズミ」って言われたから、ルークのピカチュ〇もネズミの一種かもしれんな。
「番様を見つけられて、皇帝陛下、本当におめでとうございます。お披露目のセレモニーを開かねばと思いますが、その前に例の連中が王宮の家臣に紛れているようです」
「ああ、マルえるに出会った際に沢山の刺客に襲われていただろう?彼らが例の連中だ」
飼い主しゃんはそうとても寂しそうに言った。皇帝陛下なのに刺客に狙われているなんて、何かあるのだろう。
「彼らは、皇帝陛下のことを「化け物」やら「悪魔」と呼び、人の手に治世を戻すべきだとする過激派組織となります。皇帝陛下の力のおかげでこの美しい国が守られていることを1ミリも理解しておらず、都合の悪いことばかり皇帝陛下のせいにしているような輩なのです」
リーンハルトしゃんがめちゃんこ怒っている。怖い。笑っているのに怒っている。こういう顔をルークの優しそうでバリ腹黒いお兄しゃんとか弟のテディがするんだけど割と苦手なんよね。だってなんで笑ってるのに怒ってるんだろう。どちらかにした方が絶対、楽なのに。
「皇帝陛下の飼い主しゃんは頑張ってるのに、バリ頭くる連中っすね」
「そうですね。そこで陛下、そいつらをあぶり出すために……」
ドーン!!
リーンハルトしゃんが飼い主しゃんに何か言いかけた時、突然爆音が響いた。
「まさか……ここまで堂々と……」
大勢の刺客に襲い掛かられて、リーンハルトしゃんが魔法で障壁や攻撃をしているけれど、手が間に合っていない。そして、相変わらず護衛どもは全く戦わない。
(実質、ひとりしか働いとらんとかどうなんよ!!)
そんな中、魔法の障壁を抜けた刺客が、突然、飼い主しゃんに襲い掛かろうとシャムシールで切りかかった。
「邪悪なる竜王に鉄槌を!!」
「飼い主しゃん、危ない!!」
咄嗟に俺の体が動く。ルークのバリカッコイイ護衛もできる側近だったから、丸腰だったけど咄嗟に一番ダメージが低いように腕で刀を受けた。当然、血が出たが、相手が剣を使えないうちに、腹を蹴り上げて、その勢いで飛んだシャムシールを手に取る。
「リーンハルトしゃん、助太刀しやす!!」
そのまま、歩み出ようとした時、大気が揺れるような激しい殺気を感じた。その方角を振り返った時、俺は動物的な本能で震えた。
飼い主しゃんの青い目が、まるで鋭利な刃物のような殺気を放っていたからだ。
「……余の番を傷つけてただですむと思うな」
10
お気に入りに追加
3,476
あなたにおすすめの小説

じゃない方の私が何故かヤンデレ騎士団長に囚われたのですが
カレイ
恋愛
天使な妹。それに纏わりつく金魚のフンがこの私。
両親も妹にしか関心がなく兄からも無視される毎日だけれど、私は別に自分を慕ってくれる妹がいればそれで良かった。
でもある時、私に嫉妬する兄や婚約者に嵌められて、婚約破棄された上、実家を追い出されてしまう。しかしそのことを聞きつけた騎士団長が何故か私の前に現れた。
「ずっと好きでした、もう我慢しません!あぁ、貴方の匂いだけで私は……」
そうして、何故か最強騎士団長に囚われました。

愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。


性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

悪役令嬢のペットは殿下に囲われ溺愛される
白霧雪。
BL
旧題:悪役令嬢のポチは第一王子に囲われて溺愛されてます!?
愛される喜びを知ってしまった――
公爵令嬢ベアトリーチェの幼馴染兼従者として生まれ育ったヴィンセント。ベアトリーチェの婚約者が他の女に現を抜かすため、彼女が不幸な結婚をする前に何とか婚約を解消できないかと考えていると、彼女の婚約者の兄であり第一王子であるエドワードが現れる。「自分がベアトリーチェの婚約について、『ベアトリーチェにとって不幸な結末』にならないよう取り計らう」「その代わり、ヴィンセントが欲しい」と取引を持ち掛けられ、不審に思いつつも受け入れることに。警戒を解かないヴィンセントに対し、エドワードは甘く溺愛してきて……
❁❀花籠の泥人形編 更新中✿ 残4話予定✾
❀小話を番外編にまとめました❀
✿背後注意話✿
✾Twitter → @yuki_cat8 (作業過程や裏話など)
❀書籍化記念IFSSを番外編に追加しました!(23.1.11)❀

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

婚約破棄された冷血小公爵はライバルの最狂ヤンデレ騎士にらちかんされました
ひよこ麺
BL
「『姫』であるマリーノ・ゴールド伯爵令息より拒絶され婚約破棄となったため、フレデリック・コルヌイエ・リシュリュー小公爵より、『騎士』の資格を剥奪する」
その言葉を皇帝陛下から言い渡されたフレデリック・コルヌイエ・リシュリュー小公爵は絶望した。男しかいないこの世界では『姫』と『騎士』と呼ばれるふたつの役割により生殖をおこなう。
『姫』とは美しい花のような存在で『騎士』から愛され守られる存在で、『騎士』とは『姫』に忠義を捧げて守り愛し抜く存在であるとされている。
『騎士』は自らが愛する『姫』を選び、『騎士』に選ばれることで『姫』となる。『騎士』は『姫』に選ばれなかった者がなり、愛と忠義を捧げる『姫』を求める存在となる。
全ては愛される『姫』が優位な世界。
その世界で、一度忠義を捧げた『姫』から拒絶された『騎士』は『落伍騎士』とされ以降『姫』への求婚を禁じられる。
自身が『姫』となる以外では、事実上、独り身で生きることが確定する。
一般市民であればそれでも構わないが公爵家の嫡男であるフレデリックにとってそれは最大の瑕疵となり、家を繋ぐことができない以上は家督も継げないため家からも追い出されることを意味していた。
プライドの高いフレデリックは絶望からその場にへたりこんでいた。周囲で嘲り笑う声が響く中、ある男がフレデリックの側に進み出た。
それはずっとフレデリックをなぜかライバル視してきた辺境伯にして現在帝国最高の騎士と誉高いマティアス・ベラドンナ・バーデンだった。
「……辺境伯卿、私に何か御用ですかな」
「もう、そのように無理をしないでください。美しい姫君にこの冷たく汚れた床は似合わない」
何故かお姫様抱っこでマティアスに持ち上げられたフレデリックにさらに信じがたい言葉が聞こえる。
「では……皇帝陛下の甥であり《《麗しい青薔薇の姫君》》である、フレデリック・コルヌイエ・リシュリュー小公爵との婚姻を認めて頂きたい」
初恋拗らせヤンデレ騎士に連れ去られてらちかんされたフレデリックの運命はいかに!?
※が付くところは背後注意な性的な表現があります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる