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83.改部分エグすぎる件
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「お……マクス、そのそろそろ下ろしてください」
「もう少し、この余韻に浸らせてほしい」
そう言われて、あの後、1時間ほどたったのだけれど僕は叔父様にお姫様抱っこされたままである。
「夢じゃない、やっと僕はルークと結婚できた。なんて幸せなんだろう」
叔父様のテンション次第でたまにキスの雨も降るのでとにかく恥ずかしい。けれどなんとも甘ったるいこの空気が嫌じゃないと思い始めているのが悔しい。でも新婚夫婦ってこんな感じかもしれない。
僕たちは、また例の事件があった貴賓室にて待機させられている。
僕と叔父様の電撃結婚について、兄上と宰相であるヴェルダンディ公爵から「話したいことがあるから少し王城に居て欲しい」と言われてしまったのだ。正直、嫌な予感がする。
(まぁ、うん。あの場でこの件を知っていたのは叔父様とパパ上だけだったみたいだからな。パパ上、良い父じゃなかったし大して惜しくもないけど亡くしてしまったよ。さようなら、パパ上、フォーエバーパパ上)
「ルーク、陛下を勝手に殺してはいけないよ。僕とルークの結婚を特例で許してくれたのは陛下だからね」
「だから、死ぬんだよな」とは思ったけど、その場では何も言わないでいた。
幸せそうな叔父様に水は差したくないし、僕だって一応、性奴隷疑惑のある平民兵士から、公爵夫人の地位を手に入れたわけですし……。ジョブ進化が目まぐるしいな。
王太子⇒性奴隷疑惑兵士⇒公爵夫人って普通の人が歩まない人生を絶賛走っているな。このまま行くと王様かお妃様とかになるかもしれないね、まぁ流石にそれはないだろうけど。
「ルークが僕の花嫁になったのだから、今晩は初夜になるな」
そう言いながら叔父様が、ぼくの臍の下あたりを撫でる。その手つきが妙に色っぽくって下半身が重くなった気がする。
「大体、このあたりまで挿るとルークの男の子の子宮に届くな。今日は沢山可愛がって……」
叔父様が、睦言のような甘く低い声で話していた時、いきなり貴賓室の扉が乱暴に開いた。思わずふたりともその音のした方を見ると、この城の近衛兵の人達だった。
「流石に、ノックもせずに入るのは失礼とは思わないか?」
僕との甘い時間を妨害されたからか、不機嫌な叔父様が珍しく近衛兵を睨んでいる。そのただならぬ空気にヒッと近衛兵から悲鳴が上がる。僕だってこんな風に叔父様に睨まれたらチビる。全力で水たまり製造機になる。
「ガルシア公爵様、無礼を働き申し訳ございません」
「次回はないので気を付けるように」
「はっ」
一応、この国の騎士や兵を統括管理している叔父様だけあって、とても威厳がある。ただ、僕の前では大体笑顔だからうっかり忘れてしまうけれどやっぱり凄い人である。
「ところで、何か用があるのだろう」
「はい、その……ルーク元殿下、いえ、ガルシア公爵夫人をレイズ王太子殿下がお呼びでして……」
「なるほど、ならば僕も一緒に……」
そう明らかに叔父様が、僕について来ようとした時、さらに後ろから来たらしい文官が慌てて、
「あ、あのガルシア公爵様は、宰相様がお呼びでして……」
と要件を伝えた。
(マジか、これ僕ら別で呼び出されてるの?)
その内容に不服そうな叔父様だけれど、仕方ない。別々で呼ばれているなら、別々で行くしかない。
「お……マクス、僕は、兄上のところへ行ってきます」
「ルーク……。もしレイズがルーク、僕の大切な大切な花嫁に無体を働こうとした場合、「助けて、マックスたん」と呼んで欲しい。そうすればルークのナカにある「魔導式貞操アナルプラグ改」の力で強制的に僕のところへテレポートする仕組みになっているので……」
「何してんですか!?えっ、「魔導式貞操アナルプラグ改」の改部分エグすぎませんか?」
尻に入っているものに呼びかけると、テレポートするって新しすぎるだろう。今までのどんな斬新なアイテムも尻の中にあったことはないと思うから、間違いなく世界初だよ。そんな世界初は永遠に生まれて欲しくなかった気しかしない。
「僕だけの愛するお嫁さんを守るためだからね。ちなみに今のは改部分の1機能に過ぎない」
まだ、何か僕の尻の中のアイテムに可能性があるみたいという恐ろしい真実を知ったところで、今は割と急ぎの用事がお互いあるので、後で、小一時間は問い詰める。これについては絶対に問い詰める。僕の尻の安全のために必要だからね。
そう、心で誓いながら、僕は近衛兵さん達に連れられて兄上の私室へ向かった。
「レイズ王太子殿下、お呼びでございますか」
「ルーク、臣下の礼なんていらない。こっちへおいで」
そう兄上に手招きされて近づくと、そのまま抱きしめられた。その体はいつも思うけれど冷たい。低血圧なのかな。
「レイズ王太子殿下、あの……」
「ふたりきりの時は、レイズお兄たんと呼んでね、ルーク」
その呼び方に、兄上の強いこだわりを感じる。そして、しばらく兄上に無言で抱きしめられていたが、静かに離された。よかった、このままだったら、最悪「魔導式貞操アナルプラグ改」の出番もあり得たからね。
「ルーク、何も言わず嫁いでしまうなんてとても悲しかったよ」
とても悲し気に言われて、変な罪悪感を抱きそうになるが、待って欲しい。僕も知らなかったよ。だから素直に兄上にそのことを伝えることにした。
「僕も何も知らず、嫁ぐことになり驚きました」
「えっ??ルークも知らなかったのかい?同意していた訳じゃないのかい?」
兄上は当然、僕も同意の上だったと思っていたのだろう。しかし、僕は叔父様と肉体では結ばれたが、結婚の話は聞いていなかった。
「いえ。今日あの場で知って、あの場で同意した感じですね」
素直に答えたのだけれど、その言葉に兄上の表情が嬉しそうに歪むのがわかった。これ迂闊なことを口にしたかとも思ったけれど後悔先に立たずである。
「もう少し、この余韻に浸らせてほしい」
そう言われて、あの後、1時間ほどたったのだけれど僕は叔父様にお姫様抱っこされたままである。
「夢じゃない、やっと僕はルークと結婚できた。なんて幸せなんだろう」
叔父様のテンション次第でたまにキスの雨も降るのでとにかく恥ずかしい。けれどなんとも甘ったるいこの空気が嫌じゃないと思い始めているのが悔しい。でも新婚夫婦ってこんな感じかもしれない。
僕たちは、また例の事件があった貴賓室にて待機させられている。
僕と叔父様の電撃結婚について、兄上と宰相であるヴェルダンディ公爵から「話したいことがあるから少し王城に居て欲しい」と言われてしまったのだ。正直、嫌な予感がする。
(まぁ、うん。あの場でこの件を知っていたのは叔父様とパパ上だけだったみたいだからな。パパ上、良い父じゃなかったし大して惜しくもないけど亡くしてしまったよ。さようなら、パパ上、フォーエバーパパ上)
「ルーク、陛下を勝手に殺してはいけないよ。僕とルークの結婚を特例で許してくれたのは陛下だからね」
「だから、死ぬんだよな」とは思ったけど、その場では何も言わないでいた。
幸せそうな叔父様に水は差したくないし、僕だって一応、性奴隷疑惑のある平民兵士から、公爵夫人の地位を手に入れたわけですし……。ジョブ進化が目まぐるしいな。
王太子⇒性奴隷疑惑兵士⇒公爵夫人って普通の人が歩まない人生を絶賛走っているな。このまま行くと王様かお妃様とかになるかもしれないね、まぁ流石にそれはないだろうけど。
「ルークが僕の花嫁になったのだから、今晩は初夜になるな」
そう言いながら叔父様が、ぼくの臍の下あたりを撫でる。その手つきが妙に色っぽくって下半身が重くなった気がする。
「大体、このあたりまで挿るとルークの男の子の子宮に届くな。今日は沢山可愛がって……」
叔父様が、睦言のような甘く低い声で話していた時、いきなり貴賓室の扉が乱暴に開いた。思わずふたりともその音のした方を見ると、この城の近衛兵の人達だった。
「流石に、ノックもせずに入るのは失礼とは思わないか?」
僕との甘い時間を妨害されたからか、不機嫌な叔父様が珍しく近衛兵を睨んでいる。そのただならぬ空気にヒッと近衛兵から悲鳴が上がる。僕だってこんな風に叔父様に睨まれたらチビる。全力で水たまり製造機になる。
「ガルシア公爵様、無礼を働き申し訳ございません」
「次回はないので気を付けるように」
「はっ」
一応、この国の騎士や兵を統括管理している叔父様だけあって、とても威厳がある。ただ、僕の前では大体笑顔だからうっかり忘れてしまうけれどやっぱり凄い人である。
「ところで、何か用があるのだろう」
「はい、その……ルーク元殿下、いえ、ガルシア公爵夫人をレイズ王太子殿下がお呼びでして……」
「なるほど、ならば僕も一緒に……」
そう明らかに叔父様が、僕について来ようとした時、さらに後ろから来たらしい文官が慌てて、
「あ、あのガルシア公爵様は、宰相様がお呼びでして……」
と要件を伝えた。
(マジか、これ僕ら別で呼び出されてるの?)
その内容に不服そうな叔父様だけれど、仕方ない。別々で呼ばれているなら、別々で行くしかない。
「お……マクス、僕は、兄上のところへ行ってきます」
「ルーク……。もしレイズがルーク、僕の大切な大切な花嫁に無体を働こうとした場合、「助けて、マックスたん」と呼んで欲しい。そうすればルークのナカにある「魔導式貞操アナルプラグ改」の力で強制的に僕のところへテレポートする仕組みになっているので……」
「何してんですか!?えっ、「魔導式貞操アナルプラグ改」の改部分エグすぎませんか?」
尻に入っているものに呼びかけると、テレポートするって新しすぎるだろう。今までのどんな斬新なアイテムも尻の中にあったことはないと思うから、間違いなく世界初だよ。そんな世界初は永遠に生まれて欲しくなかった気しかしない。
「僕だけの愛するお嫁さんを守るためだからね。ちなみに今のは改部分の1機能に過ぎない」
まだ、何か僕の尻の中のアイテムに可能性があるみたいという恐ろしい真実を知ったところで、今は割と急ぎの用事がお互いあるので、後で、小一時間は問い詰める。これについては絶対に問い詰める。僕の尻の安全のために必要だからね。
そう、心で誓いながら、僕は近衛兵さん達に連れられて兄上の私室へ向かった。
「レイズ王太子殿下、お呼びでございますか」
「ルーク、臣下の礼なんていらない。こっちへおいで」
そう兄上に手招きされて近づくと、そのまま抱きしめられた。その体はいつも思うけれど冷たい。低血圧なのかな。
「レイズ王太子殿下、あの……」
「ふたりきりの時は、レイズお兄たんと呼んでね、ルーク」
その呼び方に、兄上の強いこだわりを感じる。そして、しばらく兄上に無言で抱きしめられていたが、静かに離された。よかった、このままだったら、最悪「魔導式貞操アナルプラグ改」の出番もあり得たからね。
「ルーク、何も言わず嫁いでしまうなんてとても悲しかったよ」
とても悲し気に言われて、変な罪悪感を抱きそうになるが、待って欲しい。僕も知らなかったよ。だから素直に兄上にそのことを伝えることにした。
「僕も何も知らず、嫁ぐことになり驚きました」
「えっ??ルークも知らなかったのかい?同意していた訳じゃないのかい?」
兄上は当然、僕も同意の上だったと思っていたのだろう。しかし、僕は叔父様と肉体では結ばれたが、結婚の話は聞いていなかった。
「いえ。今日あの場で知って、あの場で同意した感じですね」
素直に答えたのだけれど、その言葉に兄上の表情が嬉しそうに歪むのがわかった。これ迂闊なことを口にしたかとも思ったけれど後悔先に立たずである。
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