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84.ご褒美の衝撃の内容と首輪再び

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「そうか、じゃあ、ルークは叔父様と結婚したかったわけではないんだね」

すごい笑顔で兄上に言われる。それについては流石に否定しよう。僕としては事実婚が関の山だと思っていた中で結婚できたのは、叔父様のおかげでそれ自体は嬉しいから。

「あの、兄上、僕は叔父様との結婚は嬉しいです。ただ、その事実を知らなかっただけです」

その言葉に兄上の表情が変わるかなと思ったけれど、特に変わらない。その様子に不自然さを感じたが、兄上が嬉しそうに話しを続けた。

「ところでルーク、私が君を呼んだのは例のご褒美をもらうためなんだ」

そう今までとは違う、妖艶な笑顔を浮かべる兄上に思わずドキリとする。実は割と兄上との距離が近くて、今息がかかるくらい側にいる。

(兄上綺麗だな……睫毛とかすごい長いし……)

僕より兄上のが人妻みがある気がする。そんなことをぼんやり考えていたら、いきなり僕の顎を兄上がクイっと掴んで上向かせて、何かを口に入れられる。

「それを飲んでルーク。ご褒美をもらうのに必要なんだ」

ゴクリ

そう言われて、僕は上を向いていたのもありそれを嚥下えんかしてしまった。考えなしに飲み込んだが忘れてはいけない、この世界はR18指定BL本の世界である。これはものすごくヤバイ予感がする。具体的には媚薬とかだったらどうしょう。媚薬って実際は塗り薬した見たことないけど。

(……流石に新妻が媚薬で乱れるとかドスケベすぎるな)

そんなことを考えた時、体が熱い感じがした。あ、これやっぱり媚薬かも。叔父様と今晩、初夜の予定だったのに、このまま新妻の僕は兄上にあられもない姿を晒してしまうんだ、「人妻なのに」とか「こんなに濡らして、淫らだね奧さん」とか言われる人妻コアプレイとかNTRを兄上にされてしまうんだ……。自分がされる側で考えると最悪だな。

しかし、エルフのお姉さんと触手の次の次くらいに好きだった、エロ同人誌の設定を自分がたどるのは嫌だな。大体、NTRとか言ったけど、それはルーク君でも倫理的にダメってわかるので、いくら媚薬を飲まされてもちゃんとNOと言えるルーク君でないといけない。

「ルーク、NTRってなんだい?」

ヤバイ、無意識に独り言言っていたみたいだ。

「あ、いえ、兄上は知らなくって良いです。てかあの薬、何の薬でぇ……っんわん」

いきなり僕は話せなくなる。さらには体が小さくなった気がする。なんだろう、変な違和感がある。とりあえず兄上に聞いてみよう。

と思うが体の付近に散乱した布が邪魔で、身動きがとれない。よく見るとその布は僕が来ていた正装のように見える、え、どういうことだこれは。パニックになった僕は兄上に話しかけようとしたけれど、あれ、兄上が巨人くらいデカい。なぜ?必死で見上げて話しかける。

「わんわんわ……ん?(兄上、僕に何をしたのですか?)」

(あれ、おかしい、話そうとすると犬の鳴き声になる。WA〇Nかな?違う)

びっくりして自身の手を見る。そして、驚愕した。

「わふーんわわわんわんキャイーン(これ肉球やん!!ってめっちゃもふもふやん。えっ、ぼく犬??)」

ここで僕は脳内に、マックスたんとレイたんが思い浮かんだ。どうやら僕も変身魔法というか先ほどの薬で動物にされたらしい。何故こんなことに……

「すごく可愛いよ、ルーク。いや、と呼ぶべきかな?僕の望むご褒美はルーたんになったルークを可愛がりたいというものだよ」

そう言って、兄上に抱き上げられた。僕は割と小さな犬になったらしく視界がかなり低い。チワワかな?

僕がこの間、レイたんをもふったりくんかくんかしたこと、実は兄上は根に持っていた疑惑。

「ルーたんは可愛いね。まずは自分の姿を確認させてあげよう」

そう言って、兄上が引き出しから手鏡を取り出すと、僕に見せるように姿を映した。そこにいたのは……。

(和風総本〇の豆助だ!!って、この世界に柴犬いないよね?えっ、なんで僕、柴犬の子犬になっているの!?)

みるからに愛くるしい柴犬の子犬が映り込んでいた。大きなおめめに短い脚、自分でなければメロメロになるタイプのわんちゃんだ。そう、自分でなかったらもふりたい。

「ルーたん。私はこれから可愛いルーたんを可愛がって癒される予定だよ。いきなり電撃結婚してしまったりしたけれどご褒美はまだ有効なはずだからね。まず、ルーたんのために首輪を準備したんだ」

ぶるり

首輪の単語に体が震えた。思わず、兄上に監禁されて首輪やリードを付けられたのを思い出した。本能的に、逃げないとと思うが子犬なので足がもつれてコテンと転んだ。あざとい、すごくあざとい動き。

「わふーん」

そのため、抵抗できず簡単に首輪をつけれらてしまった。その姿を兄上が幸せそうな恍惚の表情で見つめている。

「そんな目をしないで、ルーたんにはやっぱり首輪が似合うね、これから存分に可愛がってあげるからね」

犬相手だから全然ビジュアルはやばくないのに、すごいえっちな感じがするのはなんでだろう。僕は兄上に捕まり真っ赤な首輪をつけられた。それを満足そうに兄上が見ているとかなんかすごい背徳的だよね。

「さぁ、ルーたん、覚悟はいい?僕が天国へ連れて行ってあげる」

その時、僕は兄上のある特技を忘れていた。それが原因でこの後とんでもないことになるなんて、今の僕は知る由もない。
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