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41.さようなら、僕のアイデンティティ
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翌朝、目を覚ました僕は久々に謎の解放感を味わっていた。
「なんだろう、いつもより気分が爽快だな……」
解放感の原因がしばらく分からないでいたが、何気なく尻に力が入った時に気付いた。ヤツが挿ってないのだ。
ヤツとは、最早僕のアイデンティティの一部になりかけていた「魔導式貞操アナルプラグ」である。
(「魔導式貞操アナルプラグ」の霊圧が消えた?)
「ルークの疑問に答えよう。「魔導式貞操アナルプラグ」は王城へ行くから外した」
叔父様が至極当然というように答えたが、「魔導式貞操アナルプラグ」はその登場から大体僕の胎内にあり続けた存在で、なんなら叔父様がいない間は着用を義務付けられていた存在である。それをあっさり外すというのが以外だった。
(叔父様なら王城でもどこへ行くのでも、「魔導式貞操アナルプラグ」はドレスコードばりに着用を義務付けられそうなイメージだったけど……)
「ルーク、陛下の勅命が出ているのにそんな倫理に反することはしないよ」
叔父様がそう言い放った。が、今まで倫理感とかそういうもの僕に対しては、かなぐり捨ててるイメージしかなかったので普通にびっくりした。
「えええええ、マクスおじたん、あの言いにくいのですが頭でも打ったり、こう何か衝撃、雷に打たれるとかこの短時間にありませんでしたか?」
失礼なのは承知だけど、それくらい叔父様が「魔導式貞操アナルプラグ」を普通に外すのが衝撃的だった。
「そんなことは起こっていないが心配してくれたルークが可愛いすぎる。「魔導式貞操アナルプラグ」は屋敷内だから着用させていただけで外に出る場合は外すつもりだった。僕の家の敷地以外でそれを使うと犯罪になり最悪ルークが地下牢などに入れられる事態を招きかねないからね」
すごく当たり前のことを言っているのだけれど僕にはその場合、ひとつ大きな疑問となる出来事が「魔導式貞操アナルプラグ」にはあったので、直球を投げることにした。
「……なるほど。でも僕が兄上の屋敷に監禁された時、「魔導式貞操アナルプラグ」が一度振動したのですがアレは良いのですか?僕危なく兄上にされそうになりました」
「ああ、アレはすまなかった。ミスで振動させてしまった」
「ミスですか?」
「あの時、丁度ルークの大好きなマックスたんに変身する魔法を使用していてね。それで一瞬僕の管理から外れた「魔導式貞操アナルプラグ」が暴走してしまった」
だとすると最悪のタイミングで暴走してくれたものだと生温い表情になる。あれの存在がバレたせいで兄上に強制キレイキレイされかけたのだけれど……。
「この借りについてはしっかり返すから、ルーク、おじたんを許してくれるかい?」
珍しくシュンとした表情でそう言われたが、叔父様はものすごく顔の整っている人なので、それすら1枚の絵画作品のようでちょっと悔しい。だからすこし意趣返しすることにする。
「わかりました。この借りに僕の願いをひとつ必ず叶えてくださいね」
「そんなことで良いのかい?ひとつでもふたつでも那由他でも必ず叶えるよ」
那由他って……めったに聞かない単位出してきたけど、その答えに僕は満足したのでそれ以上の追及はやめることにした。
「ところで、なんで王城へ僕も呼ばれたのですかね」
「そうだな、大方ルークの王族復帰または爵位の再付与に関する話だろう」
叔父様の元に戻ったからとすっかり忘れていたかゆきも案件を思い出した。つまり例の僕の心上書きプロジェクトはちゃんと進行されていたということだ。普通にまずい。
「ええっ、かゆき……いえ、えっと僕その両方を望んでいないのですが……」
「僕もそれについて賛成だ。ルークが王族復帰または爵位の再付与をされるとルークの意識が完全にレイズのものになってしまうから」
あっさりと叔父様がそう答えて思わず目を見開く。そういえば、叔父様も王家の呪いにかかっているひとりと考えると、僕が王族復帰または爵位の再付与をされてしまうと、叔父様も兄上に執着してしまうかもしれない。
「絶対いやです。おじたんも兄上を好きになるなんて……」
正直、かゆきもしたらもう僕は兄上以外どうでも良くなってしまうかもしれない。でも叔父様への今のこの気持ちが失われるのは絶対に嫌だと思った。考えただけで涙が零れる。
そんな様子を見て、叔父様が優しく微笑みながら僕の頭を撫でた。
「僕は何があってもルーク以外を愛することはない。だから大丈夫だ」
力強いその言葉に何度も僕は慰められてきた。だから僕も……
「僕もどんなことがあっても、今おじたんに抱いているこの想いを捨てたりしないです」
「ありがとう。さぁ、ルーク勝ちに行こう」
叔父様に手を差し出されて固く手を繋ぐ。そういえば叔父様とあまり手を繋いだことなかったかもしれない。
(絶対に、僕は上書きされたりしない)
固い覚悟を胸に僕は叔父様と王城へ、向かった。
「なんだろう、いつもより気分が爽快だな……」
解放感の原因がしばらく分からないでいたが、何気なく尻に力が入った時に気付いた。ヤツが挿ってないのだ。
ヤツとは、最早僕のアイデンティティの一部になりかけていた「魔導式貞操アナルプラグ」である。
(「魔導式貞操アナルプラグ」の霊圧が消えた?)
「ルークの疑問に答えよう。「魔導式貞操アナルプラグ」は王城へ行くから外した」
叔父様が至極当然というように答えたが、「魔導式貞操アナルプラグ」はその登場から大体僕の胎内にあり続けた存在で、なんなら叔父様がいない間は着用を義務付けられていた存在である。それをあっさり外すというのが以外だった。
(叔父様なら王城でもどこへ行くのでも、「魔導式貞操アナルプラグ」はドレスコードばりに着用を義務付けられそうなイメージだったけど……)
「ルーク、陛下の勅命が出ているのにそんな倫理に反することはしないよ」
叔父様がそう言い放った。が、今まで倫理感とかそういうもの僕に対しては、かなぐり捨ててるイメージしかなかったので普通にびっくりした。
「えええええ、マクスおじたん、あの言いにくいのですが頭でも打ったり、こう何か衝撃、雷に打たれるとかこの短時間にありませんでしたか?」
失礼なのは承知だけど、それくらい叔父様が「魔導式貞操アナルプラグ」を普通に外すのが衝撃的だった。
「そんなことは起こっていないが心配してくれたルークが可愛いすぎる。「魔導式貞操アナルプラグ」は屋敷内だから着用させていただけで外に出る場合は外すつもりだった。僕の家の敷地以外でそれを使うと犯罪になり最悪ルークが地下牢などに入れられる事態を招きかねないからね」
すごく当たり前のことを言っているのだけれど僕にはその場合、ひとつ大きな疑問となる出来事が「魔導式貞操アナルプラグ」にはあったので、直球を投げることにした。
「……なるほど。でも僕が兄上の屋敷に監禁された時、「魔導式貞操アナルプラグ」が一度振動したのですがアレは良いのですか?僕危なく兄上にされそうになりました」
「ああ、アレはすまなかった。ミスで振動させてしまった」
「ミスですか?」
「あの時、丁度ルークの大好きなマックスたんに変身する魔法を使用していてね。それで一瞬僕の管理から外れた「魔導式貞操アナルプラグ」が暴走してしまった」
だとすると最悪のタイミングで暴走してくれたものだと生温い表情になる。あれの存在がバレたせいで兄上に強制キレイキレイされかけたのだけれど……。
「この借りについてはしっかり返すから、ルーク、おじたんを許してくれるかい?」
珍しくシュンとした表情でそう言われたが、叔父様はものすごく顔の整っている人なので、それすら1枚の絵画作品のようでちょっと悔しい。だからすこし意趣返しすることにする。
「わかりました。この借りに僕の願いをひとつ必ず叶えてくださいね」
「そんなことで良いのかい?ひとつでもふたつでも那由他でも必ず叶えるよ」
那由他って……めったに聞かない単位出してきたけど、その答えに僕は満足したのでそれ以上の追及はやめることにした。
「ところで、なんで王城へ僕も呼ばれたのですかね」
「そうだな、大方ルークの王族復帰または爵位の再付与に関する話だろう」
叔父様の元に戻ったからとすっかり忘れていたかゆきも案件を思い出した。つまり例の僕の心上書きプロジェクトはちゃんと進行されていたということだ。普通にまずい。
「ええっ、かゆき……いえ、えっと僕その両方を望んでいないのですが……」
「僕もそれについて賛成だ。ルークが王族復帰または爵位の再付与をされるとルークの意識が完全にレイズのものになってしまうから」
あっさりと叔父様がそう答えて思わず目を見開く。そういえば、叔父様も王家の呪いにかかっているひとりと考えると、僕が王族復帰または爵位の再付与をされてしまうと、叔父様も兄上に執着してしまうかもしれない。
「絶対いやです。おじたんも兄上を好きになるなんて……」
正直、かゆきもしたらもう僕は兄上以外どうでも良くなってしまうかもしれない。でも叔父様への今のこの気持ちが失われるのは絶対に嫌だと思った。考えただけで涙が零れる。
そんな様子を見て、叔父様が優しく微笑みながら僕の頭を撫でた。
「僕は何があってもルーク以外を愛することはない。だから大丈夫だ」
力強いその言葉に何度も僕は慰められてきた。だから僕も……
「僕もどんなことがあっても、今おじたんに抱いているこの想いを捨てたりしないです」
「ありがとう。さぁ、ルーク勝ちに行こう」
叔父様に手を差し出されて固く手を繋ぐ。そういえば叔父様とあまり手を繋いだことなかったかもしれない。
(絶対に、僕は上書きされたりしない)
固い覚悟を胸に僕は叔父様と王城へ、向かった。
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