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36.「氷の貴公子」改め「小型犬系貴公子(※たまに狂う)」にあだ名変更希望
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「……あのペンダントは……」
「何かしっているの?」
確信はあったけどわざと被せるように聞いたところ、グレゴリーは僕を潤んだ上目遣いで見つめながら話はじめた。
これを無意識にやってるんだよね、この子。わざとあざとくしている僕とは違う天然ものだよ、これで狂信者属性がなければ普通に頭とかいい子いい子したいんだけどね。
グレゴリーは、社交界での「氷の貴公子」ってあだ名は返上して、「小型犬系貴公子(※たまに狂う)」とかに彼はあだ名を変更した方が良いと思う。あ、でもこれ僕に対して限定なのか……。
「あのペンダント、その王弟殿下からのプレゼントかとお見受けいたしました。それで王弟殿下からのプレゼントな上、不思議な力があるようでした。それがレイズ殿下は気に入らなかったようでございます。だからそれをその、外されて……捨てられたのです」
「……その、どこに捨てたか分かるかな?」
意外に兄上がダイナミックなことして僕はびっくりしたが、衝動的に外に放り投げたりしていた場合、大体の場所が分かればワンチャン賢くて可愛い至上の癒しであるマックスたんと協力すれば見つかるかなと思った。
「排水溝です。この間使われたシャワールームの……」
終わった。ペンダントさん、さようなら。流石に下水道は汚いし絶対入りたくない。ただでさえ変な称号まみれなのに物理的に汚物まみれとかいう称号は絶対に得たくない。
それに可愛いマックスたんの綺麗な羽毛が下水道で汚れて汚物まみれになるとかもっといやである。臭いとかついて香しいマックスたんの香りが悪臭になるとかあったら僕は泣いてしまう。
こうなってくるとペンダントによる何らかのチート的奇跡をあきらめざる得ない。少しルート分岐として期待していたんだけど。
結果的に叔父様に処女を捧げるか、かゆきもになるかという2択を真剣に悩まないといけないかもしれない。
正直、その2択なら叔父様を選びたい。けれどそんな安易に決めてよいのかとか、僕を本気で愛している叔父様に対してマシな方という理由で選ぶのは流石に失礼な気がしている。
だからと言って選ばないでかゆきもルートに入ると間違えなく、僕としての意識は完全にキレイキレイされて兄上をただ盲目的に慕う生き物になってしまうので……それは一番駄目だよね。
そんなことを考えながら、僕の中にいる太陽神とA先生が、「諦めんなよ!もっと熱くなれよ!そこで諦めたら試合終了ですよ」って色々混ざっている発言をしているので、もう少し何かないか模索してみるという先延ばしを一旦するなどとチキンな思考をする。
すまない、僕は割と慎重なんだ。本当に慎重なら廃嫡も監禁もされないけどね。
「ところで、兄上はいつ頃戻られるか分かる?」
「今日は、隣国との晩餐会があるそうで、戻るのは難しいそうです」
「そっか、サミシイナ」
心にもないことを言うと口調が片仮名になる体験をしてしまったところで、グレゴリーは「また何かありましたらお呼びください、こちらをどうぞ」とファミレスにあるボタンみたいなものを渡しされたので受け取る。
そして、食事をいつの間にか呼び出した使用人に回収させてグレゴリー自体も深々とお辞儀をしていなくなった。
渡されたのは「魔導式呼び出しベル」で、ご想像通りファミレスのあのボタンのように押せばたちまち人が呼べる仕組みである。
「とりあえず、マックスたんもふろう」
色々思考を整理しようと思ったけど、一旦もふもふに逃げたい。ダメ人間らしく人をダメにするタイプのもふもふを愛でたい。
そう思って、個室を開けるとマックスたんがぴしっとそのマヨネーズボディをさせて、ドレッサーの上にいた。可愛いし尊いね。
「マックスたん、ちゃんと大人しくできてよい子でちゅね」
そのつやつやボディをもふる。もっちもちやぞ、本当に最高すぎる。とか考えているとマックスたんが光るものを咥えていることに気付いた。
「ん?これ……えっ??」
見ればそれは例のペンダントである。マックスたんまさか取ってきたの?下水にあるって話だったけど、あ、ここ多分下水に繋がってるわ。シャワー室もトイレも排水口に繋がってるから。
(しかし、だとしたら可愛いマックスたんが臭くなったりしてない??下水に潜ったんだよね??)
そう思ってマックスたんの香りをくんかくんかしたけど、臭くない。むしろなんだろうちょっといい匂いがする。なんかこう落ち着く香り……。
(この香りなんだっけ……まぁそのうち思い出すか)
ただ、下水に落ちていたならペンダントに菌とかついていて、癒しのもふもふマックスたんが病気になると嫌なので、「ペッしまちょうね」といって渡してもらい、それを嫌々確認する、が。
(あれ?全然汚れてないし臭くない。むしろ前よりピカピカなような……)
「何かしっているの?」
確信はあったけどわざと被せるように聞いたところ、グレゴリーは僕を潤んだ上目遣いで見つめながら話はじめた。
これを無意識にやってるんだよね、この子。わざとあざとくしている僕とは違う天然ものだよ、これで狂信者属性がなければ普通に頭とかいい子いい子したいんだけどね。
グレゴリーは、社交界での「氷の貴公子」ってあだ名は返上して、「小型犬系貴公子(※たまに狂う)」とかに彼はあだ名を変更した方が良いと思う。あ、でもこれ僕に対して限定なのか……。
「あのペンダント、その王弟殿下からのプレゼントかとお見受けいたしました。それで王弟殿下からのプレゼントな上、不思議な力があるようでした。それがレイズ殿下は気に入らなかったようでございます。だからそれをその、外されて……捨てられたのです」
「……その、どこに捨てたか分かるかな?」
意外に兄上がダイナミックなことして僕はびっくりしたが、衝動的に外に放り投げたりしていた場合、大体の場所が分かればワンチャン賢くて可愛い至上の癒しであるマックスたんと協力すれば見つかるかなと思った。
「排水溝です。この間使われたシャワールームの……」
終わった。ペンダントさん、さようなら。流石に下水道は汚いし絶対入りたくない。ただでさえ変な称号まみれなのに物理的に汚物まみれとかいう称号は絶対に得たくない。
それに可愛いマックスたんの綺麗な羽毛が下水道で汚れて汚物まみれになるとかもっといやである。臭いとかついて香しいマックスたんの香りが悪臭になるとかあったら僕は泣いてしまう。
こうなってくるとペンダントによる何らかのチート的奇跡をあきらめざる得ない。少しルート分岐として期待していたんだけど。
結果的に叔父様に処女を捧げるか、かゆきもになるかという2択を真剣に悩まないといけないかもしれない。
正直、その2択なら叔父様を選びたい。けれどそんな安易に決めてよいのかとか、僕を本気で愛している叔父様に対してマシな方という理由で選ぶのは流石に失礼な気がしている。
だからと言って選ばないでかゆきもルートに入ると間違えなく、僕としての意識は完全にキレイキレイされて兄上をただ盲目的に慕う生き物になってしまうので……それは一番駄目だよね。
そんなことを考えながら、僕の中にいる太陽神とA先生が、「諦めんなよ!もっと熱くなれよ!そこで諦めたら試合終了ですよ」って色々混ざっている発言をしているので、もう少し何かないか模索してみるという先延ばしを一旦するなどとチキンな思考をする。
すまない、僕は割と慎重なんだ。本当に慎重なら廃嫡も監禁もされないけどね。
「ところで、兄上はいつ頃戻られるか分かる?」
「今日は、隣国との晩餐会があるそうで、戻るのは難しいそうです」
「そっか、サミシイナ」
心にもないことを言うと口調が片仮名になる体験をしてしまったところで、グレゴリーは「また何かありましたらお呼びください、こちらをどうぞ」とファミレスにあるボタンみたいなものを渡しされたので受け取る。
そして、食事をいつの間にか呼び出した使用人に回収させてグレゴリー自体も深々とお辞儀をしていなくなった。
渡されたのは「魔導式呼び出しベル」で、ご想像通りファミレスのあのボタンのように押せばたちまち人が呼べる仕組みである。
「とりあえず、マックスたんもふろう」
色々思考を整理しようと思ったけど、一旦もふもふに逃げたい。ダメ人間らしく人をダメにするタイプのもふもふを愛でたい。
そう思って、個室を開けるとマックスたんがぴしっとそのマヨネーズボディをさせて、ドレッサーの上にいた。可愛いし尊いね。
「マックスたん、ちゃんと大人しくできてよい子でちゅね」
そのつやつやボディをもふる。もっちもちやぞ、本当に最高すぎる。とか考えているとマックスたんが光るものを咥えていることに気付いた。
「ん?これ……えっ??」
見ればそれは例のペンダントである。マックスたんまさか取ってきたの?下水にあるって話だったけど、あ、ここ多分下水に繋がってるわ。シャワー室もトイレも排水口に繋がってるから。
(しかし、だとしたら可愛いマックスたんが臭くなったりしてない??下水に潜ったんだよね??)
そう思ってマックスたんの香りをくんかくんかしたけど、臭くない。むしろなんだろうちょっといい匂いがする。なんかこう落ち着く香り……。
(この香りなんだっけ……まぁそのうち思い出すか)
ただ、下水に落ちていたならペンダントに菌とかついていて、癒しのもふもふマックスたんが病気になると嫌なので、「ペッしまちょうね」といって渡してもらい、それを嫌々確認する、が。
(あれ?全然汚れてないし臭くない。むしろ前よりピカピカなような……)
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