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19.いい年になっても泣きわめいて駄々をこねていた事実
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異母兄であるレイズ・アークトゥルス・プロキオン殿下は、誰から見ても完璧な王子様だった。
黒髪に深い蒼い瞳をしていて容姿端麗なうえ、非の打ち所がない優秀な人。
唯一、母親が公妾で元々低い身分だったということで王太子から外された不遇の第一王子は、僕にとってコンプレックスを刺激する存在だった。
もし、兄上が僕のようにちゃらんぽらんだったら逆に仲良くなれたかもしれない。けれど、剣術、勉学、容姿、どれをとっても僕があの人に勝てるところはひとつもなかった。
それなのに、身分の低い母親から生まれたというだけで王宮で虐げられている兄上を見ていると何故か悔しかったし、僕は身分の高い母から生まれただけのお飾りの王太子と思われているような気がして辛かった。今では人間としての尊厳を失いかけて大半のことを受け入れてるような気がするけど、昔の僕は意外にも繊細だったのだ。
だから、わがままな王太子だった僕は兄上に嫌がらせをした。
例えば、僕の嫌いなピーマンを兄上の皿にこっそり置いて食べてもらったり、僕の嫌いなにんじんも兄上に食べてもらったり、代わりに僕の好きなお肉を兄上が交換してくれたり、兄上がカッコイイ服を着ていたら色違いで同じのが着たいと駄々をこねて準備させて色違いコーデで舞踏会に登場したり、兄上の行くとこ行くとこ刷り込みされたひよこさんみたいについて行きたがったり、極めつけは兄上が留学する話が出た時に離れるのが嫌で一緒に行くと3日間飲まず食わずで泣き喚いて困らせて、結局留学の話がなくなったり……あれ思っていたよりワガママの程度が低いな。後わりとブラコン疑惑もあるな。
それなのに、兄上はそんな僕のために体を張って守ってくれたこともある。それは、狩猟祭という国で行われている狩りのイベント時に魔物に襲われかけた僕を庇い、兄上は大けがを負ってしまった。ちなみにその魔物は叔父様がみじん切りにしてその後この世から跡形もなく消したのだけど、それは別の話である。その傷は今も兄上の背中に残っていると何故かマーティンが教えてくれた。
何はともあれ、そんなウザくてわがままな子だったので兄上から見ればきっとイライラしたに違いない。
どんなにウザい弟に対しても、兄上はとても心が広く優しかった。小さな子供ならまだしも19歳手前まで泣き喚いて駄々こねることのあるウザイ愚かな弟の頭を撫でながらいつも、
「泣かないで。ルークは本当は何でもできるすごい王子様だよ」とか「えらいね、ルークは素晴らしい王子様だよ」とか慰めてくれた。叔父様もそうだけど僕のこと肯定してくれた。
例の断罪劇の際も、最後まで「ルークは過ちは犯したけどまだチャンスをあげて欲しい」とか「廃嫡してもせめて臣下降下までとするべきで平民になどしたらルークが死んでしまう」と最後まで愚かでウザいわがままな僕を庇い続けてくれた。
その優しさに甘えていた僕だから、今更、兄上いやレイズ殿下に合わせる顔などない。
仏のようなレイズ殿下が僕を助けたいと言ってくれていることは純粋にありがたいけど、僕は自分が足でまといにはなるけど助けには一切ならないことくらいわかっている。つまり百害あって一利なしの存在であると自覚している。自分で言っていて悲しいけど仕方ない。
「それは流石にレイズ殿下に迷惑をかけすぎてしまうよ」
「レイズ様自身が強く希望されております。なので、もしルーク様さぇ望まれるならば……」
そこまで言ってにこりとエドワードは笑う。それはきっと「出してやる」と言っているのだと分かった。だから僕も曖昧に笑う。
「考えておくよ」
僕にはわかってしまった。それはルークとしてではなく前世の記憶の中で思い出したのだ。この屋敷から僕が処女を守って出ていく方法は、エドワードについて行って、レイズ殿下に助けてもらう以外ないのだと。
けれど、その選択について何か重要な見落としがあると感じていた。けれどそれについて考えようとすると頭の中に靄がかかる。まるで何かが思い出すのを阻害しているみたいに。思えばレイズ殿下とのこの後の話を思い出そうとすると記憶が飛んでしまう。
(なんでだろうな。レイズ殿下関連のこと、過去のことは思い出せるのに未来のことが分からない)
「どうかしましたかルーク様、顔色が優れませんが」
「あっ、大丈夫だよ、久々に叔父様以外と話して浮かれてしまったのかもね」
そうヘラりと笑う。そうしたらそれ以上は追及されなかった。そのままその後は当たり障りのない会話をして食事は尊厳を守られたまま無事に終わった。
食事が終わったらエドワードと別れて、僕はぼんやりしていた。どうしてこんなに頭の中がもやもやするのか全くわからない。
「ルーク様、次は何をなさりますか?」
「あばば、クリス」
いつの間にか現れたクリスにそう聞かれて、一瞬心臓が止まりかけた。
「とりあえず部屋に戻るよ」
「わかりました」
ふらふらした足取りで部屋に戻ると、お行儀が悪いがそのままベッドに寝転ぶ。
正直僕の処女喪失へのリミットが後1週間と迫っているのだが、今のままだとエドワードについて行く以外に方法が全く浮かばない。けれど、それが良いのか判断がつかなかった。
(どうしよう。処女は守りたいけど、エドワードについて行くのって本当に問題ないのかな……)
何故かすごくエドワードが引っかかるのだ。原作小説にエドワードは出ていたかなと失われた記憶を必死に呼び覚まそうとした僕はいつの間にか眠ってしまっていた。
******
「〇〇、ねぇ聞いてよ「わがままな王子様は英雄様の虜」こと「わがとり」の新刊に番外編が載ってるのよ!!」
「姉さん……またBL本??」
「そう、あんたにも読んでもらったシリーズよ。今回の番外編すごく楽しみだったのよね」
「ははは、では僕はこれで……」
「待ちなさい。今回の番外編の主役はマーティンなの。主人公ルークの廃嫡フレンズのマーティンよ」
「え、あんまり覚えてないけど、そのモブ確か平民落ちしたよね?」
「そう、でも平民落ちしたマーティンを実はずっと好きだった人物がいたのよ」
「……マジかすげぇご都合みを感じる」
「いいのよ楽しければ。その相手がね……」
******
黒髪に深い蒼い瞳をしていて容姿端麗なうえ、非の打ち所がない優秀な人。
唯一、母親が公妾で元々低い身分だったということで王太子から外された不遇の第一王子は、僕にとってコンプレックスを刺激する存在だった。
もし、兄上が僕のようにちゃらんぽらんだったら逆に仲良くなれたかもしれない。けれど、剣術、勉学、容姿、どれをとっても僕があの人に勝てるところはひとつもなかった。
それなのに、身分の低い母親から生まれたというだけで王宮で虐げられている兄上を見ていると何故か悔しかったし、僕は身分の高い母から生まれただけのお飾りの王太子と思われているような気がして辛かった。今では人間としての尊厳を失いかけて大半のことを受け入れてるような気がするけど、昔の僕は意外にも繊細だったのだ。
だから、わがままな王太子だった僕は兄上に嫌がらせをした。
例えば、僕の嫌いなピーマンを兄上の皿にこっそり置いて食べてもらったり、僕の嫌いなにんじんも兄上に食べてもらったり、代わりに僕の好きなお肉を兄上が交換してくれたり、兄上がカッコイイ服を着ていたら色違いで同じのが着たいと駄々をこねて準備させて色違いコーデで舞踏会に登場したり、兄上の行くとこ行くとこ刷り込みされたひよこさんみたいについて行きたがったり、極めつけは兄上が留学する話が出た時に離れるのが嫌で一緒に行くと3日間飲まず食わずで泣き喚いて困らせて、結局留学の話がなくなったり……あれ思っていたよりワガママの程度が低いな。後わりとブラコン疑惑もあるな。
それなのに、兄上はそんな僕のために体を張って守ってくれたこともある。それは、狩猟祭という国で行われている狩りのイベント時に魔物に襲われかけた僕を庇い、兄上は大けがを負ってしまった。ちなみにその魔物は叔父様がみじん切りにしてその後この世から跡形もなく消したのだけど、それは別の話である。その傷は今も兄上の背中に残っていると何故かマーティンが教えてくれた。
何はともあれ、そんなウザくてわがままな子だったので兄上から見ればきっとイライラしたに違いない。
どんなにウザい弟に対しても、兄上はとても心が広く優しかった。小さな子供ならまだしも19歳手前まで泣き喚いて駄々こねることのあるウザイ愚かな弟の頭を撫でながらいつも、
「泣かないで。ルークは本当は何でもできるすごい王子様だよ」とか「えらいね、ルークは素晴らしい王子様だよ」とか慰めてくれた。叔父様もそうだけど僕のこと肯定してくれた。
例の断罪劇の際も、最後まで「ルークは過ちは犯したけどまだチャンスをあげて欲しい」とか「廃嫡してもせめて臣下降下までとするべきで平民になどしたらルークが死んでしまう」と最後まで愚かでウザいわがままな僕を庇い続けてくれた。
その優しさに甘えていた僕だから、今更、兄上いやレイズ殿下に合わせる顔などない。
仏のようなレイズ殿下が僕を助けたいと言ってくれていることは純粋にありがたいけど、僕は自分が足でまといにはなるけど助けには一切ならないことくらいわかっている。つまり百害あって一利なしの存在であると自覚している。自分で言っていて悲しいけど仕方ない。
「それは流石にレイズ殿下に迷惑をかけすぎてしまうよ」
「レイズ様自身が強く希望されております。なので、もしルーク様さぇ望まれるならば……」
そこまで言ってにこりとエドワードは笑う。それはきっと「出してやる」と言っているのだと分かった。だから僕も曖昧に笑う。
「考えておくよ」
僕にはわかってしまった。それはルークとしてではなく前世の記憶の中で思い出したのだ。この屋敷から僕が処女を守って出ていく方法は、エドワードについて行って、レイズ殿下に助けてもらう以外ないのだと。
けれど、その選択について何か重要な見落としがあると感じていた。けれどそれについて考えようとすると頭の中に靄がかかる。まるで何かが思い出すのを阻害しているみたいに。思えばレイズ殿下とのこの後の話を思い出そうとすると記憶が飛んでしまう。
(なんでだろうな。レイズ殿下関連のこと、過去のことは思い出せるのに未来のことが分からない)
「どうかしましたかルーク様、顔色が優れませんが」
「あっ、大丈夫だよ、久々に叔父様以外と話して浮かれてしまったのかもね」
そうヘラりと笑う。そうしたらそれ以上は追及されなかった。そのままその後は当たり障りのない会話をして食事は尊厳を守られたまま無事に終わった。
食事が終わったらエドワードと別れて、僕はぼんやりしていた。どうしてこんなに頭の中がもやもやするのか全くわからない。
「ルーク様、次は何をなさりますか?」
「あばば、クリス」
いつの間にか現れたクリスにそう聞かれて、一瞬心臓が止まりかけた。
「とりあえず部屋に戻るよ」
「わかりました」
ふらふらした足取りで部屋に戻ると、お行儀が悪いがそのままベッドに寝転ぶ。
正直僕の処女喪失へのリミットが後1週間と迫っているのだが、今のままだとエドワードについて行く以外に方法が全く浮かばない。けれど、それが良いのか判断がつかなかった。
(どうしよう。処女は守りたいけど、エドワードについて行くのって本当に問題ないのかな……)
何故かすごくエドワードが引っかかるのだ。原作小説にエドワードは出ていたかなと失われた記憶を必死に呼び覚まそうとした僕はいつの間にか眠ってしまっていた。
******
「〇〇、ねぇ聞いてよ「わがままな王子様は英雄様の虜」こと「わがとり」の新刊に番外編が載ってるのよ!!」
「姉さん……またBL本??」
「そう、あんたにも読んでもらったシリーズよ。今回の番外編すごく楽しみだったのよね」
「ははは、では僕はこれで……」
「待ちなさい。今回の番外編の主役はマーティンなの。主人公ルークの廃嫡フレンズのマーティンよ」
「え、あんまり覚えてないけど、そのモブ確か平民落ちしたよね?」
「そう、でも平民落ちしたマーティンを実はずっと好きだった人物がいたのよ」
「……マジかすげぇご都合みを感じる」
「いいのよ楽しければ。その相手がね……」
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