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13.知らないうちに自分の記念館が作られているという怖い話 ※
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「クリス、僕は美術品とか調度品がある部屋がみたかったのだけど……」
「申し訳ございません。公爵様は特別そのようなものに興味がなく、この家にある美術品とか調度品はここにある物のみとなります」
そうして連れてこられた、だだっ広い場所で僕は眩暈を覚えていた。
綺麗な絵画とか、ツボとか皿を見るつもりで来たその部屋は、どう見ても僕の肖像画とか、彫像とか、なんなら確か小さな頃に押させられた手形とかが並べられていた。それだけじゃない。小さい頃に来ていた服とか諸々の私物がまるで著名人の記念館みたいに並べられている。
(これ、完全にルーク記念館なんだよな)
博物館の展示室みたいに並べられた品々はその由来やらを知らなかったらもしかしたらワンチャン美術品に思えたかもしれない。しかし残念ながら、それは僕の私物やら、知らないうちに描かれた肖像画やら、いつ捨てたっけと思っていた学校の課題の絵とかもうとにかく僕関連の物だけだった。
しかもひとつひとつに丁寧に「〇〇年〇月〇日 学園の課題にて描かれた作品 〇〇寄贈」みたいな注釈付き。本当に何も知らないとこれすごい人の記念館とかだと思うよね。まさか廃嫡された元王太子関連だなんて思われないだろうな。
「しかし、叔父様はこれどこで集めてきたのかな……」
ぼんやり死んだ魚のような目で自分コレクションを見て回っていた時、一際丁寧に額装されている絵があることに気付いた。
「……これ、確か……」
それはまだ、僕が小さな頃、大体5歳くらいの時に叔父様に描いた絵だった。そこにはやっと人間であることが分かる程度の肌色と水色に目のついた物体が描かれている、幼い子供らしい作品である。そして、やっと読めるくらいの歪な文字で「だいすきなおじたん」と書かれていた。
他の物も大切にしているのは分かったが、これについては他の比でないくらい大切にされいるようで10年以上経過しているにも関わらず昨日渡したと言っても遜色がない位に綺麗だった。
(そういえば、叔父様へ僕がプレゼントしたのって、この絵くらいだな)
通常の甥と叔父であればそもそもプレゼントのやり取りなどはないだろうが、この叔父様である。僕は物心がつく前からそれはもう沢山のプレゼントを頂いてきた。
特に印象深いのが、確かこの絵をあげた5歳の頃に頂いた、100年戦争の勝利で手に入れた領地の一部だった。まぁ5歳の子供が扱えるものではないので一旦父上、もとい国王陛下が確か代理人を立てて管理していたはずだ。
(あの領地どうなったのかな……)
本来なら、あの断罪の場で成人となり婚約者とも成婚し、該当の領地も僕のものになるはずだった。
(けれど僕はやらかしてしまいその全てを破壊したため、身ひとつで辺境の地で賠償金を支払うため辺境兵士として兵役を命じられたってことなんだよね。)
僕の中で前世の記憶がよみがえるのがもう少し早ければもしかしたら未来を変えられたのかもしれない。そう考えると同時にせっかく叔父様から頂いたのにそれを一度も手に入れることがなかったのかと考えたら珍しく悲しい気持ちになった。
それだけじゃない。僕が叔父様から頂いた沢山のもの全てをあの断罪劇の代償に失ってしまったのだ。自身の身から出た錆だから仕方ないけれどどうしてあんなバカげたことをしてしまったのかと考え始めたら辛くなった。
ナターリエ……僕のせいで冤罪を着せられそうになった元婚約者の公爵令嬢。今は僕の異母兄で王太子になったレイズ殿下の婚約者だと聞いている。
彼女は完璧な令嬢で、僕が沢山の女の子と付き合うことについて、王太子である以上はそれは良くないと諫めてくれた。それなのに僕はあの時それを鬱陶しく感じてしまった。
お互い幼馴染で決して恋愛的な感情はなかったけれど良い夫婦には僕の裏切りがなければなれたかもしれない。
(今更、全て僕が悪かった。だから僕は今報いを受けている……)
報いといいながら、結局僕は人間としての尊厳はちょいちょい脅かされているがのうのうと全裸で暮らしていたりした訳で、そう考えたらこの場所にいるのも当たり前だなと思いかけた、が、よく考えたら通常の肉体労働地獄エンディングより叔父様限定夜の肉体労働地獄(意味深)の方が割と重い罪の償いみはあるかもしれない。
僕がナターリエなら僕が苦しむのならどちらでも良いと思うかもしれないが、より男としての尊厳、いや人間としての尊厳も失いかねない今の状況の方が少しは笑えるかもしれない。
そんな風に珍しく鬱々としたことを考えていた時だった。
「ルーク様、お久しぶりです」
と僕にひとりの少年、いや僕より少し年下くらいの子が声をかけてきた。
「えっと、ごめん。君は誰だっけ……」
「僕はエドワードですよ。エドワード・エンフィールド。エンフィールド伯爵家の息子です」
その名前を聞いて思い出した。エンフィールド伯爵家といえば僕の元取り巻き、もとい、例の断罪劇で僕と一緒に色々やらかして廃嫡された長男がいた家だ。彼は確かマーティンといったかな。宰相の息子で僕の将来右腕になる予定だった男だけど、今はどうなったのかは聞いていない。
そのエンフィールド伯爵家の息子ということはマーティンの弟だと思われる。
(これものごっそ恨まれているのでは??)
「あ、あの。僕のせいでお兄さんが……」
「えっ、ああ。むしろ感謝してますよ。ルーク様のおかげで兄は廃嫡されて僕が代わりに伯爵家を継げることになりました。そのおかげで望まない結婚もせずにすみましたから」
エドワードはとても綺麗に微笑んでいる。しかし、確かエンフィールド伯爵家はマーティンの廃嫡以外にも父親の宰相職の罷免など割とひどい目に遭っていた気がしたけれどあまり詮索はしない方が良いと判断した。
「そっか、ところでエドワード、君はどうしてここにいるの?」
「僕は跡取りになるべく、今こちらの屋敷で勉強をさせて頂いているのです」
勉強。叔父様は一応救国の英雄であり、比類なく優秀な人だ。僕のことさぇ絡んでいなければとても素晴らしい人格者でもあると神様も言っていた。だから、兄の失態で諸々の権利を削られた伯爵家の嫡男の面倒を見ていてもおかしくはない。
「大変だね。でも君ならきっと良い跡取りになるよ」
根拠はないが、僕は彼を褒めた。人付き合いに大切なことである。すると少しエドワードははにかんだ。年下のほのぼのとした態度に少し心を癒されかけた時だった。
ブーーーーーーーッ
と低いモーター音がその場に不自然に鳴り響き、僕のアナルにダイレクトアタックした。
「あれ?なんの音ですか?」
「っあ、な、ん、でも、ないよ」
明らかに不自然な体勢になりながら、僕は呼び止めるエドワードを適当に躱して元の部屋へ向かった。けれど……
内部で暴れているそれの振動が早く思うように歩くことができない。
(これ、ヤバっ…イ…あっああああ)
漏れそうな喘ぎを抑えるが、絶妙にセットされたそれは前立腺を刺激して、今にもイキそうだし歩くのもずっと前かがみになる。
(だめっ、これなんか漏れそう……もぅイクっ……)
そのまま生まれたての小鹿のような足取りで倒れかけた時だった。
「ルーク殿下、どうされましたか??」
それが元護衛騎士のジャックだと把握したが、そのまま僕はビクビクと下半身をくねらせながらその場に崩れ落ちてしまった。
「申し訳ございません。公爵様は特別そのようなものに興味がなく、この家にある美術品とか調度品はここにある物のみとなります」
そうして連れてこられた、だだっ広い場所で僕は眩暈を覚えていた。
綺麗な絵画とか、ツボとか皿を見るつもりで来たその部屋は、どう見ても僕の肖像画とか、彫像とか、なんなら確か小さな頃に押させられた手形とかが並べられていた。それだけじゃない。小さい頃に来ていた服とか諸々の私物がまるで著名人の記念館みたいに並べられている。
(これ、完全にルーク記念館なんだよな)
博物館の展示室みたいに並べられた品々はその由来やらを知らなかったらもしかしたらワンチャン美術品に思えたかもしれない。しかし残念ながら、それは僕の私物やら、知らないうちに描かれた肖像画やら、いつ捨てたっけと思っていた学校の課題の絵とかもうとにかく僕関連の物だけだった。
しかもひとつひとつに丁寧に「〇〇年〇月〇日 学園の課題にて描かれた作品 〇〇寄贈」みたいな注釈付き。本当に何も知らないとこれすごい人の記念館とかだと思うよね。まさか廃嫡された元王太子関連だなんて思われないだろうな。
「しかし、叔父様はこれどこで集めてきたのかな……」
ぼんやり死んだ魚のような目で自分コレクションを見て回っていた時、一際丁寧に額装されている絵があることに気付いた。
「……これ、確か……」
それはまだ、僕が小さな頃、大体5歳くらいの時に叔父様に描いた絵だった。そこにはやっと人間であることが分かる程度の肌色と水色に目のついた物体が描かれている、幼い子供らしい作品である。そして、やっと読めるくらいの歪な文字で「だいすきなおじたん」と書かれていた。
他の物も大切にしているのは分かったが、これについては他の比でないくらい大切にされいるようで10年以上経過しているにも関わらず昨日渡したと言っても遜色がない位に綺麗だった。
(そういえば、叔父様へ僕がプレゼントしたのって、この絵くらいだな)
通常の甥と叔父であればそもそもプレゼントのやり取りなどはないだろうが、この叔父様である。僕は物心がつく前からそれはもう沢山のプレゼントを頂いてきた。
特に印象深いのが、確かこの絵をあげた5歳の頃に頂いた、100年戦争の勝利で手に入れた領地の一部だった。まぁ5歳の子供が扱えるものではないので一旦父上、もとい国王陛下が確か代理人を立てて管理していたはずだ。
(あの領地どうなったのかな……)
本来なら、あの断罪の場で成人となり婚約者とも成婚し、該当の領地も僕のものになるはずだった。
(けれど僕はやらかしてしまいその全てを破壊したため、身ひとつで辺境の地で賠償金を支払うため辺境兵士として兵役を命じられたってことなんだよね。)
僕の中で前世の記憶がよみがえるのがもう少し早ければもしかしたら未来を変えられたのかもしれない。そう考えると同時にせっかく叔父様から頂いたのにそれを一度も手に入れることがなかったのかと考えたら珍しく悲しい気持ちになった。
それだけじゃない。僕が叔父様から頂いた沢山のもの全てをあの断罪劇の代償に失ってしまったのだ。自身の身から出た錆だから仕方ないけれどどうしてあんなバカげたことをしてしまったのかと考え始めたら辛くなった。
ナターリエ……僕のせいで冤罪を着せられそうになった元婚約者の公爵令嬢。今は僕の異母兄で王太子になったレイズ殿下の婚約者だと聞いている。
彼女は完璧な令嬢で、僕が沢山の女の子と付き合うことについて、王太子である以上はそれは良くないと諫めてくれた。それなのに僕はあの時それを鬱陶しく感じてしまった。
お互い幼馴染で決して恋愛的な感情はなかったけれど良い夫婦には僕の裏切りがなければなれたかもしれない。
(今更、全て僕が悪かった。だから僕は今報いを受けている……)
報いといいながら、結局僕は人間としての尊厳はちょいちょい脅かされているがのうのうと全裸で暮らしていたりした訳で、そう考えたらこの場所にいるのも当たり前だなと思いかけた、が、よく考えたら通常の肉体労働地獄エンディングより叔父様限定夜の肉体労働地獄(意味深)の方が割と重い罪の償いみはあるかもしれない。
僕がナターリエなら僕が苦しむのならどちらでも良いと思うかもしれないが、より男としての尊厳、いや人間としての尊厳も失いかねない今の状況の方が少しは笑えるかもしれない。
そんな風に珍しく鬱々としたことを考えていた時だった。
「ルーク様、お久しぶりです」
と僕にひとりの少年、いや僕より少し年下くらいの子が声をかけてきた。
「えっと、ごめん。君は誰だっけ……」
「僕はエドワードですよ。エドワード・エンフィールド。エンフィールド伯爵家の息子です」
その名前を聞いて思い出した。エンフィールド伯爵家といえば僕の元取り巻き、もとい、例の断罪劇で僕と一緒に色々やらかして廃嫡された長男がいた家だ。彼は確かマーティンといったかな。宰相の息子で僕の将来右腕になる予定だった男だけど、今はどうなったのかは聞いていない。
そのエンフィールド伯爵家の息子ということはマーティンの弟だと思われる。
(これものごっそ恨まれているのでは??)
「あ、あの。僕のせいでお兄さんが……」
「えっ、ああ。むしろ感謝してますよ。ルーク様のおかげで兄は廃嫡されて僕が代わりに伯爵家を継げることになりました。そのおかげで望まない結婚もせずにすみましたから」
エドワードはとても綺麗に微笑んでいる。しかし、確かエンフィールド伯爵家はマーティンの廃嫡以外にも父親の宰相職の罷免など割とひどい目に遭っていた気がしたけれどあまり詮索はしない方が良いと判断した。
「そっか、ところでエドワード、君はどうしてここにいるの?」
「僕は跡取りになるべく、今こちらの屋敷で勉強をさせて頂いているのです」
勉強。叔父様は一応救国の英雄であり、比類なく優秀な人だ。僕のことさぇ絡んでいなければとても素晴らしい人格者でもあると神様も言っていた。だから、兄の失態で諸々の権利を削られた伯爵家の嫡男の面倒を見ていてもおかしくはない。
「大変だね。でも君ならきっと良い跡取りになるよ」
根拠はないが、僕は彼を褒めた。人付き合いに大切なことである。すると少しエドワードははにかんだ。年下のほのぼのとした態度に少し心を癒されかけた時だった。
ブーーーーーーーッ
と低いモーター音がその場に不自然に鳴り響き、僕のアナルにダイレクトアタックした。
「あれ?なんの音ですか?」
「っあ、な、ん、でも、ないよ」
明らかに不自然な体勢になりながら、僕は呼び止めるエドワードを適当に躱して元の部屋へ向かった。けれど……
内部で暴れているそれの振動が早く思うように歩くことができない。
(これ、ヤバっ…イ…あっああああ)
漏れそうな喘ぎを抑えるが、絶妙にセットされたそれは前立腺を刺激して、今にもイキそうだし歩くのもずっと前かがみになる。
(だめっ、これなんか漏れそう……もぅイクっ……)
そのまま生まれたての小鹿のような足取りで倒れかけた時だった。
「ルーク殿下、どうされましたか??」
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