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05.とりあえずまずは衣服を取り戻す必要があるようです
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翌朝、僕は目を覚ましてぼんやり覚醒した意識の中、隣で目を瞑っているすごい綺麗な顔が真横にあるという事象に叫びそうになったが、既の所でそれを抑え込んだ。
(ひぃ、顔がいい人が隣で寝ている、えっ、なんで、あ、えーっと)
「おはよう、僕の可愛いルーク」
「あ、お、おはようございます」
戸惑っている僕の額にチュっとリップ音を立てて口づけて微笑んだ叔父様に思わず顔が熱くなる自分の反応に頭の片隅に住んでいるもうひとりの冷静な僕が震えた。
(これまずい、物語の強制力に飲まれてる)
そう、このBL小説「わがままな王子様は英雄様の虜」ではタイトル通り、スパダリの叔父様にルークは寵絡されていき最終的にはハードプレイからのラブラブ溺愛モードに移行していくという考えただけで恐ろしい結末を迎えるのだ。
すごく逃げたいが、逃げちゃだめだ、物理的に逃げちゃだめなんだ。
なぜなら、逃げると追ってきた叔父様にとんでもないハードなお仕置きを受けてそれもフラグとして機能してルークは完全に叔父様の虜になるというただただ恐ろしいことが起きるのだから。
(これどうするのが正解なんだろ、とりあえず処女だけは絶対死守したい……)
「処女はゆっくりいただく予定だよ。大丈夫、絶対痛いことはしないでとろけさせてあげるからね」
そう言って優しく髪を撫でられる。もうひとつ大事なこと、メタな話だけれど僕の心の声はソードマスターの叔父様には聞こえてしまうということ。だから無意味に逃げるとか否定的なことは考えると命取りになるということ。
文字通り「玉をとられる」訳なんです。何の玉かは考えたくない。
「あの、マクスおじたん。僕、その……洋服が着たいのですが」
昨日のあれこれの後、どうやら全裸のままらしいのでわざとらしくコテんとあざとく首をかしげて頼んでみる。というか僕は裸族ではないので寝るときも本当はパジャマを着たい派であるのに全裸だとなんともきまりが悪い。ポジショニングとか含めて開放感が怖い。
「ルークには必要ないよ。ここからもう出ないのだからね」
あっさり終身監禁宣言をされましたが、ここでへこたれてはいけない。へこたれたら試合が終わってしまうのだから。
「でも、僕がずっと全裸だと変わり映えがしないからマクスおじたんも飽きると思いますし、それに隠されている方が暴くときにこうなんか満たされると思うんです」
征服欲とかね。まさか自分相手に征服欲持ってる人にこんな恐ろしいことをいう日が来るなど都内在住の時は考えもしなかった。
その言葉に叔父様の顔がほの暗い笑みを浮かべている。もしかして地雷踏んだかな。
「ルーク、まず前提がおかしい。僕がルークに飽きることなんて絶対にありえない。記憶を失おうが世界が滅ぼうが、僕はルークだけを愛し続けると誓えるし、可愛いルークの生まれたままのあるべき姿、全て取っ払われているその姿こそ至高だ。もしルークを手に入れられたらまず邪魔なものはすべてを取り払いたかったから、せっかく取り払ったのになぜまた着せないといけないんだい?」
(えっ??もしかしてこれ衣服にまで嫉妬しているとかですか、えっ??無機物ぞ)
あまりにも恐ろしい回答に思わず心で叫んじまった。そりゃあ、いままでいろんな嫉妬深い人って見たことあるけど無機物、それも衣服に嫉妬するってパターン初めて見たよ。
むしろ好きな人に自分の好きな衣服を着せて興奮したりするのが普通じゃないか?メイドとか看護婦さんとかね。あ、スチュワーデスさんも良いなとか現実逃避しかけた脳みそを必死に戻す。
すごく試合を強制終了させたい気持ちになるが、それではいけない。
「でも、マクスおじたん、僕はおじたんの色に染まりたいのです。それにはおじたんの好きな服とか着せて欲しいなとか思うのですが……」
あざとい、我ながら気色悪くて悪夢見そうなレベルのあざとさを発揮した。
「僕色に染まりたい……つまり、僕と同化したいと?」
それは恐ろしい曲解ですが、もうそういうので良いです。それで衣服が得れるならもうなんでも、よくはないですが良いです。絶望の世界。
とりあえず目を潤ませるようにして頷く。僕、この間までヤリチンだったんだはずなのにこのままいくとビッチにもなれそうだね、あらやだ恐いし絶対それ阻止しないと。
「ルーク、わかったよ。少し待っていてね」
しばらく待っていたらとても幸せそうな顔をして帰ってきた叔父様。手ぶらやんなんて思った僕は驚愕の事実を突きつけられる。
「ルークのために沢山服を準備しすぎてしまってね、部屋に入りきらないから別宅全てに収納したんだ。この後そちらにつれていくね」
「……はい」
その後、しばらく僕は着せ替え人形よろしく色々な服を着せらて、無理やり服を着せられた犬のようにしばらくもう全裸でいた方がよかったのではないかというような思いを抱かされることになるのだけれど、とりあえず目標はひとつ達成できたと信じている。
(ひぃ、顔がいい人が隣で寝ている、えっ、なんで、あ、えーっと)
「おはよう、僕の可愛いルーク」
「あ、お、おはようございます」
戸惑っている僕の額にチュっとリップ音を立てて口づけて微笑んだ叔父様に思わず顔が熱くなる自分の反応に頭の片隅に住んでいるもうひとりの冷静な僕が震えた。
(これまずい、物語の強制力に飲まれてる)
そう、このBL小説「わがままな王子様は英雄様の虜」ではタイトル通り、スパダリの叔父様にルークは寵絡されていき最終的にはハードプレイからのラブラブ溺愛モードに移行していくという考えただけで恐ろしい結末を迎えるのだ。
すごく逃げたいが、逃げちゃだめだ、物理的に逃げちゃだめなんだ。
なぜなら、逃げると追ってきた叔父様にとんでもないハードなお仕置きを受けてそれもフラグとして機能してルークは完全に叔父様の虜になるというただただ恐ろしいことが起きるのだから。
(これどうするのが正解なんだろ、とりあえず処女だけは絶対死守したい……)
「処女はゆっくりいただく予定だよ。大丈夫、絶対痛いことはしないでとろけさせてあげるからね」
そう言って優しく髪を撫でられる。もうひとつ大事なこと、メタな話だけれど僕の心の声はソードマスターの叔父様には聞こえてしまうということ。だから無意味に逃げるとか否定的なことは考えると命取りになるということ。
文字通り「玉をとられる」訳なんです。何の玉かは考えたくない。
「あの、マクスおじたん。僕、その……洋服が着たいのですが」
昨日のあれこれの後、どうやら全裸のままらしいのでわざとらしくコテんとあざとく首をかしげて頼んでみる。というか僕は裸族ではないので寝るときも本当はパジャマを着たい派であるのに全裸だとなんともきまりが悪い。ポジショニングとか含めて開放感が怖い。
「ルークには必要ないよ。ここからもう出ないのだからね」
あっさり終身監禁宣言をされましたが、ここでへこたれてはいけない。へこたれたら試合が終わってしまうのだから。
「でも、僕がずっと全裸だと変わり映えがしないからマクスおじたんも飽きると思いますし、それに隠されている方が暴くときにこうなんか満たされると思うんです」
征服欲とかね。まさか自分相手に征服欲持ってる人にこんな恐ろしいことをいう日が来るなど都内在住の時は考えもしなかった。
その言葉に叔父様の顔がほの暗い笑みを浮かべている。もしかして地雷踏んだかな。
「ルーク、まず前提がおかしい。僕がルークに飽きることなんて絶対にありえない。記憶を失おうが世界が滅ぼうが、僕はルークだけを愛し続けると誓えるし、可愛いルークの生まれたままのあるべき姿、全て取っ払われているその姿こそ至高だ。もしルークを手に入れられたらまず邪魔なものはすべてを取り払いたかったから、せっかく取り払ったのになぜまた着せないといけないんだい?」
(えっ??もしかしてこれ衣服にまで嫉妬しているとかですか、えっ??無機物ぞ)
あまりにも恐ろしい回答に思わず心で叫んじまった。そりゃあ、いままでいろんな嫉妬深い人って見たことあるけど無機物、それも衣服に嫉妬するってパターン初めて見たよ。
むしろ好きな人に自分の好きな衣服を着せて興奮したりするのが普通じゃないか?メイドとか看護婦さんとかね。あ、スチュワーデスさんも良いなとか現実逃避しかけた脳みそを必死に戻す。
すごく試合を強制終了させたい気持ちになるが、それではいけない。
「でも、マクスおじたん、僕はおじたんの色に染まりたいのです。それにはおじたんの好きな服とか着せて欲しいなとか思うのですが……」
あざとい、我ながら気色悪くて悪夢見そうなレベルのあざとさを発揮した。
「僕色に染まりたい……つまり、僕と同化したいと?」
それは恐ろしい曲解ですが、もうそういうので良いです。それで衣服が得れるならもうなんでも、よくはないですが良いです。絶望の世界。
とりあえず目を潤ませるようにして頷く。僕、この間までヤリチンだったんだはずなのにこのままいくとビッチにもなれそうだね、あらやだ恐いし絶対それ阻止しないと。
「ルーク、わかったよ。少し待っていてね」
しばらく待っていたらとても幸せそうな顔をして帰ってきた叔父様。手ぶらやんなんて思った僕は驚愕の事実を突きつけられる。
「ルークのために沢山服を準備しすぎてしまってね、部屋に入りきらないから別宅全てに収納したんだ。この後そちらにつれていくね」
「……はい」
その後、しばらく僕は着せ替え人形よろしく色々な服を着せらて、無理やり服を着せられた犬のようにしばらくもう全裸でいた方がよかったのではないかというような思いを抱かされることになるのだけれど、とりあえず目標はひとつ達成できたと信じている。
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