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17:全てを魅了してしまうらしいピヨちゃん
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(透明化忘れていたな)
『ティラノたん、消す??』
明らかに嬉々とした声で聞いてくる、ヨグ様に僕は首を振る。流石に衛兵が死ぬと面倒くさいし、それにこの衛兵に一応僕は恨みはないはずだ。
(どうしたものか……)
考えながら、僕は衛兵を見つめる。そしてあまり気づきたくない事実に気付いた。先ほどは不審者を捉えるモードだった衛兵の顔が赤くなっていたからだ。
「……あの」
「えっ、男??いや、男でも美しい人はいる……しかし不審者だ、捉えるべきだろう。しかし……」
よくわからず首を傾げると「はわわ」という声をあげた衛兵。僕が言うのもなんだけど一応王宮を守る兵士なのにこれで大丈夫なのだろうか。
「……まさか、正妃様の愛人か??だとしてもあそこまで美しい人はいなかった。うう、俺はノーマル、俺はノーマル。兵士に男色は多いが、ノーマルだ。うう、でもあの美しい人なら……」
本人は口に出していないつもりかもしれないが、彼の内面が、全て曝け出されている。
「どうかされましたか」
そう言って、僕は真正面から男を見た。そして目を合わせる。
「はわわ、美しい、もういいや、俺、道を踏み外してしまおう……」
「忘れろ」
その男の記憶を消して、そのまま呆然としている状態の男を部屋から出した。
そして、急いで自身に透明化をかけた。これでまた衛兵が入ってきても見えないので問題ないだろう。
しかし、何故正妃も衛兵も僕を見てあんな状態になったのだろうか。もしかして僕に変な魔法をヨグ様が付与したとかもあり得るかもしれない。
(ヨグ様、僕に魅了の魔法が使えるような能力の付与とかしてないですよね??)
『まさか。でもほら、ティラノたんは伝説の竜神の中でももっとも希少で美しいとされる青眼の白龍だから、人間の姿でも多くの人を虜にしちゃうのは仕方ない。なんせ竜神も番がいないヤツなら虜になるレベルだからね。人間なら性別問わずに虜になるのは仕方ない。僕の番のティラノたんは世界で一番美しいからね。ところでさっきの衛兵の腕か足あたり捥いでいいかな??』
(いきなり猟奇的な発言はやめてください。人間は竜神と違って捥いだら腕とか足が生えませんからやめてください)
『えっ、竜神も腕とか足を捥いだら生えてこないよ。でも僕のティラノたんに手を出そうとするヤツらのは捥いで……』
(ナイアさん、いらっしゃいますか)
「はーい、では、ちゃっちゃ帰りましょうね」
呼んで数秒以内に背後から現れるナイアさんにももう慣れた。そして、いつものように指を鳴らせばいつものベッドルームに到着していた。
「ふぅ、透明化を解除して……」
「ティラノたん!!」
僕に何故かいきなり抱き着こうとする変態をかわす。しかし、すぐに体をターンさせたヨグ様に背後から抱き込まれた。
「チッ」
思わず舌打ちしたが、気分は害していないのかそのまま強く胸の中に閉じ込められた。
「辛かったね、ティラノたん。可愛いピヨちゃんの状態で酷い虐待をされていたなんて、胸が痛くてしかたない。僕の番、これからは僕に沢山沢山甘えて良いんだよ。なんなら全て曝け出してごらん、今の全裸みたいにね。いや、もうナカまで見せてくれてもいいよ。さぁ、いつでも僕の腕の中においで、ちょっとくんかくんかはぁはぁしたりはするけど絶対に守ってあげるからね」
色々あれだけど、僕のことを心配してくれる発言は不快じゃない、色々残念だなも思うけど、その残念さも含めてヨグ様だから今回は大目にみよう。
「とりあえず、一旦離してください。僕は母の形見であるこの日記を読み直したいのです。僕の考えが正しければこれからの復讐の指針を決めるのに必要だと思うので……」
あの女、正妃が探していたのがこの日記だとすれば、この日記には復讐に必要な材料があるはずだ。元々イメージする計画はあったけれど、より確実な弱みを見つける方が確実性が増すのだから。
『ティラノたん、消す??』
明らかに嬉々とした声で聞いてくる、ヨグ様に僕は首を振る。流石に衛兵が死ぬと面倒くさいし、それにこの衛兵に一応僕は恨みはないはずだ。
(どうしたものか……)
考えながら、僕は衛兵を見つめる。そしてあまり気づきたくない事実に気付いた。先ほどは不審者を捉えるモードだった衛兵の顔が赤くなっていたからだ。
「……あの」
「えっ、男??いや、男でも美しい人はいる……しかし不審者だ、捉えるべきだろう。しかし……」
よくわからず首を傾げると「はわわ」という声をあげた衛兵。僕が言うのもなんだけど一応王宮を守る兵士なのにこれで大丈夫なのだろうか。
「……まさか、正妃様の愛人か??だとしてもあそこまで美しい人はいなかった。うう、俺はノーマル、俺はノーマル。兵士に男色は多いが、ノーマルだ。うう、でもあの美しい人なら……」
本人は口に出していないつもりかもしれないが、彼の内面が、全て曝け出されている。
「どうかされましたか」
そう言って、僕は真正面から男を見た。そして目を合わせる。
「はわわ、美しい、もういいや、俺、道を踏み外してしまおう……」
「忘れろ」
その男の記憶を消して、そのまま呆然としている状態の男を部屋から出した。
そして、急いで自身に透明化をかけた。これでまた衛兵が入ってきても見えないので問題ないだろう。
しかし、何故正妃も衛兵も僕を見てあんな状態になったのだろうか。もしかして僕に変な魔法をヨグ様が付与したとかもあり得るかもしれない。
(ヨグ様、僕に魅了の魔法が使えるような能力の付与とかしてないですよね??)
『まさか。でもほら、ティラノたんは伝説の竜神の中でももっとも希少で美しいとされる青眼の白龍だから、人間の姿でも多くの人を虜にしちゃうのは仕方ない。なんせ竜神も番がいないヤツなら虜になるレベルだからね。人間なら性別問わずに虜になるのは仕方ない。僕の番のティラノたんは世界で一番美しいからね。ところでさっきの衛兵の腕か足あたり捥いでいいかな??』
(いきなり猟奇的な発言はやめてください。人間は竜神と違って捥いだら腕とか足が生えませんからやめてください)
『えっ、竜神も腕とか足を捥いだら生えてこないよ。でも僕のティラノたんに手を出そうとするヤツらのは捥いで……』
(ナイアさん、いらっしゃいますか)
「はーい、では、ちゃっちゃ帰りましょうね」
呼んで数秒以内に背後から現れるナイアさんにももう慣れた。そして、いつものように指を鳴らせばいつものベッドルームに到着していた。
「ふぅ、透明化を解除して……」
「ティラノたん!!」
僕に何故かいきなり抱き着こうとする変態をかわす。しかし、すぐに体をターンさせたヨグ様に背後から抱き込まれた。
「チッ」
思わず舌打ちしたが、気分は害していないのかそのまま強く胸の中に閉じ込められた。
「辛かったね、ティラノたん。可愛いピヨちゃんの状態で酷い虐待をされていたなんて、胸が痛くてしかたない。僕の番、これからは僕に沢山沢山甘えて良いんだよ。なんなら全て曝け出してごらん、今の全裸みたいにね。いや、もうナカまで見せてくれてもいいよ。さぁ、いつでも僕の腕の中においで、ちょっとくんかくんかはぁはぁしたりはするけど絶対に守ってあげるからね」
色々あれだけど、僕のことを心配してくれる発言は不快じゃない、色々残念だなも思うけど、その残念さも含めてヨグ様だから今回は大目にみよう。
「とりあえず、一旦離してください。僕は母の形見であるこの日記を読み直したいのです。僕の考えが正しければこれからの復讐の指針を決めるのに必要だと思うので……」
あの女、正妃が探していたのがこの日記だとすれば、この日記には復讐に必要な材料があるはずだ。元々イメージする計画はあったけれど、より確実な弱みを見つける方が確実性が増すのだから。
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