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初恋を失くして泡に戻れない人魚姫は……(ルカン(人魚姫)視点) ※中編扱いです。
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はじめてそいつを見た時、オレは恋をした。
海辺にはたまに傷だらけの奴がいてオレは小さな頃そいつらを面白半分に助けていた。
その日も偶然、自分と同じ年位のヤツを助けた。そいつは泣きながら、
『どうして助けた、母上の元へいきたかったのに』と暴れた。大半の奴は助けてやると感謝するけどオレの鋭利な牙を見て鮫だって気付いて逃げるのに……、そいつはオレを怖がってないけどすごく抵抗した。
『母上に会えないなら死にたい』
だからこそ、そう言った時に思わずある言葉が口から飛び出す。
『お前、オレの前で自殺とかやめろよな』
その言葉に、なぜかそいつは今までの抵抗をやめてただ涙をこぼした。その姿が愛らしくて思わず慰めるように微笑んでからその体を抱きしめたらとても華奢でドキドキした。
だから恥ずかしくなって、
『なんだよ、泣くなよ』と言ったら、さらに驚いた顔をした後に微笑んだ顔に胸の奧で何かがはじけるような特別な何かを感じた。
*******************************
あの匂いと感覚を探した。実は鮫の人魚である俺は視力が悪い。あの日のあいつも恥ずかしくて近くで顔を見れなかったことをずっと悔やんでいた。
ただ、記憶に残る青い瞳とどこか甘い匂いを頼りにある人物がその初恋相手だと確信した。
そいつはこの辺りの海へよくやってくる白い兎の獣人だった。
過去のことがあるからかよくオレに話しかけてきた。
「ねぇ、サメさん。あちら側に僕を連れて行ってくれないかな、つれて行ってくれたらサメさんに僕サービスするよ♡」
好意を持つ相手にそう言われてオレは拒む選択肢なんてなかった。そいつを背に乗せて対岸につれて行く寸前で、背中の上の初恋の相手が言った。
「おバカな鮫さん。僕は恋人に会いに行くために君を利用したんだ。だから君が想像したようなことはしないよ」
その言葉に唖然とした。確かに下心が全くなかったかと言えばウソになるけれど純粋な気持ちを侮辱されたことが許せなくて、思わずそのままそいつを海に引きずり込んで怒りのまま犯そうとした。
けれど、すんでのところで通りかかった兎獣人の恋人の神に邪魔をされて、さらには呪いを掛けられた。
呪いは『もっとも愛する人と結ばれなければ永遠に生き続けないといけない』というものだった。
人魚はそもそもとても一途な種族で、恋が破れたなら泡になるのだが、初恋の相手を奪われてそんな呪いを掛けられたオレは死ぬことさえ許されなくなったらしい。
あまりのことに自暴自棄になったオレはいつもならしないようなミスで人間に捕らえられた。
けれど、オレの体に神の呪いの証があったことで人間はオレを処分しようとした。それもそのはずで神の恩恵を受けているこの国の人間が呪われた存在なんて保有したくないだろうから。
ただオレの体に傷はついたが、処分はできなかった。
神の呪いのせいで死ねないのだから。
そのことで、人間は慄きオレをなんとか手放そうとしたとき物好きな人間の貴族がオレを引き取りたいと言っていると聞いた。
その貴族は神の血を引いているらしく、オレの呪いを恐れていないらしいという。年は若いが人魚を好むおかしな性癖がある変態らしいがもうどうでもよかった。
そうして連れて来られた場所で、人にされて今、犯されそうになっている。
「怖くないよ、さぁ、永遠の幸せを教えてあげよう」
狂った瞳で見つめるその顔を間近で見た時、体が震えるのが分かった。それは恐怖からではなく……、
(嘘だ、まさか……)
その美しい青い瞳にもほのかに香った甘い香りにも覚えがあった、けれど……。
「(オレが犯される側なんて)いやだ!!」
そう叫んだが、拒否の声はそのまま甘い口づけにかき消されてしまった。
海辺にはたまに傷だらけの奴がいてオレは小さな頃そいつらを面白半分に助けていた。
その日も偶然、自分と同じ年位のヤツを助けた。そいつは泣きながら、
『どうして助けた、母上の元へいきたかったのに』と暴れた。大半の奴は助けてやると感謝するけどオレの鋭利な牙を見て鮫だって気付いて逃げるのに……、そいつはオレを怖がってないけどすごく抵抗した。
『母上に会えないなら死にたい』
だからこそ、そう言った時に思わずある言葉が口から飛び出す。
『お前、オレの前で自殺とかやめろよな』
その言葉に、なぜかそいつは今までの抵抗をやめてただ涙をこぼした。その姿が愛らしくて思わず慰めるように微笑んでからその体を抱きしめたらとても華奢でドキドキした。
だから恥ずかしくなって、
『なんだよ、泣くなよ』と言ったら、さらに驚いた顔をした後に微笑んだ顔に胸の奧で何かがはじけるような特別な何かを感じた。
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あの匂いと感覚を探した。実は鮫の人魚である俺は視力が悪い。あの日のあいつも恥ずかしくて近くで顔を見れなかったことをずっと悔やんでいた。
ただ、記憶に残る青い瞳とどこか甘い匂いを頼りにある人物がその初恋相手だと確信した。
そいつはこの辺りの海へよくやってくる白い兎の獣人だった。
過去のことがあるからかよくオレに話しかけてきた。
「ねぇ、サメさん。あちら側に僕を連れて行ってくれないかな、つれて行ってくれたらサメさんに僕サービスするよ♡」
好意を持つ相手にそう言われてオレは拒む選択肢なんてなかった。そいつを背に乗せて対岸につれて行く寸前で、背中の上の初恋の相手が言った。
「おバカな鮫さん。僕は恋人に会いに行くために君を利用したんだ。だから君が想像したようなことはしないよ」
その言葉に唖然とした。確かに下心が全くなかったかと言えばウソになるけれど純粋な気持ちを侮辱されたことが許せなくて、思わずそのままそいつを海に引きずり込んで怒りのまま犯そうとした。
けれど、すんでのところで通りかかった兎獣人の恋人の神に邪魔をされて、さらには呪いを掛けられた。
呪いは『もっとも愛する人と結ばれなければ永遠に生き続けないといけない』というものだった。
人魚はそもそもとても一途な種族で、恋が破れたなら泡になるのだが、初恋の相手を奪われてそんな呪いを掛けられたオレは死ぬことさえ許されなくなったらしい。
あまりのことに自暴自棄になったオレはいつもならしないようなミスで人間に捕らえられた。
けれど、オレの体に神の呪いの証があったことで人間はオレを処分しようとした。それもそのはずで神の恩恵を受けているこの国の人間が呪われた存在なんて保有したくないだろうから。
ただオレの体に傷はついたが、処分はできなかった。
神の呪いのせいで死ねないのだから。
そのことで、人間は慄きオレをなんとか手放そうとしたとき物好きな人間の貴族がオレを引き取りたいと言っていると聞いた。
その貴族は神の血を引いているらしく、オレの呪いを恐れていないらしいという。年は若いが人魚を好むおかしな性癖がある変態らしいがもうどうでもよかった。
そうして連れて来られた場所で、人にされて今、犯されそうになっている。
「怖くないよ、さぁ、永遠の幸せを教えてあげよう」
狂った瞳で見つめるその顔を間近で見た時、体が震えるのが分かった。それは恐怖からではなく……、
(嘘だ、まさか……)
その美しい青い瞳にもほのかに香った甘い香りにも覚えがあった、けれど……。
「(オレが犯される側なんて)いやだ!!」
そう叫んだが、拒否の声はそのまま甘い口づけにかき消されてしまった。
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