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32.ヴァンさんとマイキーと河川敷
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そう言って、穏やかに微笑みながら現れたジョージさんが言いました。
ジョージさんからOKがもらえれば問題ありません。マイキーも僕と久々に色々話したかったのでしょう。
そのまま朝食のために食堂へ向かいました。
「……」
しかし、マイキーと入った食堂でまるで親の仇でも見るような目でヴァンさんがマイキーを見ています。ちょっと意味が分かりません。
マイキーは騎士団長の息子なので、同じく軍備の要である辺境伯家の跡取りであるヴァンさんとは面識があるはずです。だとしたら僕が伺い知らないところでふたりは実は仲が悪いとかあるのでしょうか。
今までの首コロリの中でヴァンさんが僕の側にいたことがないのでちょっと分からないです。ただ、ひとつ言えることはふたりが仲が悪いとかはあまり良いことではないということです。
マイキーは僕の推しであり、今後、幸せを願うためにも今まで以上に親しくするでしょう。ヴァンさんは何故か僕を守ってくれるつもりらしいので、今後も側にいるでしょう。
つまり、ふたりは頻繁に今後も接しないといけません。ならば、遺恨は今のうちに晴らすべきです。
「マイキー、ヴァンさんを知ってる??」
「……ヴァンさん??ああ、うーん。あのさ、ルド。あの人は小辺境伯……」
何かをマイキーが言いかけた時、突然物凄い勢いでやってきたヴァンさんが、マイキーの腕を掴みました。
「ちょっと話があるから面を貸せ」
明かに、これはヤンキーが善良な生徒に絡む時の常套句ではありませんか。確かに遺恨は残さないでほしいですが、拳と拳で分かちあって河川敷的なところで両方が倒れてしまうのは頂けません。
心の太陽神も『暑くなければ夏じゃない。熱くなければ人生じゃない!お米食べろ!!」と言っています。早くお米を食べるためにも止めないといけません。
「ヴァンさん、だめです。僕の親友を河川敷に呼び出して拳で語り合ったりして友情を芽生えさせないでください!!」
「何故、俺がこいつと友情を芽生えさせるありえない!!」
何故かとても嫌そうにしているヴァンさんに、やはりふたりには遺恨があるのかもと思いましたがマイキーはちょっと困った顔をしてから、
「とりあえず、小辺境伯殿。先に食事しませんか??折角ルドの家の方々が準備してくれたんで冷めたら勿体ないです」
と言いました。そうです、ナイスですマイキー。僕もお米食べたい、お米はないですが食事がしたかったのです。
「ですよ!!拳で語らうのは一旦食事の後にしてください。あ、でも今日は湖の日なので拳で語り合う場合もちゃんと手加減して湖に行く前には終わらせてくださいね」
「……拳で語らうことはない。ルドルフが言うなら仕方ない。食事の後手短に話す」
「ええ。腹が減ってはなんとやらなんでね。いただきます!!」
それから、マイキーのおかげで僕らはそのまま食事をしました。お腹が空いていたのでとても美味しかったですし、マイキーと色々話せて楽しかったです。
しかし、なんでしょうか、ずっとマイキーがヴァンさんに敬語なのが気になりますが、マイキーは体育会系ですので年上のヴァンさんを敬っているのだと考えることにしました。多分正解でしょう。僕は親友であり推しのマイキーのことなら分かりますので。
それから、食後に宣言通りふたりはなにやら話に出てしまい少しハブられた感じがしてさみしかったですがそこはシューゾーが全力で「にゃーみゅー!!!」とつまり「もっと熱くなれよ!!お米食べろ!!」と慰めてくれたので元気でいられました。後、さすがに空腹ではなかったのでお米はたべたくなりませんでした。
今までの首コロリでは、マイキーが居ないと基本的にぼっちだったのでぼっちにも慣れたと思ってましたが、周りに人がいるという状態に慣れると誰もいないと寂しくなるのかと改めて理解しました。
そんな気付きを得ていると、ふたりが約束通り、湖に行く前に戻ってきました。拳で語らったはずのふたりはお互い無傷だったので安心しました。
「よし、湖に行きましょう!!」
ジョージさんからOKがもらえれば問題ありません。マイキーも僕と久々に色々話したかったのでしょう。
そのまま朝食のために食堂へ向かいました。
「……」
しかし、マイキーと入った食堂でまるで親の仇でも見るような目でヴァンさんがマイキーを見ています。ちょっと意味が分かりません。
マイキーは騎士団長の息子なので、同じく軍備の要である辺境伯家の跡取りであるヴァンさんとは面識があるはずです。だとしたら僕が伺い知らないところでふたりは実は仲が悪いとかあるのでしょうか。
今までの首コロリの中でヴァンさんが僕の側にいたことがないのでちょっと分からないです。ただ、ひとつ言えることはふたりが仲が悪いとかはあまり良いことではないということです。
マイキーは僕の推しであり、今後、幸せを願うためにも今まで以上に親しくするでしょう。ヴァンさんは何故か僕を守ってくれるつもりらしいので、今後も側にいるでしょう。
つまり、ふたりは頻繁に今後も接しないといけません。ならば、遺恨は今のうちに晴らすべきです。
「マイキー、ヴァンさんを知ってる??」
「……ヴァンさん??ああ、うーん。あのさ、ルド。あの人は小辺境伯……」
何かをマイキーが言いかけた時、突然物凄い勢いでやってきたヴァンさんが、マイキーの腕を掴みました。
「ちょっと話があるから面を貸せ」
明かに、これはヤンキーが善良な生徒に絡む時の常套句ではありませんか。確かに遺恨は残さないでほしいですが、拳と拳で分かちあって河川敷的なところで両方が倒れてしまうのは頂けません。
心の太陽神も『暑くなければ夏じゃない。熱くなければ人生じゃない!お米食べろ!!」と言っています。早くお米を食べるためにも止めないといけません。
「ヴァンさん、だめです。僕の親友を河川敷に呼び出して拳で語り合ったりして友情を芽生えさせないでください!!」
「何故、俺がこいつと友情を芽生えさせるありえない!!」
何故かとても嫌そうにしているヴァンさんに、やはりふたりには遺恨があるのかもと思いましたがマイキーはちょっと困った顔をしてから、
「とりあえず、小辺境伯殿。先に食事しませんか??折角ルドの家の方々が準備してくれたんで冷めたら勿体ないです」
と言いました。そうです、ナイスですマイキー。僕もお米食べたい、お米はないですが食事がしたかったのです。
「ですよ!!拳で語らうのは一旦食事の後にしてください。あ、でも今日は湖の日なので拳で語り合う場合もちゃんと手加減して湖に行く前には終わらせてくださいね」
「……拳で語らうことはない。ルドルフが言うなら仕方ない。食事の後手短に話す」
「ええ。腹が減ってはなんとやらなんでね。いただきます!!」
それから、マイキーのおかげで僕らはそのまま食事をしました。お腹が空いていたのでとても美味しかったですし、マイキーと色々話せて楽しかったです。
しかし、なんでしょうか、ずっとマイキーがヴァンさんに敬語なのが気になりますが、マイキーは体育会系ですので年上のヴァンさんを敬っているのだと考えることにしました。多分正解でしょう。僕は親友であり推しのマイキーのことなら分かりますので。
それから、食後に宣言通りふたりはなにやら話に出てしまい少しハブられた感じがしてさみしかったですがそこはシューゾーが全力で「にゃーみゅー!!!」とつまり「もっと熱くなれよ!!お米食べろ!!」と慰めてくれたので元気でいられました。後、さすがに空腹ではなかったのでお米はたべたくなりませんでした。
今までの首コロリでは、マイキーが居ないと基本的にぼっちだったのでぼっちにも慣れたと思ってましたが、周りに人がいるという状態に慣れると誰もいないと寂しくなるのかと改めて理解しました。
そんな気付きを得ていると、ふたりが約束通り、湖に行く前に戻ってきました。拳で語らったはずのふたりはお互い無傷だったので安心しました。
「よし、湖に行きましょう!!」
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