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24.あれだけ避けたのに避けられなかった婚約とマイキーからの誘い
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兄上が家に住みつき、ヴァンさんに切々と語った後も、ストーカーされていた僕の元に、とてもとても嫌なお知らせが来てしまいました。
『ルドルフ・ザグレウス・ベガ公爵令息をイヴァン・アテーナー・アルタイル王太子の婚約者とする』
これを回避するために動いたのに、首コロリが近づいてしまっています。あまりのショックに慟哭する僕に兄上が冷たい目を向けていますし、ヴァンさんは何故かその僕の様子にショックを受けたように柱に反省みたいなポーズで固まっています。両方、何を考えているか分かりません。そんな僕の荒れ狂う魂を慰めてくれるのは、
「みぃー、みぃー!!」
シューゾーがとても心配そうに僕を見つめてその小さな体で必死に慰めてくれています。その姿からまるで『何を言われてもイライラしなーい。お米食べろ!!』という偉大な言葉が聞こえてくる気すらします。やはりシューゾーはその名の通り太陽の神の申し子かもしれません。ここは偉大なる神の言葉を叫ぶしかありません。
「諦めんなよ、お前!! どうしてそこでやめるんだ、そこで!! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメ!お米食べろ!!」
急に、叫んでだせいか、兄上は何故か悲しげにこちらを無言で見てますし、ヴァンさんは可哀そうな子でも見る目でこちらを見ています。トイレの天井に張り付いていたタイプの変態のヴァンさんにそんな目で見られると少しイラっとしましたが、太陽神のお言葉のおかげで僕は元気になりました。
とりあえず、首コロリ回避大作戦第1回は失敗しましたが、この後、なんとか殿下とは円満に婚約解消を目指せばよいのです、ネバーギブアップです。
しかし、その後、僕はかれこれ1週間くらい寝込んでしまいました。その際に、ミゲルから心配する手紙やお見舞いしたいという内容の手紙も着たようですが、何故かすべて兄上が燃やしてました。ちょっと意味が分かりません。
もしかしたら、知らないだけで兄上は『毎日、人に届いた手紙を燃やさないと死ぬ呪い』にでもかかっている可能性がありますが、僕だからまだ許されていますが他の人の手紙を燃やしてはいけないので対話にならないと思いますが、兄上には後ほど注意喚起が必要そうです。
そんな中、珍しく兄上が燃やさずに僕にある手紙を手渡しました。その宛名を見てテンションがあがりました、何故なら、推しであり大親友のマイキーからだったのです。
久々に湖畔にでも遊びに行こうというその連絡に、僕の心は珍しく踊りました。
どれくらいテンションが上がったかというと太陽神風に言うならば『ナイスボレー、修造!お米食べろ!!』って感じくらい良い気持ちです。
この展開は、首コロリ10回全てで発生しています。今回みたいに寝込んでいたことはあまりありませんが、必ず王太子殿下の婚約者になった僕を少しでも元気にしたいと、湖に僕もマイキーも大好きな釣りに出かけるお誘いがくるのです。
「ああ、マイキー。絶対にこれはいかないとです!!」
そう嬉しそうに手紙を見ていると、
「湖に釣りか。ルドルフは体調が悪い。断らないとな」
といつの間にか僕の背後に張り付くようにして手紙を盗み見ていたヴァンさんが言いました。ちなみに僕はベッドで座っている状態で読んでいたのですが、すごく自然にその隣に座ってました。
「何言ってるんですか。マイキーは親友です。絶対行きます」
「だめだ。お前は熱がある。具合が悪い。それなのに湖に行くなんて、危なすぎるだろう??」
「嫌です!!この日までに絶対治していきます。マイキーと釣りしたいです!!」
その僕の姿にヴァンさんの機嫌が何故か割と悪くなりました。湖とか護衛に行くのが面倒なのかもしれません。しかし、不機嫌だったはずのヴァンあんの表情がすこしにんまりしたものに変わったのを僕は確認しました。
とても嫌な予感がします。
「熱を下げたいんだな??それなら……」
『ルドルフ・ザグレウス・ベガ公爵令息をイヴァン・アテーナー・アルタイル王太子の婚約者とする』
これを回避するために動いたのに、首コロリが近づいてしまっています。あまりのショックに慟哭する僕に兄上が冷たい目を向けていますし、ヴァンさんは何故かその僕の様子にショックを受けたように柱に反省みたいなポーズで固まっています。両方、何を考えているか分かりません。そんな僕の荒れ狂う魂を慰めてくれるのは、
「みぃー、みぃー!!」
シューゾーがとても心配そうに僕を見つめてその小さな体で必死に慰めてくれています。その姿からまるで『何を言われてもイライラしなーい。お米食べろ!!』という偉大な言葉が聞こえてくる気すらします。やはりシューゾーはその名の通り太陽の神の申し子かもしれません。ここは偉大なる神の言葉を叫ぶしかありません。
「諦めんなよ、お前!! どうしてそこでやめるんだ、そこで!! もう少し頑張ってみろよ! ダメダメダメ!お米食べろ!!」
急に、叫んでだせいか、兄上は何故か悲しげにこちらを無言で見てますし、ヴァンさんは可哀そうな子でも見る目でこちらを見ています。トイレの天井に張り付いていたタイプの変態のヴァンさんにそんな目で見られると少しイラっとしましたが、太陽神のお言葉のおかげで僕は元気になりました。
とりあえず、首コロリ回避大作戦第1回は失敗しましたが、この後、なんとか殿下とは円満に婚約解消を目指せばよいのです、ネバーギブアップです。
しかし、その後、僕はかれこれ1週間くらい寝込んでしまいました。その際に、ミゲルから心配する手紙やお見舞いしたいという内容の手紙も着たようですが、何故かすべて兄上が燃やしてました。ちょっと意味が分かりません。
もしかしたら、知らないだけで兄上は『毎日、人に届いた手紙を燃やさないと死ぬ呪い』にでもかかっている可能性がありますが、僕だからまだ許されていますが他の人の手紙を燃やしてはいけないので対話にならないと思いますが、兄上には後ほど注意喚起が必要そうです。
そんな中、珍しく兄上が燃やさずに僕にある手紙を手渡しました。その宛名を見てテンションがあがりました、何故なら、推しであり大親友のマイキーからだったのです。
久々に湖畔にでも遊びに行こうというその連絡に、僕の心は珍しく踊りました。
どれくらいテンションが上がったかというと太陽神風に言うならば『ナイスボレー、修造!お米食べろ!!』って感じくらい良い気持ちです。
この展開は、首コロリ10回全てで発生しています。今回みたいに寝込んでいたことはあまりありませんが、必ず王太子殿下の婚約者になった僕を少しでも元気にしたいと、湖に僕もマイキーも大好きな釣りに出かけるお誘いがくるのです。
「ああ、マイキー。絶対にこれはいかないとです!!」
そう嬉しそうに手紙を見ていると、
「湖に釣りか。ルドルフは体調が悪い。断らないとな」
といつの間にか僕の背後に張り付くようにして手紙を盗み見ていたヴァンさんが言いました。ちなみに僕はベッドで座っている状態で読んでいたのですが、すごく自然にその隣に座ってました。
「何言ってるんですか。マイキーは親友です。絶対行きます」
「だめだ。お前は熱がある。具合が悪い。それなのに湖に行くなんて、危なすぎるだろう??」
「嫌です!!この日までに絶対治していきます。マイキーと釣りしたいです!!」
その僕の姿にヴァンさんの機嫌が何故か割と悪くなりました。湖とか護衛に行くのが面倒なのかもしれません。しかし、不機嫌だったはずのヴァンあんの表情がすこしにんまりしたものに変わったのを僕は確認しました。
とても嫌な予感がします。
「熱を下げたいんだな??それなら……」
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