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22.トイレの神様と対話を試みようとしたらヴァンさんが大きい方をしてました

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食事を終えた僕は、シューゾーにもご飯を与えてフカフカの猫様ようの寝床に連れていってから例の神様のいるトイレに行った。

しかし、何故かトイレは使用中だった。このトイレは来客用なので使用人が使うはずはないのだが、そう思っていた時、中から声が聞こえた。

「俺は……」

この自己陶酔しているような声は聞き覚えがあります。間違いなくヴァンさんです。どうやら時間的に大きな方をしながらなにやらうっとりしているみたいです。キレがよかったのかもしれません。

とりあえず、あんまり邪魔はしたくないけれど、ノックをして声を掛けた。

「ヴァンさん、あ、えっと入ってますか??」

「悪い、もう少しだけ待ってくれ」

その言葉にバツが悪そうに答えたヴァンさんに、大の良いところで声をかけられて焦っているのかもと思い追加で続けた。

「あ、大丈夫です。ゆっくりしてください」

いきなり中断するときついだとうという優しさだったのに、いきなり扉が開いてしかも大をして手を洗ってないヴァンさんが僕を抱きしめようとした。

割と僕は首コロリ10回を乗り越えた猛者なので、細かいことは気にしないですが、流石に大きい方をして手を洗わない人にハグされるのは衛生的にありえません。

「トイレから出て手を洗ってない手では絶対触らないでください」

珍しくドスが聞いた低い声が出たのでそれに圧倒されたのか、ヴァンさんはすぐに手を洗いにその場を立ち去りました。

ちょっと、前の人が大きい方をした個室にすぐ入るのは躊躇しましたが、トイレの神様に色々確認したから眠りたかったので意を決して中に入りました。

抗菌魔法か、消〇力を使ったのか、臭いはしなくて助かりました。

僕は再びトイレの神様と交信を試みようとした時です。

「ルドルフ、俺もその、中に入って良いか??」

トイレのドアの前から、ヴァンさんが話しかけてきました。ちょっと意味が分かりません。

「いや、僕はひとりでトイレには入りたい派なので絶対入れませんが??」

先ほども拒否したはずだが、ヴァンさんがまた懲りもせず個室に入りたがってます。色々なことに寛大な僕ですが便器が並んでいるトイレならともかく、個室に男ふたりで入るようなことはしたくありませんし、ここは上野駅13番線ホームトイレではありませんのでナニにハッテンもしません。

「ルドルフ、お前を抱きしめたい、抱きしめて……」

何か色々言ってますが、一旦無視することにしました。そういう状態の人と対話しても正気度が減るだけなことを僕は繰り返しの人生で学んでいます。

(トイレの神様、もし知っていたら教えてください。ミゲルのくれたあの宝石は偽物でしょうか??)

『偽物だ』

その言葉に、悲しい気持ちになりました。今回、僕はミゲルのことを救ったのもあり、彼との拗れた関係を少し良くできたと思っていました。

けれど、結果はやはり彼は生粋のジョバンニのシンパだったようです。

(ならミゲルとは距離を置いた方がよいですね。どうして彼は僕を裏切ったのでしょうか)

そんなことを神様に聞いても、意味がないのは分かっていた。それでも僕の中の太陽神が『いま ここ 修造。お米食べろ!!』と心強いお言葉を告げてくれているので、僕は人の綺麗な心を信じたかった。

『ミゲルは裏切っていない。しかし、距離はおくべきだ』

(それは……もしかして……)

神様の言葉に、ミゲルが自らの意思で、ジョバンニの言うことを聞いたのではないという可能性に気付いた。そして、もしかしたらジョバンニによってミゲルも利用されている可能性も出てきたかもしれない。

『俺が言えるのは、ミゲルは裏切ってないが、信じてはいけないということだ。そしてもうひとつ……』

トイレの神様が、何かを伝えようとした時あり得ないことが起こりました。

カチリ

しまっていたはずの個室の扉の鍵が開いたです。あまりのことにびっくりして僕は咄嗟鍵を閉め直しました。

カチリ

結果ふたたび鍵がかかり結果的にトイレは開きませんでしたが、これはヴァンさんやりすぎです。

「ヴァンさん、勝手にトイレの鍵をあげるのはやめてください」

「ん?俺は鍵などあけようとしていないが……」
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