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08.波乱のお茶会と現れたイヴァン殿下への違和感と
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「カメリアは、優美でありながら気取らない花。この花をイヴァン殿下が贈られたのですから、そういう意味として僭越ながら僕を捉えて下さっていると認識しております」
そう言って、天使のように微笑んでいるジョバンニ。普通なら思わず見惚れてしまうかもしれません。実際取り巻きはうっとりしています。
けれど僕は知っています。ジョバンニは天使のように振舞うけど正体はクリオネであると。
流氷の天使と呼ばれるクリオネですが、その食事の姿は魔王というか、なんというか。物凄く怖いんです。それに似てます。天使のような顔で粛々と獲物の弱点を狙う、そういうタイプであることは、伊達に首コロリ10回以上の戦士である僕は知ってます。
「なるほど。そう捉えているのですか。けれど、果たして王国の光であるイヴァン殿下が、首がコロリと落ちる縁起の悪い花をこの大切な日につけて欲しいと贈られるのでしょうかね」
(ひぃいいいいいい)
なんだかヴァンさんが首コロリは発言した瞬間、寒気がしました。
そして、全く知りませんでしたが、カメリアって僕と同じ首コロリフレンズな花だったのですね。
そんなフレンズは後、某菓子パンヒーロー以外はいなそうですが、いや、あんまりいっぱいでも世界が首だらけになるので困るんですが。
だとしたら確かにジョバンニにはカメリアは似合いませんね。むしろ僕の方が首コロリの回数的にも相応しい花かもしれません。
「それは僕が嘘をついているとおっしゃりたいのですか??」
笑顔だが獰猛な表情が見えるような顔をしているジョバンニ。
ヴァンさんは、そんな恐ろしいジョバンニにも怯む様子がありません。僕も何かしたい気はしてますが、今の応酬の内容が全く分からない分野なので、変に口を出すと「ネバーギブアップ!!お米食べろ!!」位しか言えないかもしれず一旦見守っています。
「嘘というより、その花は王家の血筋のもので王としても教育をされているイヴァン殿下の贈り物としてはありえないと言ったのです」
「つまり、小辺境伯様は、イヴァン殿下の真心を愚弄するのですか??それは不敬罪ではありませんか」
まずいです。不敬罪でました。いままでなんか僕が失言するとマウントジョバンニにドヤ顔で「不敬罪ではありませんか」ってすごく言われました。
けれど僕も首コロリしてきて学んでます。だからヴァンさんがこのまま不敬罪とか言われないように応戦しなければいけません。
「不敬罪かを決めるのはイヴァン殿下ですよ。ジョバンニ様が決めることではないはずです」
決まった!!と心の中でガッツポーズしてみました。
ちなみにこの発言は確か8回目の首コロリの世界で、よくわからないけど不敬罪、不敬罪うるさいジョバンニに「不敬罪という方が不敬罪なんです!!」とついキレてしまった際にそれはもうマウントジョバンニのドヤ顔コンボで言われた言葉をそのまま返してみました。
内心で、自分が言ったことを(ただしジョバンニは覚えてません)言われて今どんな気持ち??くらいのテンションでしたが、ジョバンニのロックオンが僕に移ってしまったようです。
「ふふふ、確かにそうですね。けれどもし僕の言葉が正しかった場合は、それ相応の対応をとらせて頂きますから」
物凄い自信です、マウントジョバンニらしいです。しかし、確かに僕は贈り物をイヴァン殿下が贈られたか否かを知りません。
まずいことしたかもしれないと少し後悔した時でした。
「何の騒ぎだ」
このタイミングで、今一番この場に来てほしくなかった人第1位。僕の首コロリをした回数堂々第1位(ジョバンニも同一1位ですが……)のイヴァン殿下が現れてしまいました。
凛としたその顔や表情を見て、震えるかと思ったのですが何故か思ったより怖く感じません。
また、首コロリ10回以上恋して焦がれた人のはずなのですがなんだか違和感を感じます。今回は好きにならないとは決めてますが、それでもおかしく思うくらいに全く胸が鳴りません。個人的には良いことですが不思議です。
さっきのジョバンニの花もそうですが、今回は少し今までと違う予感があります。
「……イヴァン殿下、丁度良いところにいらして下さいました。ジョバンニ様が胸に挿しているカメリア、その花はイヴァン殿下が贈られたものでしょうか??」
「イヴァン殿下、僕にこの花を贈ってくださいましたよね。殿下からのお手紙も一緒に頂いて感動いたしました」
そう言って、イヴァン殿下にジョバンニがしなだれかかろうとしました。可愛い系綺麗なジョバンニを寵愛していたイヴァン殿下。
つまりジョバンニのこと絶対好きなはずなのです。
なのでそのままその手を取るものだとばかり思いましたが……。
「申し訳ないが、そのような縁起の悪い花を俺は贈った覚えはない。そして、俺は平等に候補を見ている。だからひとりにだけ贈り物をすることは絶対にありえない」
ジョバンニに向けるとは思えない、それはとても冷たい言葉でした。イヴァン殿下どうしてしまったのでしょうか……。
そう言って、天使のように微笑んでいるジョバンニ。普通なら思わず見惚れてしまうかもしれません。実際取り巻きはうっとりしています。
けれど僕は知っています。ジョバンニは天使のように振舞うけど正体はクリオネであると。
流氷の天使と呼ばれるクリオネですが、その食事の姿は魔王というか、なんというか。物凄く怖いんです。それに似てます。天使のような顔で粛々と獲物の弱点を狙う、そういうタイプであることは、伊達に首コロリ10回以上の戦士である僕は知ってます。
「なるほど。そう捉えているのですか。けれど、果たして王国の光であるイヴァン殿下が、首がコロリと落ちる縁起の悪い花をこの大切な日につけて欲しいと贈られるのでしょうかね」
(ひぃいいいいいい)
なんだかヴァンさんが首コロリは発言した瞬間、寒気がしました。
そして、全く知りませんでしたが、カメリアって僕と同じ首コロリフレンズな花だったのですね。
そんなフレンズは後、某菓子パンヒーロー以外はいなそうですが、いや、あんまりいっぱいでも世界が首だらけになるので困るんですが。
だとしたら確かにジョバンニにはカメリアは似合いませんね。むしろ僕の方が首コロリの回数的にも相応しい花かもしれません。
「それは僕が嘘をついているとおっしゃりたいのですか??」
笑顔だが獰猛な表情が見えるような顔をしているジョバンニ。
ヴァンさんは、そんな恐ろしいジョバンニにも怯む様子がありません。僕も何かしたい気はしてますが、今の応酬の内容が全く分からない分野なので、変に口を出すと「ネバーギブアップ!!お米食べろ!!」位しか言えないかもしれず一旦見守っています。
「嘘というより、その花は王家の血筋のもので王としても教育をされているイヴァン殿下の贈り物としてはありえないと言ったのです」
「つまり、小辺境伯様は、イヴァン殿下の真心を愚弄するのですか??それは不敬罪ではありませんか」
まずいです。不敬罪でました。いままでなんか僕が失言するとマウントジョバンニにドヤ顔で「不敬罪ではありませんか」ってすごく言われました。
けれど僕も首コロリしてきて学んでます。だからヴァンさんがこのまま不敬罪とか言われないように応戦しなければいけません。
「不敬罪かを決めるのはイヴァン殿下ですよ。ジョバンニ様が決めることではないはずです」
決まった!!と心の中でガッツポーズしてみました。
ちなみにこの発言は確か8回目の首コロリの世界で、よくわからないけど不敬罪、不敬罪うるさいジョバンニに「不敬罪という方が不敬罪なんです!!」とついキレてしまった際にそれはもうマウントジョバンニのドヤ顔コンボで言われた言葉をそのまま返してみました。
内心で、自分が言ったことを(ただしジョバンニは覚えてません)言われて今どんな気持ち??くらいのテンションでしたが、ジョバンニのロックオンが僕に移ってしまったようです。
「ふふふ、確かにそうですね。けれどもし僕の言葉が正しかった場合は、それ相応の対応をとらせて頂きますから」
物凄い自信です、マウントジョバンニらしいです。しかし、確かに僕は贈り物をイヴァン殿下が贈られたか否かを知りません。
まずいことしたかもしれないと少し後悔した時でした。
「何の騒ぎだ」
このタイミングで、今一番この場に来てほしくなかった人第1位。僕の首コロリをした回数堂々第1位(ジョバンニも同一1位ですが……)のイヴァン殿下が現れてしまいました。
凛としたその顔や表情を見て、震えるかと思ったのですが何故か思ったより怖く感じません。
また、首コロリ10回以上恋して焦がれた人のはずなのですがなんだか違和感を感じます。今回は好きにならないとは決めてますが、それでもおかしく思うくらいに全く胸が鳴りません。個人的には良いことですが不思議です。
さっきのジョバンニの花もそうですが、今回は少し今までと違う予感があります。
「……イヴァン殿下、丁度良いところにいらして下さいました。ジョバンニ様が胸に挿しているカメリア、その花はイヴァン殿下が贈られたものでしょうか??」
「イヴァン殿下、僕にこの花を贈ってくださいましたよね。殿下からのお手紙も一緒に頂いて感動いたしました」
そう言って、イヴァン殿下にジョバンニがしなだれかかろうとしました。可愛い系綺麗なジョバンニを寵愛していたイヴァン殿下。
つまりジョバンニのこと絶対好きなはずなのです。
なのでそのままその手を取るものだとばかり思いましたが……。
「申し訳ないが、そのような縁起の悪い花を俺は贈った覚えはない。そして、俺は平等に候補を見ている。だからひとりにだけ贈り物をすることは絶対にありえない」
ジョバンニに向けるとは思えない、それはとても冷たい言葉でした。イヴァン殿下どうしてしまったのでしょうか……。
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