嫌われ王子は壊れた愛を受けて花ひらく

ひよこ麺

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36.お仕置き……※(レフ視点)

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「殿下……」

体の下に組み敷いたその体を隅々まで見つめる。赤く熟れたふたつの果実も、太腿に執拗についている花びらのような痣も、今はまだ固く閉ざされているがもう何度となく俺自身により割開かれた双丘も、全てが俺だけのもので、誰にももう渡すつもりはない。

(やっと、やっと、あの邪魔な男との婚約もなくなった)

ほんの少しの差で奪われてしまった婚約者という立場。それがあればもっと早くから殿下を側で守れた。それにもっと色々な体験を殿下にさせてあげながらふたりで成長することだってできた。

(過去ばかり振り返っても意味はない、その代わりこれからはずっと……)

「レフ……」

俺のことを上目遣いで睨んでいる殿下のロイヤルブルーサファイアのような高貴な瞳。その高貴な全てを飲み込んでしまいたい。

「……やめろ、本当に今日は……」

あの手紙の男と会うために殿下は俺から逃げようとしている。そう思うと手加減などできるはずもない。

「殿下、殿下はやめろといいますが、殿下のココは俺にお仕置きをされたがっているようだ」

そう言って、赤く熟れた乳首を口に含む。

「ひあっ……やめっ……」

俺の頭を必死に剥がそうとしているが、快感に蕩け始めている殿下の力は強くないので引き剥がすことができないでいる。

「だめっ……あっ……!!」

愛らしいそれを舌でわざと優しく転がせば、抵抗は形だけに代わる。殿下は少し痛いくらいの行為を好むことを俺は知っている。だけど、これはお仕置きなのでわざと弱い刺激を与えてもどかしい気持ちを味わわせる。

「うっ……レフ……っ」

泣きそうな紅潮した顔が、少しずつぼんやりとしていく眼差しが情欲に負けようとしていることを告げている。それでもまだ足りない。

「殿下、物欲しそうな眼をしていますがこれでは刺激が足りませんか??」

「ちがぅ……ちっ……あっ!!」

「足りませんよね??もっと強い刺激が欲しいはずだ。爪で摘ままれて引っかかれたり、舌で転がしながら引っ張ったり……ああ、それよりも噛まれる方がお好きでしたね」

その耳元で甘く囁くと殿下の顔が真っ赤になるのが分かる。そして、まだ来ているバスローブの股間のあたりが濡れたのが分かった。

「俺の言葉を想像しただけでイッたのですか??」

「ちがう!!そんなの……」

否定する殿下の濡れた股間に手を滑り込ませて、幼いピンク色のペニスの先端はすでに濡れているそれに指を絡ませる。

「嘘だ、こんなに濡れている。ねぇ、殿下。殿下が素直になれば俺はいくらでも殿下が望むものを差し上げますよ」

まるで悪魔にでもなったように、ペニスをゆるゆると撫でながら言うと、こちらを甘えた双眸が見つめ返す。

「僕の体が……おかしい」

泣き出しそうにそう言った声は、無意識だろうが雄の本能を煽る甘さを孕んでいた。

(ああ、殿下貴方はこうして無意識に雄の本能を刺激してしまうんだろう……)

「おかしくありませんよ。いえ、殿下が望むならそれをおかしいというもの全てを俺が殺してあげますから」

「狂ってる……」

涙をこぼしながら、そう言った殿下にニコリと俺は微笑み返す。

「ええ、俺はもう随分貴方に、貴方だけに狂っています、だから……」

俺は荒い息を吐きながら、既に勃起してしまった下半身を揺らして少しでも快楽を得ようとしている殿下に優しくキスを落とす。

いつもの呼吸を奪うようなものでなく、優しく舌を吸い上げてからめるだけの口づけ。殿下の細い顎から唾液がしたたり落ちたのを合図に唇を離してその髪を撫でる。

「貴方も俺に狂ってほしい。殿下、どうしてほしいのか言葉にしてください」

優しくしながら突き放す発言をすると、安心していた殿下の顔が困惑に変わるのが分かった。いままでならそのまま殿下の望むものを与えていたけれど、今日はお仕置きなのでそれは殿下自体にお願いされるまで与えるつもりはない。

「……わからない」

やっと紡いだ言葉に思わず口角が上がる。俺が沢山教えてきても今だに初めての時のように初心なその言葉が酷く興奮させたのだ。

「ならば、俺がどういえばいいか教えてさしあげます」

そう言ってその耳に唇をくっつけて吐息交じりに卑猥な懇願の言葉を吹き込む。途端に真っ赤になる顔。しかし、殿下の唇が震えながらその言葉を呟く。

「……僕のナカに、レフの昂ぶりを挿れてほしい」

「それだけですか??」

「そうして……ナカを乱暴に掻きまぜて……」

「まだ言葉が足りませんよ」

最後の言葉を言えずにモジモジしている殿下のペニスを意地悪く扱けば、ギリギリで残っていた殿下の理性が完全に消えた。

「僕の子宮をレフので孕ませて……たくさんちょうだぃっ……あっ!!」

「よくできました」

その言葉と共に一気にそのナカを貫く。深く貫いたことで最奥の入り口もこじ開ける。

「あっ……あっああ!!」

待ち望んだ快感にふるえる殿下の細い白い腰を押さえて何度も何度も自身の昂ぶりを叩きつける。

(殿下は、俺だけのものだ、俺だけの……誰もふたりの間に入れたりしない。例えそれが神であったとしても……)

そう願いながら、俺は執拗に殿下の胎内に俺を叩きつけてそして俺の先走りの精を何度も塗りたくる様にこすりつけた。

「俺は殿下のものです……そして殿下も俺だけのものだ!!」

咆哮を上げるように叫んで最奥を貫いてドクドクと熱い精を流し込む頃には殿下は意味のない言葉を繰り返すだけで意識を完全に手放しているのが分かった。

そうなってやっと俺は殿下から自身を引き抜いた。

コプっと音を立てて、殿下のナカから白濁が漏れているのが見えた。それが愛おしくてたまらない。本当ならそのままにしておきたいがそんなことをして殿下の体調を崩させるわけにはいかないので、そのまま意識のない殿下を抱きかかえて浴室へ行くことにする。

(その前に……)

美しいその銀糸の髪にそっとキスをして呟く。

「貴方を愛しています」

殿下に聞こえない愛の告白。いつか『成人の儀』が終わった日には殿下にしっかりと告げるとこっそりと誓ったがしっかりと殿下にその言葉を告げなかったことを後悔することになるなど、この時の俺は知る由もなかった。
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