上 下
14 / 73

14.馬車中にて(レフ視点)※注意書き有り

しおりを挟む
※注意:シリアスなお話の中でカッコイイままのレフでいて欲しい方にはオススメできない内容となっておりますので14を飛ばして、次に追加する15をお読みください。また行為はないですがなんか色々エロいのでご注意ください。

****************************

馬車に乗ってからの殿下はとても楽しそうに、夕日を眺めている。その横顔は今まで見たことがないくらい幸せそうで、真後ろから息がかかるくらい側で見ていても飽きない。そもそも殿下の体からは驚くほど良い匂いがいつもする。

本当に居るだけで尊い存在とは殿下を指す言葉に違いない。

むしろもっと近づいて嬉しそうな可愛い殿下の細胞のひとつひとつまで愛でて観察したい、お膝の上の殿下が可愛すぎて許されるなら今すぐに犯してしまいたい。

不埒なことを考えながら、殿下のために抑えたホテルのことを考えていた。

もちろん、記念すべき殿下との初お泊りイベントなので最上階のワンフロア全て貸し切りのスイートルームを押さえている。食事も食が細い殿下が好むような料理が出るように手配済みだ。

(ああ、愛しい殿下とふたりっきりというのはなんて幸せなのだろう……)

今晩はまだ挑戦できていない結腸からゆっくりと扉を開いて奥の奧まで殿下と繋がりたい。

俺自身が大きいので奧まで入れたら愛おしい殿下の臍の下くらいまでは挿入できそうだなと考えてうっかり殿下の下腹部付近を撫でる。

(ここまで挿れてたくさん種を植え付けて、満たして、叩きつけて……)

そこまで考えて、殿下を前に抱きしめて居るのにうっかり勃起しているという失態に気付いた。

「レフ……」

物凄く困った顔で俺の方を振り返るその姿が、あまりに可愛くて冷静さが爆ぜてしまった。

「どうされましたか??そんなに物欲しそうな顔をして」

まずい、ついすべてを素直に口に出してしまった。案の定、恥ずかしがり屋で無垢な殿下が軽蔑したような眼差しでこちらを見ている。その王者らしい風格の中にある幼さと儚い美しさがたまらない。

幼い頃からずっと殿下を愛しているがその全てが堪らない。思わず吐き出す息が熱く荒くなる。それを察したのか突き放すように、

「……僕はこんなところではしたくない」

ともっともなことを言われる。

もちろん、許可なしで殿下を犯したりはしない、だからこそ何としても色々脳内で自己完結して抑えなければ。

しかし、殿下は全てが魅力的すぎる。

「わかっております。殿下は気高い方だ。こんなところで護衛に犯されるなど耐え切れないことは分かっております」

口ではそう答えながら、先ほど妄想した内容がこびりついてしまってずっと殿下の愛おしいナカを想像して下腹部を撫でまわす手が止まらない。

(ああ、このナカを俺で満たしたい、出したら後もたくさん中で拡げて塗りたくってマーキングして……)

そんなことを考えているうちにうっかり願望が再び口からもれた。

「……殿下、俺のを奧まで入れたら大体この辺りまで挿入できます。今度試させてください」

その言葉に、俺が奧まで挿れるのを想像したのか真っ赤になる殿下。本当にこんなに無垢で愛らしい俺の殿下が可愛すぎる。

「……嫌だと言ってもお前はどうせするだろう??」

拗ねるような口調だったが、拒絶しないでそんなことを言われてしまうととてもまずい。色々我慢が効かなくなる。

「殿下は本当に、俺を煽るのがお上手だ」

このまま、キスをして押し倒せば……。

「僕はそんなつもりはない」

キッパリ断られて見ないようにされてしまった。仕方ない、俺は何があってもも殿下の意に反することだけはしない。

そうでなくても、殿下は今まで全てを奪われてきたのだ。

本来であれば、優秀な殿下は両親に愛されて慈しまれて幸福に暮らし、いつか王位を継承できたかもしれない。

しかし、全てをあいつらは壊した。

父から殿下の事情を聞いて護衛として初めてお会いした時の殿下の姿を覚えている。

全てから自身を守るように髪も服も全てきっちり揃えられて一寸の隙もない姿。

その姿を見た時に俺は一目で殿下に恋をした。

それと同時に誰にも隙を作ることを許されなかった殿下を守りたいと思った。そのためならどんなに邪悪な存在にもなれるるとも。

辺境伯は昔からどこの貴族より国王陛下に忠誠を誓う者が多いし、この国で唯一の武力は『暗黒の森』の魔物と戦う辺境伯領の騎士しかない。近衛騎士はお飾りに過ぎないし、何かと戦った記録すらない。

さらに、辺境伯一族のみ生まれる黒髪は実は王族と同じく竜の血を引いているからだ。

王家は白竜、辺境伯一族は黒竜の血を引いている。

しかし、それは隠匿され続けている。

理由はシンプルに王家の象徴である竜の血を明かせば、最悪国が二分してしまうためだ。

だからこそ、辺境伯一族は貴族の中でも王族の血が混ざっている公爵と同等とされてきたのだから。

(しかし、俺の最愛のためなら国がどうなろうが最早関係ない、あいつらから全て根こそぎ奪おう)

馬車の車窓をキラキラした目で眺める幼い殿下を抱きしめながら、酷薄な笑みが浮かんだ。
しおりを挟む
感想 45

あなたにおすすめの小説

【完結】別れ……ますよね?

325号室の住人
BL
☆全3話、完結済 僕の恋人は、テレビドラマに数多く出演する俳優を生業としている。 ある朝、テレビから流れてきたニュースに、僕は恋人との別れを決意した。

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

平凡なSubの俺はスパダリDomに愛されて幸せです

おもち
BL
スパダリDom(いつもの)× 平凡Sub(いつもの) BDSM要素はほぼ無し。 甘やかすのが好きなDomが好きなので、安定にイチャイチャ溺愛しています。 順次スケベパートも追加していきます

ヤンデレBL作品集

みるきぃ
BL
主にヤンデレ攻めを中心としたBL作品集となっています。

ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました

ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。 「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」 ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m ・洸sideも投稿させて頂く予定です

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

俺以外美形なバンドメンバー、なぜか全員俺のことが好き

toki
BL
美形揃いのバンドメンバーの中で唯一平凡な主人公・神崎。しかし突然メンバー全員から告白されてしまった! ※美形×平凡、総受けものです。激重美形バンドマン3人に平凡くんが愛されまくるお話。 pixiv/ムーンライトノベルズでも同タイトルで投稿しています。 もしよろしければ感想などいただけましたら大変励みになります✿ 感想(匿名)➡ https://odaibako.net/u/toki_doki_ Twitter➡ https://twitter.com/toki_doki109 素敵な表紙お借りしました! https://www.pixiv.net/artworks/100148872

処理中です...