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18.辺境伯領の美しい景色と大叔父様

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※王太子視点の少し前、辺境伯領にフアナ達が到着したところです。

あの後、アインハルトのテレポートで一瞬で、ついた辺境伯領は驚くほど発展していた。その発展具合はこの国で一番の都市と呼ばれている王都よりももしかしたら上かもしれないとすら思えた。

「これが辺境伯領だと??アウストリア公爵はもちろん、アウストリア公爵よりも発展しているじゃないか!!」

それはカールも同じようで驚いていた。その姿に違和感を感じた。フアナは王妃教育のせいで王城に居たので辺境伯領に来たことがないのは違和感がないがカールも辺境伯領に来たことがないということに違和感を感じた。

フアナの記憶では、ガルシア辺境伯家は父であるアウストリア公爵の母の弟、つまり私達からみると祖母の弟にあたる人物だ。

そこまで遠い親戚だと会わないということも日本人だったらよくあることだが、この国の貴族であれば血のつながりがある貴族であれば必ず顔を合わせているはずだ。

アウストリア公爵家は一応公爵家であるのだから、その親類縁者で話し合うことは定期的に行われてきたはずなのだ。そして小公爵であるカールだって参加しているはずだ。

(妙ね……)

私の中の野生の勘がペロっ、青酸カ〇並みにひらめいている。

「お兄様は、大叔父様にお会いしたことはないのですか??」

「ああ、その……父上が何故か大叔父様が参加する予定のある会合には俺を連れて行かなかったんだ」

カールもその異常さに今更気付いたようで、黙り込む。その私達の様子を見ていたアインハルトが苦々しいといでもいうような顔で答えた。

「それはそうだろう……少しあの人には問題があるからね。まぁ、会えば分かるよ」

物凄く含みのある言葉に怯えているカールとは裏腹に私の中では、よりワクワクしてきていた。

テレポートしたのはどうやら辺境伯の屋敷がある街の入り口だったらしいが、そこには1台の豪奢な馬車がすでに待っていたので、私達の到着に気付いた御者に案内されてそのまま、屋敷に向かった。

賑やかでハッテン、もとい発展した街に住む人々は穏やかで満ち足りているように見えた。それは、一部の特権階級以外はどこか疲れているような王都よりよほど健全に見えた。

そして、フアナの記憶でも一番乗り心地の良い馬車に揺られながら着いた屋敷は割と遠くからも見えていて、まさかあれなのか??レベルの大きさを持った屋敷だった。

ガルシア辺境伯家はそもそも、王家とも隣の帝国とも親類の家系であり、さらには一時期は公国として独立していた時期もあるとされている。

ただ、何代か前の辺境伯が何らかの条件で王国に編入することを許したため現在の状態となっているとされているが詳細は我々も知らない。

屋敷は、この国の王城とは全く違う建設様式だったが立派で到着してそれを真正面から見た時は驚いた。前世な知識ではまるでタージマハルみたいな雰囲気が近いかもしれない。

そんなことを考えて馬車から下りようとしたとき、誰かが私の手を取りエスコートしようとしてくれていることに気付いた。

私だと、そのまま空中3回転後に着地とかしそうだったがフアナがそれを押さえて、その人物の手を取る。

その人物は、銀髪に青い瞳をした長身のイケメンで年齢的には20代後半くらいに見えた。その瞳が物凄く慈愛に満ちているのが不思議だが悪い人ではなさそうだ。

(この人誰だろう??)

顔立ちもまるで美しい彫像のように完璧に整ったその顔に見覚えはない。それはカールも同じようで、先に外に居たがふたりして不思議に思っていると、アインハルトが呆れたように言った。

「ガルシア辺境伯様、いくらおふたりが可愛いと思ったからって突然混ざるのはびっくりするからやめてくださいね」

その言葉に美しい人はそれはそれは甘ったるい笑顔を浮かべる。

「ああ、すまない。つい可愛い子達を見たら耐え切れなくて、初めまして、僕の名前はアルフォンソ・アルテミス・ガルシア、この地を治める辺境伯をしている、君達の大叔父だ」
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