11 / 38
10.熱い心のメイドとの迎合といきなりの急展開
しおりを挟む
あの後、一触即発になるとおもったけれど以外にも兄のカールがうまく収めたので特になにも起きず私はそのまま部屋まで戻ることになった。
そして、昨日、例の証言をしてくれたランドリーメイドが部屋に戻ると待っていた。彼女はアンという名前で貴族の落胤の平民だと教えてくれた。貴族の屋敷で働いているのは、自身の父親を捜してからだそうだ。
アンは中々にハングリー精神が旺盛で私とはとても相性が良かった。
エミリーがあのような状態になってしまったので、代わりのメイドが必要だったが結局、私のメイドに新しくなるものが何故かいないらしく一旦アンが引き受けたのだと教えてくれた。
「私は、ちゃんとしたメイドの経験はないですが一所懸命お嬢様に尽くします。一つの所に命を懸けます!!」
そう熱く語る姿はどこか太陽の化身を思わせるような明るさがあったので、そんな彼女に私も闘魂を注入すべく、
「馬鹿になれとことん馬鹿になれ恥をかけ。とことん恥をかけ」と私の神の言葉を語ると、真剣に彼女は聞いてなんなら涙を流してその場にひれ伏した。
「お嬢様、どうか私に気合を入れてください」
「わかったわ、では……」
とアンに気合を入れようとした時、無遠慮に部屋の扉が開いてそこにはこの家の家令リチャードが立っていた。
「家令様、いくら家令様でもノックもなくお嬢様の部屋に入るなんて、流石に失礼ではないでしょうか??」
私の前に仁王立ちしたアンにリチャードは舌打ちをしてから、私の方を生気のない目で見るが、そのまま何も言わずただ無言でこちらを見つめている。
「……何かよう??」
「……公爵様が、何者かに襲われて意識不明に……」
想像とは全く違う言葉に、私は驚いたがすぐに冷静に考える。
「犯人は捕まった??」
「……いえ。昨晩、私が最後にお会いした後に何者かに襲われたのです」
その言葉に私を通り魔のように襲おうとしたエミリーを思い出すが、それを察したのかリチャードはさらに続けた。
「犯人はエミリーではありません。その時間彼女どこかへ外出していたことは門番が確認していました。今犯人は総力を挙げて探しておりますが、現状公爵様が不在という状況ですので、アウストリア公爵家のことは奥様が判断される形になります」
「……そう、だから私のメイドはアンひとりなのね。ならば、直接抗議するより仕方ないわね」
正直、自分の世話は自分で見れるが、アンにワンオペという根性論で働かせるのが嫌だった。私は、根性は好きだが根性論は大嫌いなのだ。
「……お嬢様、今話した通り主は今、奥様です。奥様に逆らうのは……」
リチャードの言葉を聞いても私の心が変わることは当然ない。大体、今のままでは公爵令嬢としての価値や、やれることを生かせないままタイムリミットを迎えてしまう気がしたからだ。
「大丈夫、人間の急所のひとつである鼻あたりを殴れば誰だって仕留められる」
「いくら気に入らないとはいえ暴力を振るうのは頂けない」
世の心理を話し中に、部屋の中へなぜかカールもやってきた。
「……お兄様」
あまり役に立たないだろう兄の登場に特に何か感じるところはない。私はそれを無視して部屋を出ようとしたが、カールが突然腕を掴んだ。
フン!!
私は本能的にいきなり襲われたら相手を投げ飛ばしてしまうため、勢いよくカールを投げた。いきなりの出来事だったが一応騎士として鍛えているカールは受け身をとり気絶は免れてしまったらしい。
「……フアナ、あーっ。あのな、俺はお前を不利にしたい訳じゃない。むしろ今この家に居ることが危険だから、王城に戻るのが良いかと思ったんだが……」
「……王城ね」
カールの言葉にフアナが受けていた王妃教育が蘇ってきた。
そして、昨日、例の証言をしてくれたランドリーメイドが部屋に戻ると待っていた。彼女はアンという名前で貴族の落胤の平民だと教えてくれた。貴族の屋敷で働いているのは、自身の父親を捜してからだそうだ。
アンは中々にハングリー精神が旺盛で私とはとても相性が良かった。
エミリーがあのような状態になってしまったので、代わりのメイドが必要だったが結局、私のメイドに新しくなるものが何故かいないらしく一旦アンが引き受けたのだと教えてくれた。
「私は、ちゃんとしたメイドの経験はないですが一所懸命お嬢様に尽くします。一つの所に命を懸けます!!」
そう熱く語る姿はどこか太陽の化身を思わせるような明るさがあったので、そんな彼女に私も闘魂を注入すべく、
「馬鹿になれとことん馬鹿になれ恥をかけ。とことん恥をかけ」と私の神の言葉を語ると、真剣に彼女は聞いてなんなら涙を流してその場にひれ伏した。
「お嬢様、どうか私に気合を入れてください」
「わかったわ、では……」
とアンに気合を入れようとした時、無遠慮に部屋の扉が開いてそこにはこの家の家令リチャードが立っていた。
「家令様、いくら家令様でもノックもなくお嬢様の部屋に入るなんて、流石に失礼ではないでしょうか??」
私の前に仁王立ちしたアンにリチャードは舌打ちをしてから、私の方を生気のない目で見るが、そのまま何も言わずただ無言でこちらを見つめている。
「……何かよう??」
「……公爵様が、何者かに襲われて意識不明に……」
想像とは全く違う言葉に、私は驚いたがすぐに冷静に考える。
「犯人は捕まった??」
「……いえ。昨晩、私が最後にお会いした後に何者かに襲われたのです」
その言葉に私を通り魔のように襲おうとしたエミリーを思い出すが、それを察したのかリチャードはさらに続けた。
「犯人はエミリーではありません。その時間彼女どこかへ外出していたことは門番が確認していました。今犯人は総力を挙げて探しておりますが、現状公爵様が不在という状況ですので、アウストリア公爵家のことは奥様が判断される形になります」
「……そう、だから私のメイドはアンひとりなのね。ならば、直接抗議するより仕方ないわね」
正直、自分の世話は自分で見れるが、アンにワンオペという根性論で働かせるのが嫌だった。私は、根性は好きだが根性論は大嫌いなのだ。
「……お嬢様、今話した通り主は今、奥様です。奥様に逆らうのは……」
リチャードの言葉を聞いても私の心が変わることは当然ない。大体、今のままでは公爵令嬢としての価値や、やれることを生かせないままタイムリミットを迎えてしまう気がしたからだ。
「大丈夫、人間の急所のひとつである鼻あたりを殴れば誰だって仕留められる」
「いくら気に入らないとはいえ暴力を振るうのは頂けない」
世の心理を話し中に、部屋の中へなぜかカールもやってきた。
「……お兄様」
あまり役に立たないだろう兄の登場に特に何か感じるところはない。私はそれを無視して部屋を出ようとしたが、カールが突然腕を掴んだ。
フン!!
私は本能的にいきなり襲われたら相手を投げ飛ばしてしまうため、勢いよくカールを投げた。いきなりの出来事だったが一応騎士として鍛えているカールは受け身をとり気絶は免れてしまったらしい。
「……フアナ、あーっ。あのな、俺はお前を不利にしたい訳じゃない。むしろ今この家に居ることが危険だから、王城に戻るのが良いかと思ったんだが……」
「……王城ね」
カールの言葉にフアナが受けていた王妃教育が蘇ってきた。
18
お気に入りに追加
1,138
あなたにおすすめの小説

あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます

元婚約者は戻らない
基本二度寝
恋愛
侯爵家の子息カルバンは実行した。
人前で伯爵令嬢ナユリーナに、婚約破棄を告げてやった。
カルバンから破棄した婚約は、ナユリーナに瑕疵がつく。
そうなれば、彼女はもうまともな縁談は望めない。
見目は良いが気の強いナユリーナ。
彼女を愛人として拾ってやれば、カルバンに感謝して大人しい女になるはずだと考えた。
二話完結+余談
婚約破棄?王子様の婚約者は私ではなく檻の中にいますよ?
荷居人(にいと)
恋愛
「貴様とは婚約破棄だ!」
そうかっこつけ王子に言われたのは私でした。しかし、そう言われるのは想定済み……というより、前世の記憶で知ってましたのですでに婚約者は代えてあります。
「殿下、お言葉ですが、貴方の婚約者は私の妹であって私ではありませんよ?」
「妹……?何を言うかと思えば貴様にいるのは兄ひとりだろう!」
「いいえ?実は父が養女にした妹がいるのです。今は檻の中ですから殿下が知らないのも無理はありません」
「は?」
さあ、初めての感動のご対面の日です。婚約破棄するなら勝手にどうぞ?妹は今日のために頑張ってきましたからね、気持ちが変わるかもしれませんし。
荷居人の婚約破棄シリーズ第八弾!今回もギャグ寄りです。個性な作品を目指して今回も完結向けて頑張ります!
第七弾まで完結済み(番外編は生涯連載中)!荷居人タグで検索!どれも繋がりのない短編集となります。
表紙に特に意味はありません。お疲れの方、猫で癒されてねというだけです。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる