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第三十話 異世界アルバイト! デュアルボード! ドラゴンレースで世界1位を目指せ!②

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おまけ
チャイナ服を着たダリア


ーーーーーーーーーー

ピピ
『……以上で補足事項は終わりよ。最低でもゴールしないとあんたの今までの苦労はゼロになるわよ』
『そ、そんなぁ』
『じゃあ、頑張りなさいね!』
ダリアさんからの補足事項を聞き、俺は覚悟を決めた。
やっぱりダリアさんの依頼は何かしら落とし穴があるなと思った。

まさか参加費は俺の天界で稼いだお金を使っているだなんて!!!

◇ ◇ ◇
ここは竜世界デュアルボード!
この世界で行われるドラゴンレースで優勝するのが俺の課題である。俺にとって夢のような課題だ。
「さあ、まずは受付だ!」
俺は冒険者ギルドで受付を行った。
ドラゴンレースは毎年行われており、今回が88回目である。受付のお姉さんのお話ではドラゴンレースは誰でも参加することが可能だが、世界を一周するレースという危険性が高いのと、高い参加費用から今年も100人ほどしか参加するものはいないとの事。
さらに言えば、このレースは危険性が高いためベテランの参加が多く、新参者の参加は殆どいないとの事。

 だから、俺が参加すると申告したとき、受付のお姉さんは何度も俺に「本当ですか?」「本当なんですか?」と問いかけてきた。
 だから俺も何度も「そうです」というと、受付のお姉さんは相当嬉しがってドラゴンレースの説明をしてくれた。
 と言ってもレースの内容はダリアさんからの依頼書でおおよそは理解していた……補足事項のあれ以外は。

「じゃあ、ここに参加表明のサインを!」
・参加一時金100万ドラン(レース期間中にゴールをしたら全額を返却します)
・このレースで死んでも文句は言いません
・レース期間が終わってもゴールできない状態が10日以上続いた場合、そのものは死んだものとして全財産をギルド協会に寄付します。

 さすが世界一周するレースの同意書だ。死んでも文句は言わないというのは良いとして、レース期間4日とさらに10日以内にゴールできない場合は全財産を没収されるという事だ。
 お姉さん曰く、無事に戻ってこれるためにはこれくらいの気持ちじゃないと……との事だった。
 そして……一番の問題。
 参加一時金だ。

 これはダリアさんが渡し忘れていた2枚目の依頼書に書かれていた。天界からデュアルボードに転生するときに俺の稼いだ所持金はこの世界の通貨に換算されていたのだ。天界のお金に換算すると20万エリカくらいとの事。この額は決して安くない。俺が汗水たらして頑張って稼いだお金だ。
(こんな大事な事、いい忘れないでくれよ……)
 つまるところ、このレース期間中に無事にゴールできなければ参加一時金は没収となるのだ。
(これは本気で頑張らないとなぁ)

◇ ◇ ◇
ドラゴンレースの受付を終えた俺は使用するドラゴンを選ぶ為に龍舎へと案内してもらった。龍舎にはレンタル用の龍が3匹用意されていた。
「初めて見る……これが本物の龍か」
「彼らは初心者用の龍として用意されています。本当はもう少しレンタル用で用意はされているのですがもう先に取られてしまいました。ですので将大様はこちらの3体から選んでいただきます。詳細は彼らの目の前に掲示されていますのでご確認ください。決まりましたら、受付まで来てください。」
「はい、わかりました」
そういうと受付の女性は冒険者ギルドへと帰っていった。
本物の龍は初めて見る。龍と名のついている通り、立派な翼を彼らは持っていた。
俺の胸の鼓動は高まる一方だ。彼らに乗って世界を一周するなんて、興奮がおさまらない!どのドラゴンも見た目は凄くかっこいい! 男心がくすぐられる。
さてと俺と共に優勝するドラゴンを吟味しようじゃないか。
俺は龍舎の中にいる竜の健康状態、掲示板のステータスを見ながら1匹の龍を選別した。

「メイズ」
龍年齢30歳の若手ドラゴン。
体長は約17メートル
速度は時速150km
最大連続時間7時間
休息時間8時間
1日に必要な食事量は20kg
まじめな性格、好き嫌いが多い
大会参加経験数3回
ゴール回数2回
最高順位79位

 選別理由? 直感だ。
 だって龍を初めて見たんだから、ステータス表と見た目で決めていくしかない。
 というか、普通に考えてレンタルドラゴンで優勝できるものは存在するはずがないのだ。ゴール回数も2回という微妙な回数。レンタルドラゴンはこのドラゴンレースを盛り上げるための龍でガチで優勝するためには、個人で龍を所有して強調するのが一般的だろう。残りの2体の龍も同じようなステータスだったが、他の龍のゴール回数が0回、1回だったので仕方なくこいつにした。

ドラゴンレースは3日後、それまでにこいつと仲良くなってゴールできるようなレベルまで鍛え上げなければ……

俺は受付のお姉さんにメイズをレンタルすることを伝えた後、龍舎に戻りメイズに乗るためにコミュニケーションを図る。
「俺は将大、今回のドラゴンレースのパートナーだ。よろしくな」

ギュオオ

龍は頭がいい、将大の言葉をすぐに理解し小さく鳴いた。
(さすが初心者用のドラゴンだ。これならすぐに龍に試乗することが出来そうだ)

次の日(ドラゴンレースまで残り2日)
「うぁああああああ! はやい!!!」
俺はついに夢のドラゴンに試乗をすることが出来た。
乗り方は乗馬の時とあまり変わらない。メイズも初心者用の龍だからおとなしく乗せてくれた。
初心者用のドラゴンといえども速度は時速150kmだ。専用のヘルメットと保護具を身につけていなければ風圧で顔がつぶれてしまいそうだ。なんて、楽しいんだろう。

俺はドラゴンレースの事も忘れ試乗を楽しんだ。
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