3 / 39
第三話 異世界候補
しおりを挟む
「えっと……イセパットが3種類の候補を出してくれました!」
「おお! ついに俺の新しい世界が決まるのか! 楽しみだなぁ」
「はい! わたし頑張りました!」
そういうとミミは将大にイセパットの画面を見せながら説明を始めた。
「さあ、行きましょう! 1つ目の候補はー!」
ダラダラダラダラ♪
どこからともなく。なんとも聞き覚えがあるドラムの音が聞こえてきた
(これもムードだよな……すごく凝っているんだな)
「ダラダラダラダラ♪ ダラダラダラダラ♪」
(ミミさん!?)
「さあ! 将大様もご一緒に!」
「え! 俺も?」
「そうです! 異世界転生なんて生きてるうちに1回あるかどうか……いえ! 死んでから1度しかありません! さあ!盛り上がっていきましょ! ダラダラダラダラ♪」
「だ……ダラダラダラダラ」
「もっとノリ良く!」
「ダラダラダラダラ♪」
二人で一緒に謎の詠唱をしてしばらく……
デデン!
「でました! 『惰《だ》バナナ! 転生したらゴリラでした。ゴリラに転生してスローライフ』です!」
堕バナナ?、ゴリラ?
「え……、まってミミさん。いろいろツッコミどころあるんですが、まずタイトルがなんかWEB小説の長ったらしいタイトルみたいになってるんですが……」
「日本人にはこちらの方が目を惹かれるみたいなので!」えっへん!ドヤ!
ミミさんはタブレットを俺に見せつけてくる。
「あの……転生するのがゴリラなんですか?」
「当たり前です! 転生先が人間じゃない世界もあります。」えっへん!ドヤ!
ミミさんはさらにタブレットを俺の目の前に見せつけてくる。喜べってこと?
全然惹かれない世界なんだけど……
「まじか……あの、とりあえず詳細を聞いてもいいですか?」
俺は半分呆れ、半分絶望の気持ちでミミさんに内容を聞く。
ミミさんはタブレットを指でスワイプしながら俺に説明をする。
「えっと、ここはですね……、ゴリラの王様になって毎日惰バナナをむさぼる事ができる世界ですね。スローライフが好きな方へおすすめです」
「その……えっと……堕バナナ?」
「惰バナナです。ほら、惰眠をむさぼると言う言葉があるでしょう。そんな感じです」ニコ
ミミさん……スローライフは夢だけど! 夢だけれども!
「あの、惰バナナはちょっと……あとゴリラはやだ。ミミさん、次の候補を聞せてくれるかな?」
「えー(さっさと決めてくれれば楽なのになー)、じゃあ次は……」ぽちぽち
ミミさんは若干めんどくさそうに次の検索結果をぽちぽちした。
ダラダラダラダラ♪
(また始まった!)
「さあ! ご一緒に!」
「ダラダラダラダラ……」
「もっと元気よく!」
「ダラダラダラダラ……」
デデン!
「第二の候補はですね……あ、よかったですね! 転生先は人間です」
「お、いいね! それでそれで? どんな世界なんですか」
「はい……第二の候補は『パイナップル栽培で世界最強!リンゴ軍VSブドウ軍』」
「バナナの次はリンゴ? ブドウ? パイナップル栽培? なんで世界最強?」
ミミさんは説明を続ける。
「はい。この世界はりんご好きのりんご軍とブトウがすきなブトウ軍が二つに分かれていて争っていて、パイナップルは英語で書くとpin『apple』……つまり異形のリンゴという事で、チートスキルを持っているんです。パイナップルを敵に向けて投げると爆発するというチートスキルです。パイナップル爆弾は破壊力抜群です。このスキルで世界を統一するという世界ですね。いかがですか?」
りんご? ぶとう? かなりぶっ飛んでいるぞ。
「チートスキル……憧れていたものではあるけど、内容がかなりカオスで気に食わないです」
「ちなみにブドウ軍は『武道軍』とかけていてその名の通り武術が得意みたいですね……」
「微妙に凝っていますね。あの……ミミさん、悪いけど三つ目の候補も聞かせて欲しいです」
「三つ目ですね……(なかなか首を縦に振ってくれないわ。スローライフやチートスキルに興味を持ってくれて即答だと思ったんだけどね)」
ミミさんは「はぁ」とため息を一つしてから、再度イセパットをぽちぽちする。
ダラダラダラダラ♪
「も、もしかして毎回やるの!?」
略
デデン!
「えっと、『音楽救済! 失われた音を取り戻せ!』」
「お、これはなんか名前だけじゃわからないけど面白そうだね」
「えっ! 好評価! じゃあここにしちゃいます?」
「あ、ミミさんすごく嬉しそう……。あの、まずは詳細を教えてください」
「はい! この世界ではドレミファソラシの七音が魔王ヴィーヴルによって奪われてしまいました。あなたは勇者になって、音を取り返してください!」
「転生先は?」
「もちろん人間です!」
「すご! この三つの中で一番良さそうだな」
「気に入ってもらってよかったです!……あっ。これはやばいかも……じゃなくてここにしますか?」
「ミミさん……なんかあったの?」
「い、いえ……おすすめで……すよ?」
ミミさんの目が右へ左へ動いている。明らかにおかしい。
「詳しく説明してください」
俺はミミさんに少しきつめな口調で問う。
「え、あ、あの……転生後40年は勇者ではなく掃除係としてこき使われるので気をつけてくださいね」
「え、40年間掃除係をしてから世界を救う勇者になるの?」
「そりゃあ勇者になるタイミングは人それぞれですからね」
「40過ぎてからの勇者ってどうなんだ……」
「さあ、どうします? 惰バナナのゴリラにしますか? パイナップル爆弾の人間にしますか? 40年間掃除係の勇者にしますか?」
ミミさんが俺に迫ってくる。というかどれも俺が行きたい世界とは大いに異なる。
「ちょっと! あの! どうしてもここから選ばないとダメなんですか? 申し訳ないんですけどどれも嫌です!」
「え! なんで? このイセパットに必要情報を入力したのに! 入力頑張ったんですよ! もう面倒だからこの中から決めてください! それにダラダラダラダラ言いたくないんです! わたし、早く女神見習い卒業したいんです!」
ダラダラは言いたくなかったんかい!
というか、今俺は物凄いことを聞いてしまった。
「え、ミミさんは本当の女神じゃないんですか?」
しまった! とでも言うようにミミさんの顔が赤くなる。
「これから女神になるんです! あなたを希望の世界に飛ばせたら無事女神見習い卒業なんです!」
ミミさんはフーフーと息を切らしながら俺に言う。全く感情の起伏が激しいなぁ。
「見習いならもっと慎重に選んでくれよ!」
「私はやる事はやりました! これがあなたにピッタリの世界なんですー! さあ、あなたが決めないなら私がどこかの世界に飛ばしてあげます。このイセパットをポチポチっとして……」
「まって! その候補はやめて! 人間に転生でさっきの候補以外ならどんな世界でもいいけど俺も転生したい世界の希望があるんだ!」
「希望? いいですよ聞いてあげます」
お、意外と冷静か?
「俺が望む世界……しいていうならば生まれた場所は貴族の屋敷で、男の子、母親はロリ巨乳ママで、親父は伝説の貴族、俺はその間に生まれた超絶美形な男の子。二歳の時にはすでに母国語と、近くの外国語をマスターしていて、五歳にして武術は師範代レベル。魔法が使えて、その世界の全ての属性と裏属性および禁呪含めあらゆる魔法がMP0で利用することができて、錬金術で金を生み出すことができて、空が飛べて、七歳には世界を一つに束ねる代表党首になって、九歳には俺の結婚相手が合計200人を超えてて、みんな美人で、でもロリ巨乳ママも僕を溺愛してきたと思えばツンデレ系の幼馴染が僕と駆け落ちしたり……さらに大人になってからはあまりある金と財産で世界の全てを購入して俺の理想の国をつくる。しかも俺への支持率は120%! これくらいになればかなり楽しいよなー。あ、あと天界や死後の世界もも自由に行き来できて、ミミさん含めいろんな天界人にもお会いしたいです。せいぜいこんなところで、俺全然高望みしてないから! 全! 然! 高望みしてないから!」
「あの……将大さん、人間に転生するところまで聞こえましたけど、そのあとは呪文でした。あと支持率120%ってのは存在しません」
ミミさんは目が真っ黒になり、引き気味で俺につぶやく。そんな変なこと言ったかなぁ。
「あの、人間って……最初のところじゃないか」
「だってあなた、希望が多すぎて……」
「そうかなぁ? 抑えたつもりだけど。ミミさん。イセパットって俺が入力してもいいんですか? 多分そっちの方が早いかも。」
「それはダメです。イセパットは借り物なの! それにあなたを満足した次の世界に送るのが私の課題なんだから! あなたにやってもらったら失格してしまいます」
ミミさんはちょっと焦りイセパットを両手で胸の方へ握りしめた。
「やだ! 俺に入力させろ! 理想の異世界に俺は行くんだ!」
女神見習いに俺の次の世界を決めさせたくはない。俺の行く世界は俺自身が決めるんだ。そう思うと俺の体は自然にイセパットに手が伸びていた。
「ちょ!ダメですよ! イセパットは女神のツールなのですからダメです! こら! 引っ張らないで!」グギギ……
「少しだけ! 少しだけでいいから見せてよ! 変な事しないからさ!」
「ダメって言ってるでしょー! ってあれー!」
ピョーン
「あ」「イセパットが宙を舞って」
グシャ……
コワレ…………
デンゲンツカナイ……
「あーーー! 私の! 正確にはアレス様から借りたイセパットが!」
イセパットは見事半分こになってしまった。
「ごめんなさい! でもミミさんが思いっきり引っ張るから……」
ミミさんは泣きながら俺に叫ぶ。
「まさかイセパットが壊れてしまうなんて前代未聞です!」
「俺はちゃんとした世界を選んで行きたいと思って……」
「これだから人間は欲望の塊なんです! あわあわ、イセパットを新しいものに交換してもらわないと……でももう、今日のところは無理です。今日は天界の宿で泊まってください!。私はアレス様のところに行ってイセパットの修理をお願いしてきます!」
「え、でも……俺」
ゴス! ゴス!
「うっ」
「わかりましたね?」
「は、はい……」
(全く……出だし最悪です……)
※ゴス! は骨が揺れる音です
「おお! ついに俺の新しい世界が決まるのか! 楽しみだなぁ」
「はい! わたし頑張りました!」
そういうとミミは将大にイセパットの画面を見せながら説明を始めた。
「さあ、行きましょう! 1つ目の候補はー!」
ダラダラダラダラ♪
どこからともなく。なんとも聞き覚えがあるドラムの音が聞こえてきた
(これもムードだよな……すごく凝っているんだな)
「ダラダラダラダラ♪ ダラダラダラダラ♪」
(ミミさん!?)
「さあ! 将大様もご一緒に!」
「え! 俺も?」
「そうです! 異世界転生なんて生きてるうちに1回あるかどうか……いえ! 死んでから1度しかありません! さあ!盛り上がっていきましょ! ダラダラダラダラ♪」
「だ……ダラダラダラダラ」
「もっとノリ良く!」
「ダラダラダラダラ♪」
二人で一緒に謎の詠唱をしてしばらく……
デデン!
「でました! 『惰《だ》バナナ! 転生したらゴリラでした。ゴリラに転生してスローライフ』です!」
堕バナナ?、ゴリラ?
「え……、まってミミさん。いろいろツッコミどころあるんですが、まずタイトルがなんかWEB小説の長ったらしいタイトルみたいになってるんですが……」
「日本人にはこちらの方が目を惹かれるみたいなので!」えっへん!ドヤ!
ミミさんはタブレットを俺に見せつけてくる。
「あの……転生するのがゴリラなんですか?」
「当たり前です! 転生先が人間じゃない世界もあります。」えっへん!ドヤ!
ミミさんはさらにタブレットを俺の目の前に見せつけてくる。喜べってこと?
全然惹かれない世界なんだけど……
「まじか……あの、とりあえず詳細を聞いてもいいですか?」
俺は半分呆れ、半分絶望の気持ちでミミさんに内容を聞く。
ミミさんはタブレットを指でスワイプしながら俺に説明をする。
「えっと、ここはですね……、ゴリラの王様になって毎日惰バナナをむさぼる事ができる世界ですね。スローライフが好きな方へおすすめです」
「その……えっと……堕バナナ?」
「惰バナナです。ほら、惰眠をむさぼると言う言葉があるでしょう。そんな感じです」ニコ
ミミさん……スローライフは夢だけど! 夢だけれども!
「あの、惰バナナはちょっと……あとゴリラはやだ。ミミさん、次の候補を聞せてくれるかな?」
「えー(さっさと決めてくれれば楽なのになー)、じゃあ次は……」ぽちぽち
ミミさんは若干めんどくさそうに次の検索結果をぽちぽちした。
ダラダラダラダラ♪
(また始まった!)
「さあ! ご一緒に!」
「ダラダラダラダラ……」
「もっと元気よく!」
「ダラダラダラダラ……」
デデン!
「第二の候補はですね……あ、よかったですね! 転生先は人間です」
「お、いいね! それでそれで? どんな世界なんですか」
「はい……第二の候補は『パイナップル栽培で世界最強!リンゴ軍VSブドウ軍』」
「バナナの次はリンゴ? ブドウ? パイナップル栽培? なんで世界最強?」
ミミさんは説明を続ける。
「はい。この世界はりんご好きのりんご軍とブトウがすきなブトウ軍が二つに分かれていて争っていて、パイナップルは英語で書くとpin『apple』……つまり異形のリンゴという事で、チートスキルを持っているんです。パイナップルを敵に向けて投げると爆発するというチートスキルです。パイナップル爆弾は破壊力抜群です。このスキルで世界を統一するという世界ですね。いかがですか?」
りんご? ぶとう? かなりぶっ飛んでいるぞ。
「チートスキル……憧れていたものではあるけど、内容がかなりカオスで気に食わないです」
「ちなみにブドウ軍は『武道軍』とかけていてその名の通り武術が得意みたいですね……」
「微妙に凝っていますね。あの……ミミさん、悪いけど三つ目の候補も聞かせて欲しいです」
「三つ目ですね……(なかなか首を縦に振ってくれないわ。スローライフやチートスキルに興味を持ってくれて即答だと思ったんだけどね)」
ミミさんは「はぁ」とため息を一つしてから、再度イセパットをぽちぽちする。
ダラダラダラダラ♪
「も、もしかして毎回やるの!?」
略
デデン!
「えっと、『音楽救済! 失われた音を取り戻せ!』」
「お、これはなんか名前だけじゃわからないけど面白そうだね」
「えっ! 好評価! じゃあここにしちゃいます?」
「あ、ミミさんすごく嬉しそう……。あの、まずは詳細を教えてください」
「はい! この世界ではドレミファソラシの七音が魔王ヴィーヴルによって奪われてしまいました。あなたは勇者になって、音を取り返してください!」
「転生先は?」
「もちろん人間です!」
「すご! この三つの中で一番良さそうだな」
「気に入ってもらってよかったです!……あっ。これはやばいかも……じゃなくてここにしますか?」
「ミミさん……なんかあったの?」
「い、いえ……おすすめで……すよ?」
ミミさんの目が右へ左へ動いている。明らかにおかしい。
「詳しく説明してください」
俺はミミさんに少しきつめな口調で問う。
「え、あ、あの……転生後40年は勇者ではなく掃除係としてこき使われるので気をつけてくださいね」
「え、40年間掃除係をしてから世界を救う勇者になるの?」
「そりゃあ勇者になるタイミングは人それぞれですからね」
「40過ぎてからの勇者ってどうなんだ……」
「さあ、どうします? 惰バナナのゴリラにしますか? パイナップル爆弾の人間にしますか? 40年間掃除係の勇者にしますか?」
ミミさんが俺に迫ってくる。というかどれも俺が行きたい世界とは大いに異なる。
「ちょっと! あの! どうしてもここから選ばないとダメなんですか? 申し訳ないんですけどどれも嫌です!」
「え! なんで? このイセパットに必要情報を入力したのに! 入力頑張ったんですよ! もう面倒だからこの中から決めてください! それにダラダラダラダラ言いたくないんです! わたし、早く女神見習い卒業したいんです!」
ダラダラは言いたくなかったんかい!
というか、今俺は物凄いことを聞いてしまった。
「え、ミミさんは本当の女神じゃないんですか?」
しまった! とでも言うようにミミさんの顔が赤くなる。
「これから女神になるんです! あなたを希望の世界に飛ばせたら無事女神見習い卒業なんです!」
ミミさんはフーフーと息を切らしながら俺に言う。全く感情の起伏が激しいなぁ。
「見習いならもっと慎重に選んでくれよ!」
「私はやる事はやりました! これがあなたにピッタリの世界なんですー! さあ、あなたが決めないなら私がどこかの世界に飛ばしてあげます。このイセパットをポチポチっとして……」
「まって! その候補はやめて! 人間に転生でさっきの候補以外ならどんな世界でもいいけど俺も転生したい世界の希望があるんだ!」
「希望? いいですよ聞いてあげます」
お、意外と冷静か?
「俺が望む世界……しいていうならば生まれた場所は貴族の屋敷で、男の子、母親はロリ巨乳ママで、親父は伝説の貴族、俺はその間に生まれた超絶美形な男の子。二歳の時にはすでに母国語と、近くの外国語をマスターしていて、五歳にして武術は師範代レベル。魔法が使えて、その世界の全ての属性と裏属性および禁呪含めあらゆる魔法がMP0で利用することができて、錬金術で金を生み出すことができて、空が飛べて、七歳には世界を一つに束ねる代表党首になって、九歳には俺の結婚相手が合計200人を超えてて、みんな美人で、でもロリ巨乳ママも僕を溺愛してきたと思えばツンデレ系の幼馴染が僕と駆け落ちしたり……さらに大人になってからはあまりある金と財産で世界の全てを購入して俺の理想の国をつくる。しかも俺への支持率は120%! これくらいになればかなり楽しいよなー。あ、あと天界や死後の世界もも自由に行き来できて、ミミさん含めいろんな天界人にもお会いしたいです。せいぜいこんなところで、俺全然高望みしてないから! 全! 然! 高望みしてないから!」
「あの……将大さん、人間に転生するところまで聞こえましたけど、そのあとは呪文でした。あと支持率120%ってのは存在しません」
ミミさんは目が真っ黒になり、引き気味で俺につぶやく。そんな変なこと言ったかなぁ。
「あの、人間って……最初のところじゃないか」
「だってあなた、希望が多すぎて……」
「そうかなぁ? 抑えたつもりだけど。ミミさん。イセパットって俺が入力してもいいんですか? 多分そっちの方が早いかも。」
「それはダメです。イセパットは借り物なの! それにあなたを満足した次の世界に送るのが私の課題なんだから! あなたにやってもらったら失格してしまいます」
ミミさんはちょっと焦りイセパットを両手で胸の方へ握りしめた。
「やだ! 俺に入力させろ! 理想の異世界に俺は行くんだ!」
女神見習いに俺の次の世界を決めさせたくはない。俺の行く世界は俺自身が決めるんだ。そう思うと俺の体は自然にイセパットに手が伸びていた。
「ちょ!ダメですよ! イセパットは女神のツールなのですからダメです! こら! 引っ張らないで!」グギギ……
「少しだけ! 少しだけでいいから見せてよ! 変な事しないからさ!」
「ダメって言ってるでしょー! ってあれー!」
ピョーン
「あ」「イセパットが宙を舞って」
グシャ……
コワレ…………
デンゲンツカナイ……
「あーーー! 私の! 正確にはアレス様から借りたイセパットが!」
イセパットは見事半分こになってしまった。
「ごめんなさい! でもミミさんが思いっきり引っ張るから……」
ミミさんは泣きながら俺に叫ぶ。
「まさかイセパットが壊れてしまうなんて前代未聞です!」
「俺はちゃんとした世界を選んで行きたいと思って……」
「これだから人間は欲望の塊なんです! あわあわ、イセパットを新しいものに交換してもらわないと……でももう、今日のところは無理です。今日は天界の宿で泊まってください!。私はアレス様のところに行ってイセパットの修理をお願いしてきます!」
「え、でも……俺」
ゴス! ゴス!
「うっ」
「わかりましたね?」
「は、はい……」
(全く……出だし最悪です……)
※ゴス! は骨が揺れる音です
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
異世界エステ〜チートスキル『エステ』で美少女たちをマッサージしていたら、いつの間にか裏社会をも支配する異世界の帝王になっていた件〜
福寿草真
ファンタジー
【Sランク冒険者を、お姫様を、オイルマッサージでトロトロにして成り上がり!?】
何の取り柄もないごく普通のアラサー、安間想介はある日唐突に異世界転移をしてしまう。
魔物や魔法が存在するありふれたファンタジー世界で想介が神様からもらったチートスキルは最強の戦闘系スキル……ではなく、『エステ』スキルという前代未聞の力で!?
これはごく普通の男がエステ店を開き、オイルマッサージで沢山の異世界女性をトロトロにしながら、瞬く間に成り上がっていく物語。
スキル『エステ』は成長すると、マッサージを行うだけで体力回復、病気の治療、バフが発生するなど様々な効果が出てくるチートスキルです。
日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。
俺のスキル『性行為』がセクハラ扱いで追放されたけど、実は最強の魔王対策でした
宮富タマジ
ファンタジー
アレンのスキルはたった一つ、『性行為』。職業は『愛の剣士』で、勇者パーティの中で唯一の男性だった。
聖都ラヴィリス王国から新たな魔王討伐任務を受けたパーティは、女勇者イリスを中心に数々の魔物を倒してきたが、突如アレンのスキル名が原因で不穏な空気が漂い始める。
「アレン、あなたのスキル『性行為』について、少し話したいことがあるの」
イリスが深刻な顔で切り出した。イリスはラベンダー色の髪を少し掻き上げ、他の女性メンバーに視線を向ける。彼女たちは皆、少なからず戸惑った表情を浮かべていた。
「……どうしたんだ、イリス?」
アレンのスキル『性行為』は、女性の愛の力を取り込み、戦闘中の力として変えることができるものだった。
だがその名の通り、スキル発動には女性の『愛』、それもかなりの性的な刺激が必要で、アレンのスキルをフルに発揮するためには、女性たちとの特別な愛の共有が必要だった。
そんなアレンが周りから違和感を抱かれることは、本人も薄々感じてはいた。
「あなたのスキル、なんだか、少し不快感を覚えるようになってきたのよ」
女勇者イリスが口にした言葉に、アレンの眉がぴくりと動く。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
天日ノ艦隊 〜こちら大和型戦艦、異世界にて出陣ス!〜
八風ゆず
ファンタジー
時は1950年。
第一次世界大戦にあった「もう一つの可能性」が実現した世界線。1950年4月7日、合同演習をする為航行中、大和型戦艦三隻が同時に左舷に転覆した。
大和型三隻は沈没した……、と思われた。
だが、目覚めた先には我々が居た世界とは違った。
大海原が広がり、見たことのない数多の国が支配者する世界だった。
祖国へ帰るため、大海原が広がる異世界を旅する大和型三隻と別世界の艦船達との異世界戦記。
※異世界転移が何番煎じか分からないですが、書きたいのでかいています!
面白いと思ったらブックマーク、感想、評価お願いします!!※
※戦艦など知らない人も楽しめるため、解説などを出し努力しております。是非是非「知識がなく、楽しんで読めるかな……」っと思ってる方も読んでみてください!※
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる