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ぼくとこうえん
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表紙
1
ぼくのなまえは、たけし!
ことしで5さい。
ぼくはね、まがったことが、だいきらいなんだ。
2
いつものように、ぼくはようちえんにきた。
ようちえんで、ともだちのひろしくんにあった。
ぼくとひろしくんは、だいのなかよし!
いっつもふたりで『たけうま』とか、『おにごっこ』してあそんでいるんだ。
でもね、ひとつだけ、かなしいことがあるの。
3
それはね、ひろしくんはぼくとしかあそばないんだ。
ぼくはみんなともっとなかよくなりたい。
だれとでもいっしょにあそびたい。
なのに、ひろしくんはぼくとしかあそばないの……。
4
あるひ、クラスでいちばんつよいおとこのこ、まさるくんがいったんだ。
「ねぇ、たけしくん、きょう、ようちえんおわったら、あそぼうよ」
「いいよ、じゃあ『ロケットこうえん』でね」
「あとでね」
となりのひろしくんはすごくこわがっていた。
ひろしくんとまさるくんはあんまりなかがよくないの。
5
ぼくはあそびにいくとき、とちゅうでひろしくんにであった。
「あれ、ひろしくん。またひとりぼっち?」
「うん、たけしくんはどこかにいくの?」
「いまから、まさるくんと『ロケットこうえん』にいくの」
「そうなんだ……」
「ひろしくんもいっしょにいこうよ!」
「うん!」
ぼくはとってもうれしかった。
ひろしくんが、ほかのおともだちといっしょにあそべることがね。
6
『ロケットこうえん』につくと、まさるくんがまっていた。
「あれ? たけしくん。なんでひろしくんがいるの?」
まさるくんはとってもおこったかおしている。なぜなんだろ。
「ねぇ、ひろしくんもいっしょにあそばせてよ」
「ダメッ! ひろしくんがいっしょならおれはあそばない!」
「もういいよ、たけしくん」
「だって……」
そんなのまちがってるもん。
7
ぼくたちがにらめっこしていると、となりのブランコがぎーこぎーこ、きこえる。
「ねぇ、きみたち。これたのしいよ?」
おんなのこが、かわったブランコにのっている。
くるまいすにのったまま、ブランコであそんでいる。
なんだろ、あれ。
「あんなブランコなんかあったけ?」
ひろしくんが、ふしぎそうにおんなのこにちかづいた。
「ねぇねぇ、きみたちもいっしょにあそぼうよ」
「きみはなんで、くるまいすなんかであそんでいるの?」
「え、これ? わたしはうまれてからずっとあるけないの」
「そうなんだ、ボクがおしてあげよっか?」
「いいの? じゃあおねがい」
ひろしくんはかわったおんなのことあそびだした。
8
「なんだよ、ひろしくんだけあそんで!」
まさるくんはとってもおこっている。
「いいじゃん、まさるくんとはあそんでないだろ?」
「なんかムカつく!」
そういって、まさるくんは、じめんをけった。
でも、ぼくもすごくあのブランコがきになる。
9
「わ~い! すごいたか~い!」
「そ~れ! もっとつぎはすごいよ~」
「あ~たのしい。ねぇ、きみのなまえは?」
「ボクはひろし」
「わたしはゆみ」
ふたりはとってもたのしそう。
「ねぇ、そこのきみもおいでよ」
「ぼくのこと?」
「うん!」
「いくいく! ぼくはたけし」
「たけしくんはとなりのであそびなよ」
10
ぼくはとなりのふつうのブランコにのった。
ゆみちゃんはとってもうれしそう。
「ねぇ、あしはいたくない?」
「あし、いたくないよ。だってうまれつきだから」
「なんかかわいそう」
ひろしくんはなきそうな、かおしている。
でも、ぼくもゆみちゃんをみているとかなしくなっちゃう。
11
「ぜんぜん! かわいそうじゃないよ! このブランコ。わたしのパパがつくったんだ」
「ええ! すごい!」
ひろしくんは、はくしゅしてよろこんでいる。
「うん、ぼくもすごいとおもう!」
「だって、きみたちとおともだちになれそうだもん!」
「ふふふ」
「あはは」
「ははは」
ぼくたちがわらっていると、まさるくんはかおをまっかにしていた。
12
「ねぇ、ひろしくん、あのこも、きみのおともだち?」
「え?」
ひろしくんはゆみちゃんのしつもんにこまっていた。
「ともだちだよ!」
ぼくがかわりに、こたえてあげる。
「そっか! あのこのなまえは?」
「あのこはまさるくん」
「まさるく~ん、きみもこっちにおいでよ~!」
ゆみちゃんが、まさるくんをよぶけど、なかなかこない。
まだおこっているのかな。
13
「お、おれもなかまにはいっていいの?」
まさるくんはすこし、はずかしそうなかおでブランコにちかづいた。
「もちろんだよ。じゃあこんどはまさるくんがわたしのブランコをおして!」
「うん、まかせて!」
きがつくと、ぼくたち4にんはわらって、おひさまがくらくなるまであそんだ。
14
ゆみちゃんはくるまいすをおしながらかえっていった。
ぼくとひろしくんも、いっしょにかえろうとしたときだった。
「なあ、あしたもあそぼうよ」
まさるくんは、はずかしそうにいった。
「え? いいけど……」
「ボク、あしたはやめておくよ」
ひろしくんはえんりょしているようにみえた。
「ダメだ! ひろしくんもきて!」
「だって……」
「おれたち3にんはもうともだち! ゆみちゃんもともだち!」
「うれしい」
そのばで、ひろしくんはないていた。
でも、とってもうれしそうにわらっている。
「じゃあ、あしたはぼくとひろしくん、それにまさるくんとゆみちゃんもいっしょだね」
ぼくたち3にんは、あしたがたのしみたのしみでしかたなかった。
みんなでてをつないで、いっしょにかえった。
とってもうれしいな。
1
ぼくのなまえは、たけし!
ことしで5さい。
ぼくはね、まがったことが、だいきらいなんだ。
2
いつものように、ぼくはようちえんにきた。
ようちえんで、ともだちのひろしくんにあった。
ぼくとひろしくんは、だいのなかよし!
いっつもふたりで『たけうま』とか、『おにごっこ』してあそんでいるんだ。
でもね、ひとつだけ、かなしいことがあるの。
3
それはね、ひろしくんはぼくとしかあそばないんだ。
ぼくはみんなともっとなかよくなりたい。
だれとでもいっしょにあそびたい。
なのに、ひろしくんはぼくとしかあそばないの……。
4
あるひ、クラスでいちばんつよいおとこのこ、まさるくんがいったんだ。
「ねぇ、たけしくん、きょう、ようちえんおわったら、あそぼうよ」
「いいよ、じゃあ『ロケットこうえん』でね」
「あとでね」
となりのひろしくんはすごくこわがっていた。
ひろしくんとまさるくんはあんまりなかがよくないの。
5
ぼくはあそびにいくとき、とちゅうでひろしくんにであった。
「あれ、ひろしくん。またひとりぼっち?」
「うん、たけしくんはどこかにいくの?」
「いまから、まさるくんと『ロケットこうえん』にいくの」
「そうなんだ……」
「ひろしくんもいっしょにいこうよ!」
「うん!」
ぼくはとってもうれしかった。
ひろしくんが、ほかのおともだちといっしょにあそべることがね。
6
『ロケットこうえん』につくと、まさるくんがまっていた。
「あれ? たけしくん。なんでひろしくんがいるの?」
まさるくんはとってもおこったかおしている。なぜなんだろ。
「ねぇ、ひろしくんもいっしょにあそばせてよ」
「ダメッ! ひろしくんがいっしょならおれはあそばない!」
「もういいよ、たけしくん」
「だって……」
そんなのまちがってるもん。
7
ぼくたちがにらめっこしていると、となりのブランコがぎーこぎーこ、きこえる。
「ねぇ、きみたち。これたのしいよ?」
おんなのこが、かわったブランコにのっている。
くるまいすにのったまま、ブランコであそんでいる。
なんだろ、あれ。
「あんなブランコなんかあったけ?」
ひろしくんが、ふしぎそうにおんなのこにちかづいた。
「ねぇねぇ、きみたちもいっしょにあそぼうよ」
「きみはなんで、くるまいすなんかであそんでいるの?」
「え、これ? わたしはうまれてからずっとあるけないの」
「そうなんだ、ボクがおしてあげよっか?」
「いいの? じゃあおねがい」
ひろしくんはかわったおんなのことあそびだした。
8
「なんだよ、ひろしくんだけあそんで!」
まさるくんはとってもおこっている。
「いいじゃん、まさるくんとはあそんでないだろ?」
「なんかムカつく!」
そういって、まさるくんは、じめんをけった。
でも、ぼくもすごくあのブランコがきになる。
9
「わ~い! すごいたか~い!」
「そ~れ! もっとつぎはすごいよ~」
「あ~たのしい。ねぇ、きみのなまえは?」
「ボクはひろし」
「わたしはゆみ」
ふたりはとってもたのしそう。
「ねぇ、そこのきみもおいでよ」
「ぼくのこと?」
「うん!」
「いくいく! ぼくはたけし」
「たけしくんはとなりのであそびなよ」
10
ぼくはとなりのふつうのブランコにのった。
ゆみちゃんはとってもうれしそう。
「ねぇ、あしはいたくない?」
「あし、いたくないよ。だってうまれつきだから」
「なんかかわいそう」
ひろしくんはなきそうな、かおしている。
でも、ぼくもゆみちゃんをみているとかなしくなっちゃう。
11
「ぜんぜん! かわいそうじゃないよ! このブランコ。わたしのパパがつくったんだ」
「ええ! すごい!」
ひろしくんは、はくしゅしてよろこんでいる。
「うん、ぼくもすごいとおもう!」
「だって、きみたちとおともだちになれそうだもん!」
「ふふふ」
「あはは」
「ははは」
ぼくたちがわらっていると、まさるくんはかおをまっかにしていた。
12
「ねぇ、ひろしくん、あのこも、きみのおともだち?」
「え?」
ひろしくんはゆみちゃんのしつもんにこまっていた。
「ともだちだよ!」
ぼくがかわりに、こたえてあげる。
「そっか! あのこのなまえは?」
「あのこはまさるくん」
「まさるく~ん、きみもこっちにおいでよ~!」
ゆみちゃんが、まさるくんをよぶけど、なかなかこない。
まだおこっているのかな。
13
「お、おれもなかまにはいっていいの?」
まさるくんはすこし、はずかしそうなかおでブランコにちかづいた。
「もちろんだよ。じゃあこんどはまさるくんがわたしのブランコをおして!」
「うん、まかせて!」
きがつくと、ぼくたち4にんはわらって、おひさまがくらくなるまであそんだ。
14
ゆみちゃんはくるまいすをおしながらかえっていった。
ぼくとひろしくんも、いっしょにかえろうとしたときだった。
「なあ、あしたもあそぼうよ」
まさるくんは、はずかしそうにいった。
「え? いいけど……」
「ボク、あしたはやめておくよ」
ひろしくんはえんりょしているようにみえた。
「ダメだ! ひろしくんもきて!」
「だって……」
「おれたち3にんはもうともだち! ゆみちゃんもともだち!」
「うれしい」
そのばで、ひろしくんはないていた。
でも、とってもうれしそうにわらっている。
「じゃあ、あしたはぼくとひろしくん、それにまさるくんとゆみちゃんもいっしょだね」
ぼくたち3にんは、あしたがたのしみたのしみでしかたなかった。
みんなでてをつないで、いっしょにかえった。
とってもうれしいな。
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