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第8話
しおりを挟む「パパとママ、ラブラブだね~♪」
「お前ら! 早く車に乗らんか! ご近所の目が…」
神埼父が再びキレる。
唇から離れた夫がそれをなだめる。
「すいません、お父さん。今日の明日香さんはとても綺麗に感じたもので♪」
さらっと言いやがる。
よくもそんな甘ったるい言葉を義理の父に言えるな。
「まったく……」
ぶつぶつ言いながら、神埼父は先に少女を車に乗せる。
「ごめんね、明日香」
夫の右手はまだ神埼の細いあごにある。
「もう! こんなところで…でも、嬉しかったよ。最近こんなドキドキしたことなかったもの…あたしのこと、女として見てくれてないんじゃないかって、自信なくしてたもの……」
神埼の頬は赤いが、視線はずっと夫にある。
「そんなわけないないじゃいか! 君はいつ見ても綺麗だよ! 誰よりも」
夫が強く神埼の肩を揺さぶって否定すると、神埼の大きな胸がブルブルと上下に揺れていた。
「なんだか怖いわ♪ でも、あなたと結婚10周年を迎えられて嬉しいわ」
じゃあ、23、4で結婚したのかよ…。
「僕もだよ。瑠璃も10歳になって、随分お姉ちゃんになったくれたよね。だからまた若い時みたいに、僕が君を独り占めしてもいいかな?」
ちょっと待てよ。結婚10周年で子供が10歳って…デキ婚じゃね?
俺はこう見えて硬派だから、デキ婚が一番人として嫌いなんだよね。筋は通さないとさ、やっぱり。
生でヤリまくってのビッチ婚か……神崎、お前だまされているんだよ、こんなスカした野郎に。
「ふふ♪ それは瑠璃が怒りそうね」
そうは言うが、なんだか股間が濡れてそうに見える。
「今日はいい結婚記念日になりそうだよ」
そう言うと夫はまた長く濃厚なキスを始めた。
腰にあった左手は次第に神埼の尻に下ろされていた。
ずっと神埼の尻を円を描くように撫で回している。
ああ、神埼が…俺の神埼が……。
犯されていく……あの汚ねー男に。
だが神埼の顔を見ろ。
あの男の汚ねー唾液を飲みまくっているのに。なんだあの嬉しそうな顔は?
むしろ、次第に神埼のペースの方が上がって、夫の方を圧倒し出した。
慣れた様子で右に左に顔をゆっくり動かしながらディープキスを続ける。辞める気配がない。
「ハハ…ハハハ……」
涙が止まらない。
何が悲しくて初恋の女の子のお盛んな夫婦を、影からストーカーしないといけないんだ……。
痴女だ…そうだ。あれは神埼明日香なんかじゃない。ただのクソビッチ主婦だ。
きっと家を間違えたんだ。
夫婦の長いキスがやっと終わる。
「ふう……君とのキスはいつも甘いな」
俺がするはずだったんだ……。
「あら? 誰かと比べてるの?」
「ひどいな。なぁ、瑠璃がこの前、そろそろ妹欲しいって言ってさ」
黙れよ、クソメガネ。
「え?」
「今日、ホテルの部屋を2部屋、取ってるんだけど……いいかな?」
もうやめてくれ。
「本当に瑠璃が言ったの? あなたが生でしたいだけじゃないの?」
生って…夫婦ってこんな会話するのか…。
「本当だよ!」
「ごめん ちょっといじめちゃった♪」
「ダメ?」
「決まってるでしょ! 答えはYESよ♪」
軽く夫にキスをすると「さあ行きましょう」と夫の手を取った。
「でも、僕たち。お父さんに瑠璃を任せるなんて酷いパパとママだねw」
「父さんもまた孫が増えると喜ぶわ。母さん亡くなってから1人で辛そうだったもの」
手を振りながら仲睦まじく、繋いだ手を振りながら車に向かった。
この夫婦のやりとりを見ながら、ずっと考えていたことがある。
まず夫をボコボコに殴り倒して気絶させ、神埼娘を家に連れこんで人質にする。
そして神埼父を黙らせロープで縛るのだ。
いらない3人は神埼宅のどこかにしまいこむ。
昔入ったことのある神埼の部屋に、神埼を押し込み、ベッドに押し倒す。
泣き喚く神埼のスカートをめくり、強引にパンツを少し横にずらして、パンツを履かせたまま、犯してやるのだ。
他の男のものだがそれでもいい。
俺の精液を何回も何回も繰り返し、何日も監禁してレ●プするんだよ。
神埼の中に俺のザーメンをたっぷりぶち込んでやる。
何日も俺の愛と説得により、俺の想いは神埼に伝わり、愛を分かち合うのだ。
そして子供を産んでもらい、結婚する。その子と3人でもう一回やり直すんだ……もう一回。
「ハッ!?」
俺は…なにを考えているんだ?
捕まりにわざわざ、名古屋まで来たのか?
でも彼女と1つになれるなら、捕まっても、死んでも……。
車のエンジンが掛かる音で、俺は自分を取り戻した。
夫が運転し、助手席に祖父、後部座席に神埼と娘。
ちなみに車は外車。
無頓着な俺には車種がわからなかったが、素人の目でもわかる。キラキラ輝く車体は高級感が半端ない。
車が走り去っていく際、車内の様子が一瞬だけ見えた。
先ほど、旦那と唾液交換しまくった唇で、神埼はニコニコ笑って娘のおでこに軽くキスしていた。
走り去っていったあと、俺はその場で固まっていた。
10分だろうか? 20分だろうか?
放心状態でいると、隠れていた近所の家から小太りのおばさんが出てきてた。
「あんたね! さっきからうちの家の前でなにしてんの!? 警察呼ぶよ!」
「え…?」
涙と鼻水でぐちゃぐちゃになった俺の顔を見て、おばさんは絶句した。
「な、なんか、嫌な事でもあったの…?」
「は、はい……うぐぐ、うわあああん!」
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