閉ざされた窓

味噌村 幸太郎

文字の大きさ
上 下
3 / 4
2004年

2004年6月 ③

しおりを挟む
「まだ先っぽだよ、奈月さん」

 優しく言いながら、微笑む侑李が首筋に顔を寄せて来る。唇が這わされれ、首筋に感じたピリッとした微かな痛み。肌を吸われる感覚に喘ぐと、彼がさらに奥へと挿ってくる。

「っ、狭いね、奈月さんの中……っ」

「きもち、いい?」

「そりゃもう」

 奈月はもういっぱいいっぱいで、ただ喘ぐことしかできない。そんな奈月に微笑む侑李は、まだ余裕そうに見えた。だから少し悔しくて、足を彼の腰に絡める。

「もっと、きて……」

「っ……その顔は、ズルいっ」

 近付いてくる彼の唇を迎えるように口を開くと、熱い舌が絡んでくる。同時に、最後のストロークを一気に進めた彼のモノが奈月の最奥を穿った。

「ん、ぁ……っ」

 鼻にかかる甘ったるい声。待ち侘びた快感に達してしまい、震える奈月の口腔内を優しくなぞりながら、侑李は円を描くように腰を揺らす。そうされると、敏感になった身体が反応して、溢れ出る蜜が彼の動きを助けてしまう。

「ビショビショだね。自分から腰も揺らしてる」

「侑李、さ……ぁ、もっと、欲しいっ」

「あぁ、堪らない……もっと乱れて……っ」

 抱きついた奈月の背中に腕を回した侑李が、激しく奥を突き始める。荒々しい腰の動きに、彼が求めてくれるのが分かり、奈月の快感はさらに増した。噛み付くようなキスも、胸を掴むように荒く揉みしだく大きな手も、卑猥な音を立てながら攻め立ててくる熱い欲望も。彼の全てが愛おしい。
 再び訪れた絶頂の予感に口から、はしたない声がとめどなく漏れる。彼はその喘ぎ声を飲み込むような深いキスをしながら、さらに奈月を追い詰めていった。
そして迎えた絶頂の瞬間、身体を震わせながら、ナカにいる彼自身を締め付ける。すると、呻いた彼が腰を打ち付け、緩く腰を揺らし、やがて動きを止めた。
 汗で湿った肌を合わせ、抱き合う。シャワーを浴びたい気持ちはあるけれど、覆い被さる彼の重みと熱を感じていたいとも思う。汗をかくのは好きじゃないけど、こんな汗なら悪くないな、と奈月は目を閉じながら思った。
 営業職である程度、体力には自信があるつもりだったけれど、さすがに何度もイカされて疲れ果てたのか、奈月は眠気に襲われていた。
 汗を流そうという侑李の言葉に唸っていると、可笑しそうに笑われて。でも結局は汗のベトベトに耐え切れず、一緒にお風呂に入ることになり、身体を洗われた。
そして、そのままお風呂場でイチャイチャして、求められるまま2回目のセックス。洗うという名目で、さんざん弄られた身体は、彼をすんなり受け入れて喘がされた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ひきこもり みそ子の日常

味噌村 幸太郎
エッセイ・ノンフィクション
キャッチコピー 「みそ子ちゃん(♂)の日記かも?」 おっす、オラみそ子(♂)ちゃん。19歳(+20)。2021年時点。 適当に書いてるだけだから期待しないでね! あとうつっぽいから耐性のない人は、やめたほうがいいかも~ ※大変申し訳ないのですが。 他サイトにて、コメント欄にてトラブルなどがあったので。 このブログにおいて。基本、頂いたコメントに、返信などは致しておりません。 作品に関しては、バシバシご指摘ツッコミなんでもOKです。 僕も喜んでご返事させていただきます。

IdeS-photo art-

Frаwr
エッセイ・ノンフィクション
素人の写真集 撮った写真をゆっくり載せていきます

釜ヶ崎少年

四奈川 小次郎
エッセイ・ノンフィクション
釜ヶ崎とは大阪市西成区の一部で簡易宿泊街を指す名称である。 あいりん地区と呼ぶほうが伝わりやすいかと思うが、これは行政の呼称であり、そこに住むものが自ら使うことは少ない。 釜ヶ崎が日雇い労働者の町として人が溢れていた時代の一部 1986年から1990年頃までの数年間をこの釜ヶ崎で過ごした幼児、小児時代。 少年時代の私は何を経験したのか、そしてどんな記憶が強烈に残っているのか。 幼い子供ながらにも喧嘩、暴動、誘拐、薬物、性被害など様々なモノを目撃し、時には巻き込まれた。 そのような危険も多く存在していたが、周囲の人々の大きすぎる人情の中で成長できたのもまた事実。 昭和末期から平成初期の当時の記憶と後の考察から釜ヶ崎の生活をノンフィクションで記す。 土地などの名称は当時の呼称で覚えているため、現在とは呼び名が違うものがあるかも知れないが当時の記憶に基づいているためご容赦いたいただければと思う。

クルマについてのエトセトラⅡ

詩川貴彦
エッセイ・ノンフィクション
また始まるよ!! しつこいようですがまた書いていきたいと思います。 理由は? 理由はお金も体力も嗜好品も趣味もなくて、暇だけはあって、要するに貧乏で暇だからです(泣)

普通に生きられなかった私への鎮魂歌

植田伊織
エッセイ・ノンフィクション
統合失調症の母にアスペ父 そんな私はadhd 不登校、適応障害、癌化する腫瘍を摘出した先には障害児育児が待っていました。 人生、山少な目 谷多めの作者が、自己肯定感を取り戻すために文章を書くことにしました。 日常の事、乗り越えたい事、昔のことなどなど、雑多に書いてゆくことで、無念が昇華できたらいいなぁと思います。

精神病棟日記

喜多條マグロ
エッセイ・ノンフィクション
筆者が精神病棟に入院した際の自伝的小説

萌える推しカプ小説のための二次創作の書き方

水の菱
エッセイ・ノンフィクション
二次創作小説に特化した「推しカプの書き方のコツ」をまとめたエッセイ。おおむね二次BLを想定してますが、男女でも百合でも当てはまる内容になっています。初心者~中級者向け。

メゾンドにゃんこ

冴條玲
エッセイ・ノンフィクション
賃貸と持ち家はどちらがいいのか――? そんなことを考えている猶予は、もはやない。 このエッセイは、破壊神と化した子猫たちがアパートを破壊する前にと、お金もないのにマイホーム購入に踏み切ったままんの、にゃこ色のリフォーム奮闘記です。 ※ 新築の庭付き一戸建てを買うお金などないので、タダ同然の古家を買って、経験ゼロのド素人がDIYでフルリフォームという暴挙に出た、その結末は――!?

処理中です...