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第四十章 たまには休んでもええんやで
お医者さんごっこ、したことないです……。
しおりを挟む「タッくん~ 横になってくだちゃいねぇ~」
「はい」
突如として、ヤンキーミハイルに降臨なされた女神人格。
アンナ様により、俺は甘い香りが漂うベッドの上に寝かされる。
枕はピンク色のネッキーとネニーがプリントされた可愛らしいデザイン。
布団やシーツも同様の色とデザイン。
ミハイルはいつもと違い、長い髪は首元で括っておらず、両肩に下ろしている。
それもあってか、妙に色っぽく感じる。
正直、俺にはこいつが女にしか見えない。
ベッドの上で寝る俺の隣りに、正座して座るミハイル。
「さぁ、どこが痛いのかなぁ? お医者さんに見せてくれるかなぁ☆」
素晴らしい。
このナース、どこで雇えるのだろうか?
ショーパンにニーハイソックス。絶対領域。
尚且つだ。正座しているから、小さくて丸い尻が自ずと強調されてしまう。
思わず、俺の右手をこの看護婦さんの腰へと、回したくなるほどだ。
「先生。最近、胸が痛みます」
いろんな意味で。
「は~い。じゃあ、お胸を出してくだちゃいねぇ☆」
即座にTシャツを投げ捨てた。
一体、彼の知識でどこまで治療してもらえるか、知りたいからだ。
上半身裸になった俺をじっと見て、ミハイルは言う。
「う~ん。どこも悪くなさそうですねぇ~」
「先生! 胸が本当に悪いんです! 特に心臓辺りのトップが!」
これを狙っていたのだが……。
「残念ですねぇ☆ うちは皮膚科です☆」
「……」
クソがっ!
※
お医者さんごっこは悔しいことに何事もなく、無事に終わってしまった。
しかし、それでも彼の人格は元に戻らず。
「タッくん☆ 次はなにをしよっか?」
とベッドの上で座りこみ、ニコニコ笑っている。
「ううむ……」
きっと、高熱で人格がアンナに変わってしまい、元に戻れないのだろう。
ならば熱を冷ませば良い。
姉のヴィッキーちゃんに頼んで、解熱剤でも使うか?
そんなことを一人で考えていると、ミハイルが何を思ったのか、俺を力づくでベッドに倒す。
彼も一緒に並んで寝るのか、と思ったが。
予想と反して、ミハイルは何故か俺の腹の上にピョンと乗っかる。
軽い体重だから、大した衝撃ではないが。
「ふふふ」
「お、おい? なにをする気だ?」
「ずーっと前に……ひなたちゃんとラブホテルに行ったよね?」
笑ってはいるが、目つきが怖い。
「はい……行きました」
「あの時、アンナのスマホに“変な写真”を送ってきたこと覚えてる?」
オーマイガッ!
事故とはいえ、現役女子高生のひなたを助けた時。
アンナから連絡が来て、それに激怒したひなたが、『騎乗位スタイル』のツーショットを送信した事件のことだ。
まだ根に持っていたのか……。
「あ、あれは事故です。それにラブホは後で一緒に楽しんだじゃないですか」
「ダ~メ☆ タッくんの記憶から消してしまわないと、汚れちゃうでしょ☆」
「えぇ……」
またお馬さんで遊ぶんですか?
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