214 / 490
第二十六章 真夏の夜の部
等価交換
しおりを挟むお尻処女が逝ってしまったことに対し、俺は便座の上で手と手を合わせて黙とう……もちろん、号泣して。
しばらくすると、扉がノックされた。
「タッくん? 大丈夫? そんなに痛いの?」
アンナが心配そうに声をかけてくる。
「ふぅ……」
よし気持ちの切り替えOK!
張り切っていこう!
便座から立ち上がって、扉越しに返事をしてみる。
「ああ。痛くないぞ。ちょっと驚いただけだ。問題ない」
本当は大有りなんだけどね。
「そっか☆ じゃあ、代わりの着替えを渡したいから、ドアの鍵開けてくれる? 今のタッくんは……裸だろうから、アンナは目を瞑るね?」
そう言えば、尻へのダメージばかり考慮していて、自分の身なりを気にしていなかった。
まだ生まれたばかりの姿じゃないか。
「すまんな。今開けるよ」
鍵を外しゆっくり扉を開く。
アンナが廊下に立っていた。
いつもキラキラと輝くグリーンアイズは、ぎゅっと瞼で閉じてしまっている。
そんなに俺の裸が嫌なのか?
小さな両手には白いバスローブと……ん?
ピンクのなにか、小さく丸く折りたたんでいるハンカチ?
「タッくん、これ使って。浴衣はもうシミが取れなかったし」
「ああ……じゃあ、トイレの中で着て来るよ」
「うん。その、渡したのって……まだ一回ぐらいしか、使ってないやつだし。洗濯もしているキレイなやつだから、気にしないでね。アンナだって、タッくんに他の女の子のを履かれたくないから……。仕方ないから、今回だけ特別だよ? 福岡に帰ったら、ソレ捨てていいから」
「ん?」
頬を赤くしている。
その姿からして、恥ずかしがっているのか?
要領を得られないでいた俺は、首を傾げながら、とりあえず差し出された物を受け取り、再び扉を閉めた。
ホテルのトイレはユニットバス式だったから、隣りにシャワールームがある。
小さなカゴがあって、そこにアンナから受け取った物を置き、着替えを始めた。
まずはバスローブを羽織ってみる。
ノーパンで過ごせってことか……。
まあ仕方ないか、なんてローブの紐を結ぼうとした瞬間。
あるものに気がつく。
もう一つの物体だ。
ピンクの小さな丸くて柔らかい生地の……。
カゴから手に取って、広げてみる。
「こ、これは!?」
ピンクの可愛らしいリボン付き、正真正銘女の子のパンティーじゃあないか!
アンナが頬を赤くしていた理由は、このことだったのか……。
た、確かに、これは素晴らしい提案、いやカノジョ役には辛いことをさせてしまったな。
しかし、ノーパンで福岡に帰るよりはマシだろう。
「よし、やるか」
深呼吸した後、ゆっくりとうら若き女子のおパンツを足先からすぅーっと太ももまであげてみる。
き、きつい……宗像先生の汚パンツとは違って、細すぎるウエストに、小桃サイズのヒップ。
男の俺からしたら、ギチギチだ。
腰まで全部履き終えると、なんとも言えない高揚感が湧き上がってくる。
見慣れないリボンが股間の上にあり、下の生地はスイートピーがキレイに刺繍されている。
男もののパンツなら、前面は余裕があるはずだが、これは締め付けられるぐらいのデザイン。
痛い。だが、それも含んで、アンナに包まれているような優しさを感じてしまう。
ふと、自身の尻を撫で回してみた。
後ろの生地は前面と違い、サテンのようなツルツルとした生地で、なんとも肌触りが良く、とある誤解を生んでしまう。
それは……。
「あれ。俺って今、間接的にアンナの尻を撫で回しているのでは?」
そう思うと、胸がバクバクとうるさく高鳴る。
鼻息が荒くなり、理性がブッ飛ぶ。
自然と俺の股間がパンパンに膨れ上がろうとしたその瞬間、ギチィ~ッとアンナのパンティーがそれを強制的に抑え込む。
『いやぁ! タッくんたら、ダメェ~!』
なんておパンツちゃんが叫んでいるようだった。
「ふぅ」
さ、部屋に戻ろう。
福岡に帰るのが楽しみだ。これは小説の取材した結果だ。
資料としてちゃんと保管しておこう。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
僕は絶倫女子大生
五十音 順(いそおと じゅん)
恋愛
僕のコンプレックスは、男らしくないこと…見た目は勿論、声や名前まで男らしくありませんでした…。
大学生になり一人暮らしを始めた僕は、周りから勝手に女だと思われていました。
異性としてのバリアを失った僕に対して、女性たちは下着姿や裸を平気で見せてきました。
そんな僕は何故か女性にモテ始め、ハーレムのような生活をすることに…。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
お兄ちゃんは今日からいもうと!
沼米 さくら
ライト文芸
大倉京介、十八歳、高卒。女子小学生始めました。
親の再婚で新しくできた妹。けれど、彼女のせいで僕は、体はそのまま、他者から「女子小学生」と認識されるようになってしまった。
トイレに行けないからおもらししちゃったり、おむつをさせられたり、友達を作ったり。
身の回りで少しずつ不可思議な出来事が巻き起こっていくなか、僕は少女に染まっていく。
果たして男に戻る日はやってくるのだろうか。
強制女児女装万歳。
毎週木曜と日曜更新です。
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
なりゆきで、君の体を調教中
星野しずく
恋愛
教師を目指す真が、ひょんなことからメイド喫茶で働く現役女子高生の優菜の特異体質を治す羽目に。毎夜行われるマッサージに悶える優菜と、自分の理性と戦う真面目な真の葛藤の日々が続く。やがて二人の心境には、徐々に変化が訪れ…。
女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男
湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。
何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる