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第二十六章 真夏の夜の部

タッくんの初めて、食べちゃお!

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 もう……俺死にそう。
 なにがって、かれこれ30分間も太ももの上に、アンナちゃんの股間を押し付けられているからね。
「足つぼで体調とか分かるんだよ~☆ タッくんはやっぱり肩が調子悪いみたいだね。ガチゴチに固まっているのかなぁ? 執筆偉いね☆」
「……」
 固まっているのは、ベッドに深くブッ刺さった俺のナニかだよ。
 
 
「調子悪いなら、また肩をマッサージしようか?」
 そう言って態勢を前に戻す。
 くっ! もう少し、太ももでパンティを味わいたかったぜ!

「って……あれ? タッくん、なんかケガしてる?」
「ん、ケガだと?」
「なんかシミが……」
 俺はずっと枕に顔を埋めているから、彼女の顔をは見えない。
 どうやら、俺の浴衣に指で触れて、確かめているようだ。
「これ……血じゃない!?」
「え?」
 思わず振り返ってみると……。

 確かに腰のあたりに赤いシミが、浮かんでいた。
「大変! タッくん! ケガなら手当しないと! 早く浴衣脱いで!」
「あ、いや……」
 まずい。宗像先生の紫パンティ履いたまま、なんだよな。
 でも、ミハイルの時に「それでいいじゃん」的な発言頂いているし、構わないか。
「じゃあアンナが手当するから、タッくんはじっとしてて☆」
 そう言って、ゆっくりと優しく脱がせてくれた。
 しかし、ケガだと?
 覚えがないな。

 パンツ一丁になったところで、アンナは黙り込んでしまった。
「……」
 沈黙が不安で俺は彼女に声をかける。
「どうした、アンナ?」
 冷えきった声で囁く。
「本当に履いちゃったんだ……タクト。宗像センセーのパンツ……」
 み、ミハイルが出現しちゃったよ!
 めっちゃ怒ってるじゃん。話が違うよ。

 その後、軽く舌打ちしたあと、パンティーの紐をギュッと掴むと、勢いよく腰からかかとまで、素早く脱がせられた。いや、奪われたのだ。
 俺の大事なものまで引きちぎられそうなぐらいの素早さ、剛力で。

「いって!」
 手で股間を抑えながら、振り返って見ると。
 宗像先生のパンティーを右手でギュッと握りしめるアンナさんが目に入る。
 優しく微笑んではいるが、目が笑ってない。
 下から見ると悪魔のようだ。緑の瞳がギラッと光る。

「タッくん? 他の女の子のパンツは履いちゃダメでしょ?」
「は、はい……」
「じゃあこれはいらないよね? アンナがあとでトイレのゴミ箱に捨てておくから、タッくんは気にしないでね☆」
 ひ、酷い! 借りものなのに。
「いや、しかし。それは俺の担任教師の私物で……それに俺ノーパンになっちゃうぞ?」
「だから?」
 ニッコリ笑ってみせるアンナ様。
 これは反論すると、痛い目にあう。
「あ、ノーパンで帰ります……」
「いい子だね、タッくん☆ でも安心してね、アンナがあとで代わりのものを用意してあげる☆」
「は?」
 ミハイルのパンツでも出すのか?
 あいつのサイズじゃ、俺はきつそうだが。


「まあこの汚物は捨てておくとして……。タッくんのケガしたところ、どこかな?」
 やっといつもの優しいアンナちゃんに戻ってくれた。
「た、確かに……痛みは感じないのだが」
 二人して、キョロキョロと腰のあたりを探してみる。
「あ……タッくん。お尻から血が出てるよ」
 口に手を当てて絶句してしまうアンナ。
 言われて、臀部に触れてみると。
 ヌルッとした暖かい液体が……。

 ふと身体をベッドから、少し浮かせてみる。
 シーツが真っ赤になっていた。
 股間あたりから。
「……」
 一瞬にして、記憶が蘇る。
 そうだ。俺はうなぎ並みのごんぶとをリキの兄貴に、事故とはいえ、さきっちょをブチ込まれたんだった。

「タッくんって、痔持ちだったの?」
「いや……これは違うんだ」
 一筋の涙が頬を伝う。
「泣いているの? タッくん? 痛い?」
 心配して身を寄せてくるアンナ。
 だが、今はその優しさが、辛すぎる。

「すまん! ちょっと、ウォシュレットで洗ってくる!」
「あっ! 待ってよ、タッくんたら!」
 彼女を部屋に置いて、俺は泣きながらトイレへと走り去る。

 ドアの鍵を閉め、便座に腰を降ろして、ウォシュレットで洗い流す。

「俺……童貞捨てる前に……ううっ、処女を捧げちまったんだなぁ」
 トイレから出てくるまで、1時間を要した。
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