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第二十六章 真夏の夜の部
ワン・ナイト・ラブ
しおりを挟むチーン! とエレベーターのチャイムが目的地に着いたことをお知らせ。
俺は心臓がバクバク。
だって、これからアンナちゃんの自室へとお邪魔するから。
そんなことを知ってか知らずか。
当の本人は鼻歌交じりに俺の手を掴み、廊下を歩き出す。
「タッくん。アンナの部屋は一番奥だよ☆」
なんて優しく微笑むから、俺は期待しちゃう。
いや、しちゃダメだろ!
しっかりするんだ、俺の理性くん!
相手は男だ、ミハイルだ、ヤンキー野郎……と思いながらも、彼女の横顔を見つめると。
「どうしたの? タッくん。あ、そうだ! 部屋に入ったら、気持ちいいことしてあげよっか?」
「えぇ!? キモチイイことぉ!?」
思わず、声が裏返る。
「うん。とっても気持ちいいこと☆ アンナ、最近色々勉強しててね。タッくんのために☆」
とウインクされてしまった。
その勉強ってまさか……。
生唾ゴックン!
長い廊下を二人で歩いていると、夜も遅いせいか、周りの部屋から宿泊客の声がドアの奥から漏れてきた。
「あぁ! 温泉でもシタくせにぃ~ 元気ぃ~」
「ハァハァ……この日のため一ヶ月は禁欲していたんだ。寝かせないぜ!」
ん? あれ、さっきスパで見かけたカップルか?
生々しい!
と腸が煮えくり返っていると……。
「Yes~! come on~! Ran! You are the best whore!」(いい~! 来てぇ、蘭! 君は最高の娼婦だ!)
英語?
「ハハハッ! この白ブタが! もっと欲しいか!? なら私の名前を呼びな!」
「Ran! Pay for money! Give it to me more!」(蘭! 金なら払うよ! もっと欲しい!)
「なんだとコノヤロ~! だから日本語で話せってんだろが! バカヤロ~!」
気になった客室の前で、立ち止まる。
偶然にも、ドアは少しだけ隙間が開いていた。
俺は好奇心から、覗いてしまう。
部屋の中には、ブラジャーとパンティ姿の娼婦……じゃなかった宗像先生。
なぜかハイヒールでベッドに立っている。
手には男性もののベルト。
ベッドには、白人の外人男性が仰向けに寝かせられている。パンツ一丁で。
なぜか腕と足は荒紐で動けないように縛りあげられていた。
宗像先生がベルトをムチのようにして、彼の腹に振り降ろす。
パーン! と音を立てる。聞いているだけでも、痛そう。
「ハハハッ! これがいいのか? 変態野郎が!」
という先生もなんだか嬉しそうだ。
「I'm a pervert!」(僕は変態です!)
相手も相手で、痛そうにしているけど、めっちゃ笑っている。
ベッドの近くにあったテーブルには、福沢諭吉が三人も並べられていた。
多分、チップなんだろう。
宗像先生って、もうガチのビッチに転職してしまったのか……。
良かった良かった、教師よりこっちの方が向いていると思う。
ドアを覗きながら黙って頷く。
すると、アンナが背後から声をかけてきた。
「なにやってんの、タッくん? 早くアンナの部屋に行こうよ?」
「ああ……そうだったな」
ヤベッ、俺もこのあと、なんかすごく気持ちいいことされるんだったね。
とりあえず、シャワーは浴びておかないと。
あ、パンツ。宗像先生のレースパンティのままだったよ……。
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