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第十章 反逆の男の娘
アンチ女子、アンナ
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『タッくんのバカッ!』
電話を出た瞬間、アンナからのお叱りを受けた。
「す、すまん……」
『なんでスマホの電源切るの!? アンナがそんなに嫌いなの?』
怒ってはいるが、泣いてもいるようだ。
声が震えている。
どうやらかなり心配させてしまったらしい。
罪悪感が湧く。
「ち、違うんだ…アンナ、落ち着いて聞いてくれ」
『バカッ! タッくんのバカちんがっ!』
あ~、例の熱血先生のものまね?
『心配したんだからね!? なんであんな女の子と仲良くしてたの!?』
フラバるラブホ。
「あれは……その偶然なんだ。そう、事故だよ」
なんかアタフタしてダサイな、今の俺。
これが噂に聞く浮気男の言い訳か?
『今、どこ!? あの女は!?』
「家まで送ったよ。もういない。俺は今、梶木だ」
『……家まで送ったの? アンナの家にはまだ来てないのに』
ドス聞いた声で超怖いじゃん、アンナさん。
それにあーたの家には行ったことあるでしょ? ミハイルさん。
「すまない……」
『アンナのタッくんを盗ろうとするなんて、最低っ!』
ええ……いつからアンナさんの所有物になったんすか?
『明日!』
「なにが?」
『明日、アンナと取材して!』
は? 頭、壊れてない?
「取材? どこに?」
『もちろん、あのあざとい女と行ったところ!』
「え……どこのこと?」
『なんか大きなベッドのあるところ!』
「そ、それは……行けないと思うぞ」
『なに? あの子とは行けて、アンナとは行けない場所なの?』
「いや、行けなくはないが……場所が場所なだけにな」
『取材だからいいの! じゃあ明日のお昼ごろに行こうね☆』
俺が返答する間もなく、一方的に電話を切られてしまった。
「……」
深呼吸したのち……。
「えええええ!? 男同士でラブホにいくのおぉ!?」
気がつくと、俺は梶木の夜空に向かって叫んでいた。
~次の日~
俺はアンナにひなたと過ごした場所を、しつこくL●NEで聞かれたが、恥ずかしいというか、罪悪感からラブホであることを伝えらえれずにいた。
そして、博多駅周辺であることだけは伝えられた。
アンナはそれを聞いて喜び、「楽しみだね☆」とメッセージ。
なにを期待しとるんじゃ、この子。
とりあえず、午前11時頃に博多駅に『黒田節の像』で待ち合わせになった。
スマホを見ると現在の時刻は『9:23』。
まだ時間に余裕があるな。
自室のデスクの上にノートPCを開き、久々にタイピングする。
が……昨晩のひなたとの出来事を思い出してしまい、筆がとまる。
彼女が言った通り、アンナの対抗馬としてサブヒロインとして取材もありかな。
そうこう考えているうちに頭がぐちゃぐちゃになってしまった。
ふと思う。
一体、俺はなにをやっているんだろう?
最近は博多駅にばかり行っている。
一ツ橋高校へ入学するまではそんなに足を運ばなかったのに……。
財布を取り出すと野口英世さんが2人。
金が気になり、担当編集の白金に電話をした。
「なあ、取材は経費で落ちるか?」
『うーん、取材の内容によりますよ? 映画のDVDとかタケノブルーは自分で買ってくだいねぇ~』
どうでもいい感じで話しやがる。
こいつ、鼻をほじってるだろ。
「今回のは真面目だ」
『へぇ~ エロゲとか? YUIKAちゃんの新曲?』
ムカつく!
俺はエロゲは全部既読関係なしに全スキップするタイプなんだよ!
YUIKAちゃんの新曲は予約したわ!
「違う! その……以前話したヒロインとの取材費だ」
『というと?』
「今回はラブホテルだ……」
『ブッ!』
どうやら何かを飲んでいたらしい。吹き出す音が聞こえる。
『な、なにを言っているんですか! ヤルならてめぇの金で払いなさい!』
的を得ているのだが、後半は私情が入っているな。
「ヤラないよ。ラブコメのためにラブホテルがどんなところ見てみたいんだ……見るだけだよ」
『本当に見るだけですか?』
えらく冷たい声だな。見るだけに決まってんだろ。男同士なんだから。
「ああ、見るだけだ。取材対象と行く」
『なんだと、このクソウンコ小説家! のろけかよ!?』
いやいや、のろけるわけにはいかないからね。
「勘違いするな。彼女はあくまで俺の取材対象であり、恋愛関係には至らない……というか至れない」
『ど、どういうことです? センセイの童貞を捨てるチャンスなのに!?』
俺の童貞喪失は俺が決める!
「それで、今後の彼女との取材……つまりデートは経費で落ちるか?」
『難しいところですね。だってまだ原稿も書けてないでしょ』
「う……」
『ほら見てください。そうですねぇ~ じゃあ今回の取材に関してはレアイベントなので、経費で落としましょう。センセイにはもう二度と行くことのない場所ですから』
殺す!
「助かる」
『ですが、今回までです。それまでに原稿を短編レベルでいいので書き上げてください。それが編集長のお目にかなうのならば、そのまま来月の『ゲゲゲマガジン』に掲載したいと思います』
ゲッ!
「ま、マジか……」
『大マジです! 正直いってDOセンセイのブームはもう去ったんですよ? オワコン作家なのに編集部の恩情でどうにか経費で落としてあげている存在なんですから。もうこれは最後の賭けなんです』
俺ってそこまで切羽詰まってたの!?
「つまり今回のラブコメが売れなかったら……」
『ええ、博多社ではもうセンセイの面倒は見れません。その時はオンライン小説にでもあげてくださいな』
サラッと酷いこと言いやがるな……だが、ピンチはチャンス!
怒りも湧いてくるが、同時に作家としての意地が炎上する。
燃えてきたぜ。
「いいだろう。必ずモノにしてやる」
『へっ、ダンナも物書きの端くれってことっすね』
うるせー! 人がカッコよく決めたのに!
「俺は今から取材に行ってくる、じゃあな」
そう言って、電話を切ろうとした瞬間、白金のキンキン声が俺を呼び止める。
『ま、待ってください!』
「なんだ?」
『もし事に及んだときはちゃんと、避妊しないとダメですよ♪』
ブチッ! 雑に切ってやった。
「ふぅ……」
男同士で赤ちゃんって作れたんですかねぇ~
電話を出た瞬間、アンナからのお叱りを受けた。
「す、すまん……」
『なんでスマホの電源切るの!? アンナがそんなに嫌いなの?』
怒ってはいるが、泣いてもいるようだ。
声が震えている。
どうやらかなり心配させてしまったらしい。
罪悪感が湧く。
「ち、違うんだ…アンナ、落ち着いて聞いてくれ」
『バカッ! タッくんのバカちんがっ!』
あ~、例の熱血先生のものまね?
『心配したんだからね!? なんであんな女の子と仲良くしてたの!?』
フラバるラブホ。
「あれは……その偶然なんだ。そう、事故だよ」
なんかアタフタしてダサイな、今の俺。
これが噂に聞く浮気男の言い訳か?
『今、どこ!? あの女は!?』
「家まで送ったよ。もういない。俺は今、梶木だ」
『……家まで送ったの? アンナの家にはまだ来てないのに』
ドス聞いた声で超怖いじゃん、アンナさん。
それにあーたの家には行ったことあるでしょ? ミハイルさん。
「すまない……」
『アンナのタッくんを盗ろうとするなんて、最低っ!』
ええ……いつからアンナさんの所有物になったんすか?
『明日!』
「なにが?」
『明日、アンナと取材して!』
は? 頭、壊れてない?
「取材? どこに?」
『もちろん、あのあざとい女と行ったところ!』
「え……どこのこと?」
『なんか大きなベッドのあるところ!』
「そ、それは……行けないと思うぞ」
『なに? あの子とは行けて、アンナとは行けない場所なの?』
「いや、行けなくはないが……場所が場所なだけにな」
『取材だからいいの! じゃあ明日のお昼ごろに行こうね☆』
俺が返答する間もなく、一方的に電話を切られてしまった。
「……」
深呼吸したのち……。
「えええええ!? 男同士でラブホにいくのおぉ!?」
気がつくと、俺は梶木の夜空に向かって叫んでいた。
~次の日~
俺はアンナにひなたと過ごした場所を、しつこくL●NEで聞かれたが、恥ずかしいというか、罪悪感からラブホであることを伝えらえれずにいた。
そして、博多駅周辺であることだけは伝えられた。
アンナはそれを聞いて喜び、「楽しみだね☆」とメッセージ。
なにを期待しとるんじゃ、この子。
とりあえず、午前11時頃に博多駅に『黒田節の像』で待ち合わせになった。
スマホを見ると現在の時刻は『9:23』。
まだ時間に余裕があるな。
自室のデスクの上にノートPCを開き、久々にタイピングする。
が……昨晩のひなたとの出来事を思い出してしまい、筆がとまる。
彼女が言った通り、アンナの対抗馬としてサブヒロインとして取材もありかな。
そうこう考えているうちに頭がぐちゃぐちゃになってしまった。
ふと思う。
一体、俺はなにをやっているんだろう?
最近は博多駅にばかり行っている。
一ツ橋高校へ入学するまではそんなに足を運ばなかったのに……。
財布を取り出すと野口英世さんが2人。
金が気になり、担当編集の白金に電話をした。
「なあ、取材は経費で落ちるか?」
『うーん、取材の内容によりますよ? 映画のDVDとかタケノブルーは自分で買ってくだいねぇ~』
どうでもいい感じで話しやがる。
こいつ、鼻をほじってるだろ。
「今回のは真面目だ」
『へぇ~ エロゲとか? YUIKAちゃんの新曲?』
ムカつく!
俺はエロゲは全部既読関係なしに全スキップするタイプなんだよ!
YUIKAちゃんの新曲は予約したわ!
「違う! その……以前話したヒロインとの取材費だ」
『というと?』
「今回はラブホテルだ……」
『ブッ!』
どうやら何かを飲んでいたらしい。吹き出す音が聞こえる。
『な、なにを言っているんですか! ヤルならてめぇの金で払いなさい!』
的を得ているのだが、後半は私情が入っているな。
「ヤラないよ。ラブコメのためにラブホテルがどんなところ見てみたいんだ……見るだけだよ」
『本当に見るだけですか?』
えらく冷たい声だな。見るだけに決まってんだろ。男同士なんだから。
「ああ、見るだけだ。取材対象と行く」
『なんだと、このクソウンコ小説家! のろけかよ!?』
いやいや、のろけるわけにはいかないからね。
「勘違いするな。彼女はあくまで俺の取材対象であり、恋愛関係には至らない……というか至れない」
『ど、どういうことです? センセイの童貞を捨てるチャンスなのに!?』
俺の童貞喪失は俺が決める!
「それで、今後の彼女との取材……つまりデートは経費で落ちるか?」
『難しいところですね。だってまだ原稿も書けてないでしょ』
「う……」
『ほら見てください。そうですねぇ~ じゃあ今回の取材に関してはレアイベントなので、経費で落としましょう。センセイにはもう二度と行くことのない場所ですから』
殺す!
「助かる」
『ですが、今回までです。それまでに原稿を短編レベルでいいので書き上げてください。それが編集長のお目にかなうのならば、そのまま来月の『ゲゲゲマガジン』に掲載したいと思います』
ゲッ!
「ま、マジか……」
『大マジです! 正直いってDOセンセイのブームはもう去ったんですよ? オワコン作家なのに編集部の恩情でどうにか経費で落としてあげている存在なんですから。もうこれは最後の賭けなんです』
俺ってそこまで切羽詰まってたの!?
「つまり今回のラブコメが売れなかったら……」
『ええ、博多社ではもうセンセイの面倒は見れません。その時はオンライン小説にでもあげてくださいな』
サラッと酷いこと言いやがるな……だが、ピンチはチャンス!
怒りも湧いてくるが、同時に作家としての意地が炎上する。
燃えてきたぜ。
「いいだろう。必ずモノにしてやる」
『へっ、ダンナも物書きの端くれってことっすね』
うるせー! 人がカッコよく決めたのに!
「俺は今から取材に行ってくる、じゃあな」
そう言って、電話を切ろうとした瞬間、白金のキンキン声が俺を呼び止める。
『ま、待ってください!』
「なんだ?」
『もし事に及んだときはちゃんと、避妊しないとダメですよ♪』
ブチッ! 雑に切ってやった。
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男同士で赤ちゃんって作れたんですかねぇ~
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