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第四章 オタク訪問
白熱バトル!
しおりを挟む「じゃあミハイルさん、ゲームでもしますか?」
「え? ゲーム……なんだそれ?」
まさかとは思うが、ミハイルの家はそこまで貧しいのか?
それとも余程の上級家庭なのか……想像に値しない。
「古賀、お前ゲームしたことないのか……」
「鬼ごっことか?」
マジなのか……。
ミハイルさん家、かわいそすぎ。
「なんてことですの!? つまりはミハイルさん『バミコン』や『ブレステ』すら触れたことがないということですか?」
ならぬ……触れてはならぬぞ、かなでよ。
「うん☆ オレんち、ねーちゃんが『外で遊べ』っていうタイプだからさ」
あー、クラスでたまにいるよな……。
そっち系ね。
「つーかさ、かなでちゃん……その『ミハイルさん』ってやめてくんねーかな? 年もあんまかわんないし……」
なにやら歯切れが悪いぞ、ミハイル。
そんなに巨乳のJCに緊張しているのか?
「では、わたくしめはなんとお呼びすれば……」
「じゃ、じゃあ……ダチからは『ミーシャ』って呼ばれてっからさ……」
「ではミーシャちゃんで構いませんね」
え? なんでちゃん付け?
「う、うん、タクトの妹だから、いい……よ?」
ミハイルさん、ひょっとしてこのクソきもい巨乳JCにときめいてます?
もらえるなら、もらってやってください。
兄の切なる願いくさ。
「ではミーシャちゃん、一緒に遊びましょ♪」
「うん☆ ……ただ! タクトは『ミーシャ』って呼ぶなよ!」
「む? なぜだ?」
なにこれ? いじめってやつを体験しているんですかね。
「そ、それは……かなでちゃんが……女の子だからだ!」
「は?」
意味がさっぱりわからん……しかし、ミハイルさんよ。
こいつは女の子というカテゴリ化するには故障しすぎているぞ?
「よくわからんが俺は今まで通り、古賀と呼べばいいのか?」
「いやだ!」
ダダっ子だな……わがままはいけません!
「つまりどうすれば、お前の承認欲求は満たされる?」
「オレのことは……下の名前で……」
つまり男同士は『ミハイル』。女からは『ミーシャ』で通しているわけか。
なるほど、府におちた。
「認識した、改めよう。では、ミハイル」
「う、うん! なんだよ、タクト……急に……」
なぜそんなに顔を真っ赤かにしている?
かなで、喜べ。腐ったお前にようやくモテ期がきたぞ、知らんけど。
「じゃあ、かなで。お前が提案者なんだからゲームソフトは自分で選択しろ」
「もちろんですわ。おにーさま」
そういうと誰でもお気軽に遊べる大人気パズルゲーム『ぶよぶよ』を持ってきたかなで。
「さすがだな、かなでよ。これならゲームのいろはを知らないミハイルでも余裕だろ」
「デヘ♪ ですわ」
キンモ! ウインクすな。
かなでが『ボレステ4』にディスクを挿入……。
この時、妹のかなではデヘデヘと笑う。
ソフトを自動でゲーム機が吸い込む動作がたまらないそうだ。
我が妹にして最大の変態である。
「さあていっちょやるか! ですわ♪」
「うん☆ じゃあ、最初はオレとかなでちゃんでいいか?」
「構わんぞ。どうせ優勝はこの天才だからな」
鼻で笑う俺氏。
「んだと!? かなでちゃん、タクトって強いのか?」
「強いですわ……この御方は……」
顔を歪ませて拳をつくるかなで。
「フッ、せいぜい足掻いてみろ、ミハイル」
もうすでに、対戦は始まっている。
かなでは、連鎖まちというやあつである。
いっぽうのミハイルは、ガチャガチャと乱暴に扱う。
これは稀に幼少期に見られる子供と同様の行動に近い。
ビギナーというやつだ。
だが、なぜかそのプレイでも連鎖がかなで以上に優勢になりつつあった。
「うわぁ! 負けましたわ」
「やったぜ☆」
すまん、今の言い回しだと『別のこと』を考えてしまうのは俺だけだろうか?
すかさず、俺がコントローラーをうけとる。
「真打の登場だ」
「よおし☆ 負けないぞ、タクト」
数分後……。
「なん……だと!」
「やりぃ!」
「この天才、琢人が負けただと……」
「どうだ? タクト?」
ない胸をはるな!
いちいち、おタッチしたくなるだろ。
そうして夕暮れになると、ノックの音もなく扉が開く。
「晩ご飯できたわよぉ!」
「か、母さん……いつもノックをお願いしているだろ?」
「なに? オナってたの?」
「ちゃうわ!」
我が母親ながら琴音さんは今日もブッ飛ばしすぎなのである。
「ミハイルくんもいっしょに食べていきなさい」
「う、うっす」
「わーい、パーティですわ♪」
これってなんの罰ゲーム?
明日、仕事(新聞配達)があるんですけど?
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