言いたくても、やりたくても、できないこと。

味噌村 幸太郎

文字の大きさ
上 下
12 / 13

プリクラ

しおりを挟む

 プリント倶楽部……通称、プリクラですが。
 僕はこの機械が流行り始めたころ、ほとんど無縁の物でした。
 ぼっちだったので、一緒に撮る相手が居なかったからです……。

 それはさておき、当時の機種に比べると。時代と共に機能が進化しましたね。
 スタンプや背景に文字を書いたり、更には顔や体型そのものを加工するものまで。
 ここまで来るとおじさんの僕は、ついて行けません。

 たまに家族で撮影しますが、何がなにやらサッパリです。

 僕がとある繫華街のゲームセンターを、歩いていた時の話です。
 あまりゲームセンターで遊ぶのは、得意な方じゃないですが。
 今はアプリなどの特典を使って、無料のゲームが出来ますので。
 たまに遊んでいます。

 慣れないクレーンゲームで遊んでいると。
 ふと、近くにあるメイク台が気になりました。
 隣接しているプリクラで撮影をする前に、若い女の子たちがメイクしたり、髪型を整えるところです。
 入念にまつ毛を上げたり、化粧直しをしていました。
 
 ~30分後~

 僕は何回やっても、クレーンゲームで惨敗し、仕方なく帰ろうとしたその時でした。
 メイク台で、先ほどの若い女の子がまじまじと鏡を眺めていました。
 よく見れば、隣りに座っている子も同一人物でした。

(女子高生かな? お年頃だもんな……)

 しかし、ここで僕は思いました。

(待てよ……彼女たちは、気がついてないのではないか?)

(今のプリクラは、”あれ”が搭載されていることに!)

 そう思った僕は、メイク台に座る女子高生たちへ声をかけました。

「あ、あの……」

 突然、声をかけられた女の子たちは驚いていました。

「ひっ! な、なんですか?」
「その……今のプリクラ機なら、そんなにメイクする必要ないと思うんですよ」
「は?」
「僕の時代、20年前の機種ならほぼ無加工だったので、メイクも必要でしたが。今の機種は最初から”激盛れ”じゃないですか?」
「なにが言いたいんですか?」

 首をかしげる女子高生を見て、僕は深呼吸してからこう言いました。

「つまりですね。髪型ならセットしても意味あると思うんですけど。加工される顔はすっぴんでも大丈夫と言うことです!」
「……」

 デリカシーのない発言をした僕は、周りにいた若い女の子全員から通報された。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ひきこもり みそ子の日常

味噌村 幸太郎
エッセイ・ノンフィクション
キャッチコピー 「みそ子ちゃん(♂)の日記かも?」 おっす、オラみそ子(♂)ちゃん。19歳(+20)。2021年時点。 適当に書いてるだけだから期待しないでね! あとうつっぽいから耐性のない人は、やめたほうがいいかも~ ※大変申し訳ないのですが。 他サイトにて、コメント欄にてトラブルなどがあったので。 このブログにおいて。基本、頂いたコメントに、返信などは致しておりません。 作品に関しては、バシバシご指摘ツッコミなんでもOKです。 僕も喜んでご返事させていただきます。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

カルバート

角田智史
エッセイ・ノンフィクション
連想させるのは地下を走る水。 あまり得るものはないかもしれません。 こんな人間がいる、こんな経験がある、それを知る事でまたあなた自身を振り返る、これからのあなたを考える、そのお手伝いが少しでもできればいいかなと思っています。 また時折出てくる対人間関係のアドラー、フロム、ニーチェに感化された僕の考え方が今後の皆様の生活の参考になる事があれば、幸いです。 もし最後まで、僕にお付き合いされる方がいらっしゃれば、心より感謝致します。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

うつ病WEBライターの徒然なる日記

ラモン
エッセイ・ノンフィクション
うつ病になったWEBライターの私の、日々感じたことやその日の様子を徒然なるままに書いた日記のようなものです。 今まで短編で書いていましたが、どうせだし日記風に続けて書いてみようと思ってはじめました。 うつ病になった奴がどんなことを考えて生きているのか、興味がある方はちょっと覗いてみてください。 少しでも投稿インセンティブでお金を稼げればいいな、なんてことも考えていたり。

生きる 〜アルコール依存症と戦って〜

いしかわ もずく(ペンネーム)
エッセイ・ノンフィクション
皆より酒が強いと思っていた。最初はごく普通の酒豪だとしか思わなかった。 それがいつに間にか自分で自分をコントロールできないほどの酒浸りに陥ってしまい家族、仕事そして最後は自己破産。 残されたものはたったのひとつ。 命だけ。 アルコール依存専門病院に7回の入退院を繰り返しながら、底なし沼から社会復帰していった著者の12年にわたるセミ・ドキュメンタリー 現在、医療従事者として現役。2024年3月で還暦を迎える男の物語。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

処理中です...