17 / 22
後ろから攻められたい子
しおりを挟む九重のキャンプ以来、僕は毎日同じ夢を見ていた。
それは九重山で、背後から“逆あすなら抱き”をしてきたクラスメイト。
植田 下子さんの微乳。
あの感覚が忘れられず、毎日悶々と考えているため、夢に出て来る。
『童貞くん、この前は背後から胸をおしつけてごめ~ん♪』
と言いながら、腰を屈める植田さん。
まだ成長の途中だが、胸の谷間が垣間見える。
真面目な女の子だと思っていたのに、なんてハレンチな子だ……。
「はっ!?」
毎朝、目を覚ます度、その誘惑に負けてしまいそうになる。
※
朝、登校時。階段を上っていると、曲がり角で誰かとぶつかってしまった。
「いてっ」
「あいた」
お互い、目を逸らしていたから仕方ない。
でも、一応謝っておこう。
「ごめんね……」
「ううん。こちらこそって、童貞くんだ。おはよう」
と微笑むのは、先ほどまで僕に胸を押しつけていた植田さんじゃないか。(夢の中)
上目遣いで微笑んでいる。
なんか、見透かされているような気がする。
「そ、その僕は……“使って”ないから!」
「え? 使う?」
(ヤバい。バカ正直に告白してしまった)
「と、とりあえず、またね!」
「うん。またね」
どうにか、誤魔化せた。
~掃除時間~
僕と植田さんは、同じ班だ。
しかし、クラス内で風邪が流行っており、担当している生徒たちは欠席が多かった。
そのため、校舎の渡り廊下を、僕と植田さんだけで、掃除することに。
長い渡り廊下を二人だけで、雑巾がけとは苦行でしかない。
でも、担任の美人先生は怒るとゲンコツしてくるから、やらないとダメだもんな。
植田さんがバケツに冷たい水を、いっぱい入れて持ってくる。
「童貞くん! 二人だけだから、さびしいけど。頑張ろうね♪」
「うん……」
「左は私がするから、反対の右側は、童貞くんに任せていいかな?」
「わかった」
お互い、一番端っこから雑巾がけを始める。
腰を下ろして四つん這いの状態で、左右に大きく拭き上げる。
地味にしんどいし、たまに渡り廊下を歩く生徒がいるので、その度に拭き直す。
(バカらしい……金をもらっても嫌な作業だ……)
と思っていたら、目の前に金より輝く代物が。
真っ白なパンティーだ。
植田さんたら、掃除に夢中でスカートの中を隠せていないんだ。
遠く離れている場所で、雑巾がけをしているとはいえ、見える。
いや、丸見えだ!
「はっ!?」
(まさか……植田さんたら、この前のことを引きずっているのか!? 奥手な僕に、後ろから攻めて欲しくて、スカートの中を見せつけているんだ!)
それからの僕は、素早かった。
車のワイパー並みに、高速の雑巾がけを行い、植田さんに少しでも近づくよう頑張る。
パンティーという、餌が良かったのだろう。
彼女の下半身を堪能したいがために、前へ、前へと進む。
~数分後~
あともう少しで、植田さんとドッキングするところで。
誰かが、僕の前に立ちはだかる。
「童貞っ!」
見上げると、担任の美人先生だった。
腰に手をやって、怒っているように見えた。
「え? なんすか?」
(もう邪魔だよ、先生。僕は早く植田さんを攻めてあげないと、ダメなのに)
「童貞! あんた、この廊下をひとりで掃除したの?」
「は?」
「偉いじゃん! 童貞、やるね~!」
なぜか、褒められてしまった。
僕はただ植田さんのパンティーを、近くで見たかっただけなのに。
先生の登場により、植田さんが立ち上がってしまう。
「あっ! ホントだ! すごい、童貞くん。私の分まで掃除してる! ありがとう~」
「え?」
振り返ると、必要以上の量を雑巾がけしていた。
僕としてはただ植田さんのヒップを、追いかけていただけなのに……。
「童貞くんって、やっぱり私が思っていた通り。真面目で良い人だね♪ 憧れちゃう!」
「いや、その……」
このあと、帰りのホームルームで先生と植田さんが、僕のことをみんなに褒めてくれた。
全く、僕が好きだからって。ここまでやらなくて良いのに……。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
機械娘の機ぐるみを着せないで!
ジャン・幸田
青春
二十世紀末のOVA(オリジナルビデオアニメ)作品の「ガーディアンガールズ」に憧れていたアラフィフ親父はとんでもない事をしでかした! その作品に登場するパワードスーツを本当に開発してしまった!
そのスーツを娘ばかりでなく友人にも着せ始めた! そのとき、トラブルの幕が上がるのであった。
真夏の温泉物語
矢木羽研
青春
山奥の温泉にのんびり浸かっていた俺の前に現れた謎の少女は何者……?ちょっとエッチ(R15)で切ない、真夏の白昼夢。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる