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お嬢様との出会い(バーサル編)
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私はバーサル=クライシュ。
ニールデン公爵家の傍系一族の者だ。
幼い頃、本当の両親は早くに亡くなって、私は叔父一家に引きととられた。
それが、今のクライシュ伯爵家だ。
そこの家での扱いは、ひどいものだったと思う。
誰も彼もが、蔑み、食事は残飯以下のものが与えらていた。
たまに、優しくしてくれる人もいたが、そんな人はいつの間にかいなくなり、見かけなくなった。
ある日、ニールデン公爵様がクライシュ家の招待を受け、数日宿泊されることになった。
数日前から、邸中が大騒ぎになり、誰も私のことなど気に留めることはなかった。
こっそりと台所に忍び込み、水と残飯を手に入れ飢えを凌いでいた。
公爵様がお泊りになった日の翌朝、ひどい寒気から逃れるために日当たりの良い場所を求めて部屋を出た。
使用人に寒気を訴えても、上着や毛布を厄介者に与えるどころか、冷たい水をぶっかけてきかねない。
私は人の目を避けながら、裏口から外にでた。
柔らかな日差しが体にあたると少しはマシな気がした。
立っているのもしんどいので、座っても目立たないところを探す。
「あ、なんでお前がこんなところにいるんだよ!」
最悪だった。
よりにもよって、この家の悪ガキどもに見つかった。
見ると、叔父の息子二人と家令の息子だろう・・・面倒の予感しかしなかった。
「おい、なんとかいえよ」
つきとばされる。
熱がいよいよ上がってきたのか、口を開けるのもしんどい。
「生意気だな!」
「身の程教えてやる!」
親そっくりの言いぐさで、蹴り上げてくる。
口の中に血の味がまじり、頭が朦朧としてくる。
「あなたたち、何をしてるの?」
幼いながら凛とした女の子の声がした。
「あ・・・」
「あの・・・」
悪ガキたちがしどろもどろになる。
「答えられないようなことをしていたの?」
「いえ、そんなことはありません。サフィアス様」
「・・・こいつはうちの厄介者で身の程を弁えさせるための躾をしていたところなんです」
「そうです。役立たずのいらない奴なんです!」
親そっくりの言いぐさでまくしたてる。
「ふ~ん。いらない子なんだ」
「そうです。親もいないし、お情けでうちにいるようなやつなんです」
「じゃあ、私がもらってもいいわよね」
「え?」
薄目をあけて、声の主を見た。
赤い髪に赤い瞳。
ややきつめの顔立ち。
綺麗な子だ。
「ねぇ、あなた」
私に言ってるのか?
「私にもらわれない?」
言葉の意味を考え、応えようとして口を無理やり開けて・・・そして。
「あら?」
「うぇ!きたねぇ!」
吐いた。
そして、気を失った。
ニールデン公爵家の傍系一族の者だ。
幼い頃、本当の両親は早くに亡くなって、私は叔父一家に引きととられた。
それが、今のクライシュ伯爵家だ。
そこの家での扱いは、ひどいものだったと思う。
誰も彼もが、蔑み、食事は残飯以下のものが与えらていた。
たまに、優しくしてくれる人もいたが、そんな人はいつの間にかいなくなり、見かけなくなった。
ある日、ニールデン公爵様がクライシュ家の招待を受け、数日宿泊されることになった。
数日前から、邸中が大騒ぎになり、誰も私のことなど気に留めることはなかった。
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「おい、なんとかいえよ」
つきとばされる。
熱がいよいよ上がってきたのか、口を開けるのもしんどい。
「生意気だな!」
「身の程教えてやる!」
親そっくりの言いぐさで、蹴り上げてくる。
口の中に血の味がまじり、頭が朦朧としてくる。
「あなたたち、何をしてるの?」
幼いながら凛とした女の子の声がした。
「あ・・・」
「あの・・・」
悪ガキたちがしどろもどろになる。
「答えられないようなことをしていたの?」
「いえ、そんなことはありません。サフィアス様」
「・・・こいつはうちの厄介者で身の程を弁えさせるための躾をしていたところなんです」
「そうです。役立たずのいらない奴なんです!」
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「ふ~ん。いらない子なんだ」
「そうです。親もいないし、お情けでうちにいるようなやつなんです」
「じゃあ、私がもらってもいいわよね」
「え?」
薄目をあけて、声の主を見た。
赤い髪に赤い瞳。
ややきつめの顔立ち。
綺麗な子だ。
「ねぇ、あなた」
私に言ってるのか?
「私にもらわれない?」
言葉の意味を考え、応えようとして口を無理やり開けて・・・そして。
「あら?」
「うぇ!きたねぇ!」
吐いた。
そして、気を失った。
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