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18 受け止めようとして受け止めきれなかったドタキャン。

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本日のサフィー、午後から早退。

どうしても、参加しなければならない夜会があるらしい。
魔道具に、連絡がはいった。

いつもなら、婚約者のナキッシュ殿下がエスコートするのだが、今回は別な人をエスコートするために変更でドタバタしているらしい。

『この前の仕返しかしら。かわいいことしてくるわよね。
これくらいなら、受け止めてあげるわよ』

かわいいことなんだ。

直前のエスコートドタキャンなんて、結構なことだと思うけど。
さすが、余裕の公爵令嬢といったところなのかな。

魔道具をオフにして、帰宅。

夕食後、課題を終えた後。
温かいハーブティを飲みながら自室でのんびりしていた。

魔道具が点滅。

「サフィー?どうかした?」
『あのバカ王子、やってくれたわ。絶対に許さない』

これ・・・キレてる?

「なにがあったの?」
『今晩の夜会に、セシル=ブランをエスコートしてきたのよ』

セシル=ブラン嬢かぁ・・・・・って誰?
有名な人?

『詳しいことは、明日話すわ。フフフ・・・ナッシュ、首を洗ってまってるがいいわ』

ガチャ切りされた。

嵐が過ぎ去ったみたいだ。

それとも、前触れなのか。


明日って、創立記念日で休日なんだけど?

のんびりまったりしたお休みはどこへ?



セシル=ブラン伯爵令嬢。
サフィーと同学年だっけれど、休学していて、最近復学した。

言動と所作は、清純で淑やか。
天然を演出する手管があざとく、保護欲をかきたてられた男性が次々と陥落していった。
男性人気と女性人気が反比例する人物・・・・とサフィー談。

私の部屋で話すサフィーから、紅蓮の炎が立ち上っている。

「珍しいね。そこまではっきりと嫌っているのって」

サフィーは好き嫌いははっきりしているが、ここまで感情的に相手を非難することはない。

「だって、あいつはバーサルに手を出してきたのよ」

サフィーに使える忠実な側近。

バーサル=クライシュ令息。

「彼は確かにもてるけど・・・今に始まったことじゃないじゃない。」

「告白とか、多少の誘惑くらいなんとも思わないわよ」

セシル嬢は何をしても自分に靡かないと知ると、罠を仕掛けてきた。
彼に襲われたと証言し、責任とるように圧力をかけたきたのだ。

ご丁寧に証拠と証人を捏造して。

これがサフィーの逆鱗に触れた。

「あの女・・・六か月の休学じゃ懲りなかったのね・・・」

逆鱗に触れた彼女に何をしたのか知らないけど、休学の理由はサフィーだと確信した。

「身内への情は深いね。敵に回したくないわ」
「あら、大丈夫よ。リシーに何かあったら同じように守ってあげるわ」

イケメンなセリフをありがとう。
素直に喜べない私がいます。

あなたが介入するとボヤで済む事が、焼け野原になりそうです。

「私を怒らせるために、彼女をエスコートしたのでしょうね。フフフ」

殿下・・・虎の尾を踏んだみたい。
ご愁傷様。

「リシー、私、決めたわ」
「何を?」

サフィーが握りこぶしをつくる。

「婚約解消。とりあえず、付き合ってね」

えーーー嫌だ。

「・・・いつ付き合えばいいのよ?」
「今」

・・へ?

「今から、王宮にのりこむわよ!」



ご無体!!!!
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