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14 尾行

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「そう・・・わかった」
『ごめんなさい・・・』

サフィーの声が小さくなる。

「それで?」
『え?』
「理由があるのでしょう?」
『怒ってるんじゃないの?』
「ショックは受けてるわ。でも短い付き合いだけど、いい加減に付き合っていたつもりはないの。
ちゃんと理由があるなら聞くわ。」

人は嘘をつく。

だけど、私が見てきたサフィーが理由もなく人を傷つけるような嘘をつくとは思えない。
だったら、まずは話を聞きたい。

どうするかは、その後で決めたい。

『長くなるから、明日きちんと話すわ』
「嘘はなし。何か企んでいるならそれも全部話すこと。
そうじゃないなら、付き合いはこれっきり」
『わかったわ。約束する。・・・・ありがとう、リシー。』

通信を切った。

「あー、もうめんどくさい!」

ベッドにダイブして天井を見上げた。

大体、殿下は信用ができない。
私に猜疑心を植え付けて、どうするつもりだったのか。

分からないことだらけだ。
だけど、さっきよりは気分がいい。

だから、きっとこの行動は間違っていない。

明日に備えて、早めに就寝した。



お昼すぎに、迎えの馬車がきた。

家紋がついてないため、最初は疑ったがサフィーからの手紙を持参していた。

「そう。わかりました」

馬車で街中へと向かう。

「ここでいいわ」

馬車を降り、洋服店で服を買い、他に菓子と小さなブーケを買う。
その後、喫茶店に向かった。

「いらっしゃいませ」

窓際の奥の席に向かい、傍らに買っておいた荷物を置いた。
ウェイトレスに小さく耳打ちをして、席を離れる。

しばらくすると、店に入ってきた男性がウェイトレスに話しかける。

「あの窓際に座っていた令嬢は、どちらに?」

「裏からお帰りになられました。戻らない場合はテーブルに置いてあるものは私にくださるそうで」

「ッ!気づかれていたか」

男性は裏口に向かって走っていった。

「もう大丈夫ですよ」

ウェイトレスさんが声をかけてくれる。

「ありがとう」

二階から降りる。

「いいえ、公爵家の方から頼まれていましたから。
世の中、あんな男ばかりじゃないんですから。がんばってくださいね」

マスターもうんうん頷いている。

サフィー、どんな根回ししたんだろう?

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