死後相談所

モモ

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ある男の相談

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______気づいたら、僕はここにいた。

「っ!えっ?」

辺りを見渡すと一面真っ白______ではなく山の中だった。




「あれ、おかしいな、、確か、僕は会社に出勤しようとして、、、?」

そのあとを思い出そうと、記憶の中を探ろうとするがそこだけぽっかり穴が空いたように思い出せなかった。

「とりあえず、歩こう」

ここにずっといても何も変わらないか、と考え、山の中を歩き始めると、




看板?
なんでこんなところに?

白い看板があった。





【死後相談所】








死後相談所?なんだそれ

とにかく、一回入ってみよう。

そう思い、店の扉を開いた瞬間、


僕は、






自分が、もう死んでいることを認識した。

あまりにも衝撃的な記憶だからか、頭が痛くなりその場でうずくまってしまう。


『大丈夫ですか?』

上からそんな声がふってきて、ゆっくりと声の持ち主の方を向く。

「あ、ああ、大丈夫だ。、、多分」

いや、大丈夫ではないだろう。相手でも分かると思うほど思いっきり震えているのが何よりの証拠だと思う。

『、、あなたは、、どうやってここに来たか覚えてますか?』

「、、わからない」

そう、素直に伝えたら。

まるで彼女は疑問が解けたように頷いた。

そして、彼女は僕に肩を貸して、接客用の折り畳み椅子の上に座らせて、接客の窓口から、

「ようこそ、死後相談所へ」

と訳のわからないことを言い出した。

「は?」

と反射的に返した僕は悪くないはずだ。

『ではまず、あなたの今の状況を説明します。』






彼女の話によると、僕は火曜日の朝、いつも通りに会社に出勤しようとしたらしい。
しかし、家の前の横断歩道を渡ろうと足を踏むだした瞬間、信号無視をした車に



轢かれた

そうだ。



そしてここは生と死の狭間であり、この【死後相談所】は亡くなった人が死後、何をするのか相談する場所らしい。

ちなみに、さっきの扉は死んだ人に死んだ時の記憶を蘇らせられるそうだ。

彼女はただの悪戯と笑っていたが、



悪戯の範囲をだいぶ超えていると思う。





『さて、本題に移りましょうか』

「、、、」

『まぁまぁ、そんなに固くならないでください。人が死んだあとなんて大まかに言うと3つの選択肢しかないですし。2つは思いつくでしょう。』

「、、、ああ。天国と、、、地獄か?、、でも後一つは、、」

『はい。あなたが先ほど言ったように、天国行き、地獄行き、そして、転生、と言う選択肢があります。』

「てん、せい」

『この3つの選択肢は、あなたたち人間の間では生きている頃の善行によって選ばせてもらえると思っている方が多いと思いますが、』

「違うんですか?」

『はい。実はこれ、生前の善行、悪行関係なく自分の意志で選べます。』

「え?」

『あ、いえ。もちろん生前悪行を起こしたものはその先行きで大変でしょうけど』

「えっと、例えばどう言うのですか?」

『うーん。簡単に言うと天国に行っても雑用ばっかりとか、転生してもすぐ死んじゃう、とかですかね。』

「、、、」

『あ、あなたは大丈夫ですよ。っていうか少し善人寄りですのでそんなに気にしなくていいと思います。』

「あ、ありがとうございます。」

『ふふ、はい。質問があったらどうぞ』

「、、天国ってずっと天国にいるんですか?」

『んー。実はですね。1000年間しかいられないんですよ。人間の魂は1000年ごとに作り替えられるんですよね。』

「、、では、転生って何回もできますか?」

『ええ、できますが、それは転生している間の行動によって決まりますね。』

「、、、そうですか。」

『、、どうやら決められたようですね。』

「はい!」

『では、この先の通路に受付所がありますのでそこの指示に従ってください。』

「ありがとうございました!」

『いえいえ、仕事ですから。』










あなたもぜひ、亡くなった後はこの【死後相談所】へお越しくださいませ。
できる範囲の質問に答えます。












できる範囲、のね。
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