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第1章 森から王都へ

3.転生後

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太陽がまだ、出てきたばかりの平原で私は目を覚ました。

「っ…頭が痛い。」

強い衝撃で言葉も頭も可笑しくなったのだろうか。
座り込みながら頭を撫でる。

何かしら可笑しい容姿に少しずつ目が覚めていく。


「…は?なんだよこれ!!手ちっさ!足ちっさ!!…地面ちかっ!!」


突っ込みどころが満載過ぎる。
しかも女としての胸がないその胸板に両手で揉むが本当にない。というより固くてごっつい。
急いで上半身の服を脱ぎ捨てる。


「さ、ささっ最悪だぁぁぁぁぁ!!」


顔を真っ青にして空に向かって叫んだ。
転生したら女性の姿じゃなくて男性の姿でしたって落ちいらないし!!
オネェみたくなるじゃねぇか!…口調が男だ。
もう。


「イルド、何故言わなかったし。」


ガックシと座り込む。
最悪の展開を迎えた。


「はぁ、まぁ。急いでたから忘れてたんだろうけどな。でもなぁ、こんな姿ならオネェみたくなるわ。引かれそうだけど」


大事なことは忘れないでよ。
心が乙女女子って変な気分だよ。
これって恋愛向けには発展しなさそうだな。逆に危ない意味で発展しそうだよ。
小さくため息をして投げ付けた服をまた着替えた。


「それよりも、先にここがどこなのか知りたい。」


右みても左みても木がたくさん生い茂ってじめじめしている。しかも空気が鼻を蝕むほど臭すぎる。

「地図…はないか。いや、先にイルドが言っていたステータスを見よう。
確か“ステータスオープン”でいいんだっけ?」



そう言っただけで小さなウィンドウが目の前に現れた。

「お、これか?」

その中にステータスを見つけた。



ーーーー
名前:イチジョウ・ハルカ

年齢:16

性別:男

種族:人間(ヒューマン)

職業:なし

レベル:∞

基本能力値〉
STR:S+
VIT:S+
INT:××
MND:××
AGI:A+
LUK:S+

スキル〉
剣術Lv3              火魔法LvMAX   水魔法LvMAX
風魔法LvMAX   土魔法LvMAX   光魔法LvMAX
闇属性LvMAX   無属性LvMAX


全状態異常耐性LvMAX
衝撃緩和LvMAX
物理衝撃吸収LvMAX
自動治癒


加護〉
神々の神和
一定内に入ると威圧感+恐怖を与える。イルドの加護


デメリット加護〉
呪いの加護
昼は男性、夜は女性になるという加護付き。
解除するためには全加護を習得しなければならない。


習得可能〉
気配察知     透視    
索敵             縮地
魔力制御     言語理解
身体強化     明鏡止水
遠見             
聞き耳         




ーーーーーーーー


…え?なにこれ?
ありすぎじゃない?


レベルがMAXってどういうこと?私はなにもしていないし、ましてやここに降りてきたばかりだというのに全部のステータスが上限越えていた。

神イルドが、心配してやってくれたのだろうか。
その前に姿が男性なのに名前は女って…。
変更できるかなぁ。

「歳15歳って書いてあるけど、無理ありすぎでしょ!!」

どこの子供がステータスMAXしてるんだよ。
ってかどんな人間なんだよ。


また、2度目のため息をする。
イルドは心配性なんだね。
分からなくもないけどやり過ぎ感はあるわ。


その前に気になるのはデメリットの方だ。
世界が壊れ掛けているせいかデメリットが発生しているようだ。

「呪いの加護を打ち消すためには全加護を習得するねぇ。結構きつい旅になるなぁ。」


死ぬ前に習得せよといっているものだ。


「まぁ、いいや。習得可能って書いてあるやつは全部習得しとこうかな。それと、これからどうするか決めないとな。」




確かイルドは言っていた。
この世界では魔法がないと。


「なら、ステータスにあるスキルの火属性MAXとかはなんなんだろう。」


ステータス以外はどこを押してもなにも出てこない。
っということは何かの上限解放が何かだろうか。


「地道に学べと言うことか。ふぅ、さて何からやり始めよう。」


辺りは森に囲まれている。
道はなくもないけど作らなきゃいけない感じだ。

                                                     
「ここが、ゲーム感覚なら〈探索〉」


片手を上げて唱えてみる。
すると、キィィンと音が鳴り響き白い円のようなものが身体からでて広がる。

「ん、これは…やっぱり、当たりだ!」


葉っぱのような形をした物が木や草、ツル、花などについていた。だけど、色が気になる。

「レア度みたいに色が変わっているとか?」


黙々と色が薄い物から濃い物へ少しずつ採っていく。
その他に水の形をした物や石の形をした物が転々とあった。
多く見られるため、たぶん人はあまり摂取していないのだろう。

右手にさっき採ったばかりの木の実や花、雑草を見る。



「確か、さっきみたいに何かを唱えればレア度や名前が
見れるのかな。うーんっと、〈調査〉?」


耳にピコーンという響くような音が響いた。
それと、同時にウィンドウが開かれた。

「おぉ、やっぱり。」


そこには名前と効果、ランクと摂取場所などが書かれていた。



【社の木の小枝】素材ランクLv2
耐久性/5
加工生産
武器として活用できるがあまり耐久性が低く物理攻撃には向かない。
場所:どこにでもある

【ミント草】食材ランク:4
料理生産。
ミントの香りがする食材で食料職人が主に使うもの。
場所:日陰

【ただの石ころ】
耐久性/2
なんの役にも立たない石ころ。



素材が武器になる意味ってなんなの。
石ころも説明が悲しそうに見えてくるんだけど。

物理武器には向かないということは魔法攻撃には少しだけ合うことだろうか。

小枝を持ち振り回してみる。

耐久性が低くともなにかには使えるはずだ。


「収納できるボックスがあれば集めてきたものを収納できるんだけど。
あ、“アイテムボックス”!」


思い付きで唱えてみた。
するとポンッ!っと音をたて出てきたのは宝箱みたいな小さな箱だった。
ここにいれろと?

「…まぁ、いいや。早くいれないと時間がなくなるし。その前に、小さな箱に沢山物が入るのが不思議だなぁ。」


収納制限は無いみたいだ。
収納できる数を見ながら区分けする。
草、木、土、石、水、薬草、雑草と別々に訳ながら地図を探してみる。

降りてきた場所は森の中だし、野宿は避けたいので地図があればその町に辿りつけられるはずだ。


「んー。歩きながら見つけよう。」


地図はないみたいだし紙に書きながらでも書いていこう。


アイテムボックスをしまい町や都市が見つかるまで森の中を歩き始めた。
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