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第2話

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「はぁ~」

「何です妃陛下、ため息ですか?」
セドリックに訊ねられ、

「え?あぁ…ちょっとね」
と答えはするが、上の空である事は間違いない。

「今日は、孤児院への慰問ですけど…」
と私付きの事務官に言われ、我に返る。

しっかりしろクロエ!!

「ごめんなさい。さて、では支度しましょうか?あ、そうそう。今日は細い紐を用意してね。『あやとり』をするから」
と言うと、事務官は、細い紐、細い紐と言いながら、別室に探しに行った。



孤児院では、かくれんぼの後、子ども達にあやとりを教える。

子ども…そうか…陛下とそういう事になれば、子どもを持てるかもしれないのか…。
前世でも叶わなかった…それが叶うかもしれない。

いや、待て待て。陛下もゆっくり考えて良いと言っていたし…その言葉に甘えよう。


夜になり、私はふと考える。

今までは特に意識していなかったけど、陛下と一緒のベッドで寝るのって、不味い?
陛下には…酷じゃない?ってか今までも、陛下って我慢してたって事?

私が寝台を前に難しい顔をしていると、寝室へ入って来た陛下が、

「クロエ…。今さら悩んでるのか?」
と笑いながら近づく。私の後ろに居る陛下へ、

「陛下。これって生殺しというやつでは?」
と私が訊ねると、

陛下は大笑いしながら、

「はははは!気にするな、ずっと『生殺し』ってやつだ。今さら襲ったりしない」
と私の肩に手を置いた。

「もちろん陛下が私の気持ちを無視してそういう事をするとは思っておりません。が、陛下のお気持ちを考えると…」
と私が言うと、

「信用されているというのは、嬉しいような悲しいような。だがな、私が告白をしたからといって、私達の関係が直ぐ様変わる訳じゃないだろう?さぁ、今日は何の話をしてくれるんだ?」

と陛下は私の手を引いて、寝台へと入る。
私も陛下の横に寝転ぶと、

「そうですね…では、今日のお話は…」
と前世で有名なファンタジーを自分の記憶を頼りに話始めた。


こうして、いつも通りにしてくれる陛下には感謝なんだけど…何だろう、私の方が意識しちゃう。
これは…困った。

そういえば、私、現世で『告白』されたのって、初めてじゃない?
セドリックの『愛してる』は軽かったし、デイビッド殿下の気持ちはライラ様から聞いただけだし…。

告白されただけで意識しちゃう私って…単純なのかしら?チョロい?ねぇ、私ってそんなにチョロかった?
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