15 / 22
ギクシャク
しおりを挟む
結局、ちょっとぎこちないまま家に着く。
玄関に入ると、いい匂いがする。
「あれ?夕飯作ってくれたの?」
「…うん。俺、休みだったから。手、空いてる方がやった方が効率的だし。」
明らかに、テンションが低い。
さっきの事、気にしてるのかな。で
も、話を蒸し返すのもなんだし。
「ありがと。じゃあ、着替えてくるね。」
そう言って、私は部屋へ向かう。
もし千秋くんから、あいつの事を聞かれたら、その時は正直に答えよう。
私は自分からは、その話題を持ち出さない事にした。
夕食もその後の時間も、なぜか気まずい。話をしないわけじゃないけど、わざとさっきの事に触れないようにしてる感じ。
千秋くんからは、さっきの事は聞かれない。
なんだか、少し気疲れする。
結局は他人だもんな…そう思ってしまって、悲しくなる。
そう思うと、私は本当に千秋くんと2人のなんでもない日常に、喜びを感じてたんだなって思った。
こうやって、ギスギスすると、やっぱり独りの方が気楽なのかなって思っちゃう。
千秋くんに好きだと言わなくて良かった。
彼氏だったら、この気まずい雰囲気をもて余して、行き着く所は『別離』だったと思うけど、所詮、私達は同居人だ。
多少気まずくたって、干渉しなければ、済む事だ。
そうやってやり過ごす事ができる。私はそう思っていた。
玄関に入ると、いい匂いがする。
「あれ?夕飯作ってくれたの?」
「…うん。俺、休みだったから。手、空いてる方がやった方が効率的だし。」
明らかに、テンションが低い。
さっきの事、気にしてるのかな。で
も、話を蒸し返すのもなんだし。
「ありがと。じゃあ、着替えてくるね。」
そう言って、私は部屋へ向かう。
もし千秋くんから、あいつの事を聞かれたら、その時は正直に答えよう。
私は自分からは、その話題を持ち出さない事にした。
夕食もその後の時間も、なぜか気まずい。話をしないわけじゃないけど、わざとさっきの事に触れないようにしてる感じ。
千秋くんからは、さっきの事は聞かれない。
なんだか、少し気疲れする。
結局は他人だもんな…そう思ってしまって、悲しくなる。
そう思うと、私は本当に千秋くんと2人のなんでもない日常に、喜びを感じてたんだなって思った。
こうやって、ギスギスすると、やっぱり独りの方が気楽なのかなって思っちゃう。
千秋くんに好きだと言わなくて良かった。
彼氏だったら、この気まずい雰囲気をもて余して、行き着く所は『別離』だったと思うけど、所詮、私達は同居人だ。
多少気まずくたって、干渉しなければ、済む事だ。
そうやってやり過ごす事ができる。私はそう思っていた。
7
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです
前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!
お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。
……。
…………。
「レオくぅーん!いま会いに行きます!」
セレナの居場所 ~下賜された側妃~
緑谷めい
恋愛
後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。
王宮医務室にお休みはありません。~休日出勤に疲れていたら、結婚前提のお付き合いを希望していたらしい騎士さまとデートをすることになりました。~
石河 翠
恋愛
王宮の医務室に勤める主人公。彼女は、連続する遅番と休日出勤に疲れはてていた。そんなある日、彼女はひそかに片思いをしていた騎士ウィリアムから夕食に誘われる。
食事に向かう途中、彼女は憧れていたお菓子「マリトッツォ」をウィリアムと美味しく食べるのだった。
そして休日出勤の当日。なぜか、彼女は怒り心頭の男になぐりこまれる。なんと、彼女に仕事を押しつけている先輩は、父親には自分が仕事を押しつけられていると話していたらしい。
しかし、そんな先輩にも実は誰にも相談できない事情があったのだ。ピンチに陥る彼女を救ったのは、やはりウィリアム。ふたりの距離は急速に近づいて……。
何事にも真面目で一生懸命な主人公と、誠実な騎士との恋物語。
扉絵は管澤捻さまに描いていただきました。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しております。
ゆるふわな可愛い系男子の旦那様は怒らせてはいけません
下菊みこと
恋愛
年下のゆるふわ可愛い系男子な旦那様と、そんな旦那様に愛されて心を癒した奥様のイチャイチャのお話。
旦那様はちょっとだけ裏表が激しいけど愛情は本物です。
ご都合主義の短いSSで、ちょっとだけざまぁもあるかも?
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
転生令嬢はのんびりしたい!〜その愛はお断りします〜
咲宮
恋愛
私はオルティアナ公爵家に生まれた長女、アイシアと申します。
実は前世持ちでいわゆる転生令嬢なんです。前世でもかなりいいところのお嬢様でした。今回でもお嬢様、これまたいいところの!前世はなんだかんだ忙しかったので、今回はのんびりライフを楽しもう!…そう思っていたのに。
どうして貴方まで同じ世界に転生してるの?
しかも王子ってどういうこと!?
お願いだから私ののんびりライフを邪魔しないで!
その愛はお断りしますから!
※更新が不定期です。
※誤字脱字の指摘や感想、よろしければお願いします。
※完結から結構経ちましたが、番外編を始めます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる