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56話
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「でも…新しく住む場所、目星ついてんの?」
チアキが不安そうに訊ねる。
「実は、店長に相談したら心当たりがあると言ってもらえて」
「店長?」
「はい。か、彼氏と別れたいからと…ちょっと嘘をついているようで心苦しくなったのですが…」
「いや、それは許容範囲の嘘よ。店長はあいつの事彼氏だって思ってるんだし。それで?店長が物件探してくれたの?」
「はい。お友達が海外に行っている間、そのお部屋を使って良いと。家具や家電も揃っているので、助かりました。その間にお金を貯めて…自分で部屋を借りれるようになれば良いなって思っています」
「へぇ~都合良く良い部屋見つかって良かったじゃん!あいつも……マイラちゃんと一緒に居るの……苦しいんだろうね」
とチアキは少し苦笑いした。
「そう…ですね。私もこれ以上殿下と一緒に居る事が良いとは思えなくて。でも、心配では……あります」
「うーん。まぁ…そっか。なら、私がたまに様子見に行ってあげるよ。だから安心して!あ、それと、私も話があったんだった!」
「そういえば。チアキ『見つかった』って……」
「そう!あの漫画…『復讐の天使』の二次創作を描いてた人、見つけたんだよ!」
とチアキは笑顔で私にそう言った。
「見つかったんですね!」
「そうそう。で、どうしたいの?マイラちゃんは」
「出来ればその方の描いた漫画を読んでみたくて」
「実はその人のSNSにメッセージを送ったんだよね。そしたらそんなに遠くに住んでないみたいで……お互いの中間地点で会うのは可能みたいなの……どうする?」
「是非!可能であるならお願いします!」
と私は思わずチアキの手を握っていた。
私とチアキとその方の3人は次の休みに会う約束をする事が出来た。
私が部屋へ戻る為にアパートへ向かっていると、少し先を歩く殿下の姿を見つけた。
今日は部屋に戻って来るつもりなのかしら?
私はそう思いながら、殿下の少し後ろを歩き、その背中に話しかけるタイミングを探す。
今日、殿下が居るならば部屋を出ていく事をきちんと話したい。
私がこの世界に来てもう約4ヶ月が経とうとしていた。
チアキが不安そうに訊ねる。
「実は、店長に相談したら心当たりがあると言ってもらえて」
「店長?」
「はい。か、彼氏と別れたいからと…ちょっと嘘をついているようで心苦しくなったのですが…」
「いや、それは許容範囲の嘘よ。店長はあいつの事彼氏だって思ってるんだし。それで?店長が物件探してくれたの?」
「はい。お友達が海外に行っている間、そのお部屋を使って良いと。家具や家電も揃っているので、助かりました。その間にお金を貯めて…自分で部屋を借りれるようになれば良いなって思っています」
「へぇ~都合良く良い部屋見つかって良かったじゃん!あいつも……マイラちゃんと一緒に居るの……苦しいんだろうね」
とチアキは少し苦笑いした。
「そう…ですね。私もこれ以上殿下と一緒に居る事が良いとは思えなくて。でも、心配では……あります」
「うーん。まぁ…そっか。なら、私がたまに様子見に行ってあげるよ。だから安心して!あ、それと、私も話があったんだった!」
「そういえば。チアキ『見つかった』って……」
「そう!あの漫画…『復讐の天使』の二次創作を描いてた人、見つけたんだよ!」
とチアキは笑顔で私にそう言った。
「見つかったんですね!」
「そうそう。で、どうしたいの?マイラちゃんは」
「出来ればその方の描いた漫画を読んでみたくて」
「実はその人のSNSにメッセージを送ったんだよね。そしたらそんなに遠くに住んでないみたいで……お互いの中間地点で会うのは可能みたいなの……どうする?」
「是非!可能であるならお願いします!」
と私は思わずチアキの手を握っていた。
私とチアキとその方の3人は次の休みに会う約束をする事が出来た。
私が部屋へ戻る為にアパートへ向かっていると、少し先を歩く殿下の姿を見つけた。
今日は部屋に戻って来るつもりなのかしら?
私はそう思いながら、殿下の少し後ろを歩き、その背中に話しかけるタイミングを探す。
今日、殿下が居るならば部屋を出ていく事をきちんと話したい。
私がこの世界に来てもう約4ヶ月が経とうとしていた。
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