旦那様は転生者!

初瀬 叶

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42話

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それを聞いたチアキは、

「はぁ?何それ。あんた担がれただけじゃない?
だって、実際、マイラさんとは仲が拗れたままだったんでしょう?
そのアドバイス何の役にも立ってないじゃん」
と殿下の話を一刀両断した。

殿下は『グッ』と言葉にならない音を発した後に黙り込む。
二の句が継げないようだ。


チアキはそんな殿下の様子を気にする事もなく、

「それに、エレーヌと浮気したのは事実でしょう?それを今さら…」
と呆れたように続けると、殿下は慌てたように、

「それもハロルドに言われたんだ!
ヤキモチを焼かせる為に他の女を作れと!嫉妬は恋のスパイスだと言われたんだ!
学園で、最初は適当に女と遊んでいたが、エレーヌが『マイラ様を本気で振り向かせたいなら、私が協力いたします』って言ってきて…」
と言った。

エレーヌ様は…殿下の気持ちを知っていて…近づいたって事?
ハロルド様はそこまで見越して…私と殿下の仲を婚約者になった当初から邪魔していたと?!
凄すぎない?そして、それにまんまと嵌まる殿下も馬鹿じゃない?

私がその言葉に驚いて考え込んでいると、

「ばっかみたい!それで他の女と浮気したって?!そんなので、奥さんに愛想つかされないとでも思ったの?あんたって脳ミソ空っぽ?
それに…結局、エレーヌともヤってたんでしょう?
それなのにマイラさんを好きとか信じられる訳ないじゃん!」
とチアキはまたもや辛辣な言葉を殿下に投げつけた。

チアキの言う事は最もだ。

「そ、それは!へ、下手だと…その…マイラに嫌われるから…」
と殿下はモゴモゴと何か言い訳をしている。

それにもチアキは、

「はぁ?きっっしょ!!他の女で練習してたって?マジでキモいわ」
と顔を歪めた。

『きっっしょ』とか『キモい』という言葉の意味はわからないが、嫌悪感を表しているのは良くわかる表情だ。

殿下もチアキの嫌悪感を感じとったのだろう

「な、何だその顔は!私は、私は…私なりに考えて…」
としどろもどろになりながらも言い訳を重ねる。しかし、

「なぁ~にが『私なりに考えて』よ!どうせそれもハロルドの差し金でしょう?マジであんたって頭空っぽね」
と殿下に言い放った。

チアキの意見に私も完全に同意だ。

彼女とは気が合いそうな気がする。
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