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いざ!ランバード伯爵邸へ
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ランバード伯爵の屋敷に着き、レオナルド様のエスコートを受けて馬車を降りる
女性が苦手でも、こうやってスマートにエスコート出来るレオナルド様には好感がもてますね。
玄関に着くと、執事服を着こなした、初老の男性が出迎えてくれます。
「レオナルドお坊っちゃま。おかえりなさいませ。」
「もうお坊っちゃまはやめてくれよ。こちらはコッカス伯爵令嬢のレベッカ嬢だ。」
「はじめてお目にかかります。コッカス伯爵家長女、レベッカと申します。」
私はこの執事らしき男性に挨拶した。
「私はランバード家の執事をしております。ヨハンと申します。伯爵様と奥様が応接室でお待ちです。こちらへどうぞ。」
とヨハンさんの後について応接室へ2人で向かう。
社交をほとんどしてきていない私は、少し緊張してきた。
重厚な扉をノックしヨハンさんが声をかける。
「レオナルド様と、コッカス伯爵令嬢をお連れいたしました。」
「では、入ってくれたまえ」
レオナルド様のお声を少し渋くしたような素敵な声です。きっとランバード伯爵様ですね。ドキドキしてきました。
「父上、こちらが私がお付き合いをしている。レベッカ嬢です。」
「お初にお目にかかります。コッカス伯爵家長女、レベッカと申します。以後お見知りおきを。」
と私史上最高のカーテシーをしてみる。多分間違ってないはず。
そうすると、伯爵が口を開くまえに
「まぁ。可愛らしいお嬢さんだこと。女嫌いのレオナルドがお付き合いしてるなんて、妄想じゃないかと疑っちゃってたわ。
実在する人なのね。ちょっとビックリしちゃったわ」
と明るい夫人の声が聞こえた。
「そんな堅くならないで、顔をあげてちょうだい。」
と言われたので、真っ直ぐ顔をあげ、夫人を見る。
「こんな素敵なお嬢さんが私の娘になってくれるなんて、嬉しいわぁ。でも」
と少し暗い顔をして
「婚姻前にレオナルドが馬鹿な事をしでかしてごめんなさい。コッカス伯爵夫妻にも、なんとお詫びしたらよいか…」
と俯きながら、頭を下げた。
私は一瞬何を謝られているかわからずに、ポカンとしてしまう。
そうするとレオナルド様が慌てて
「じ、実はその事なんだけど、妊娠は間違いだったんだ。勘違いというか…」と言い始めた。
あー、その事か。緊張して忘れかけていました。
え?でも、レオナルド様本当の事言っちゃうの?と私が隣でビックリしてると。
「妊娠は勘違い?妊娠はしていなかったのか?でも、そういう行為をした事には間違いないのだろう?」
と、少し険しい目付きでランバード伯爵様がレオナルド様に質問されます。
「ああ。それはその通りです。もちろんその事が問題なのはわかっていますが、軽い気持ちではないのです。
私は彼女を愛しています。私達の結婚を認めていただきたい。」
とレオナルド様が頭を下げたので、私も慌てて下げました。
「レベッカ嬢、顔をあげてください。この度は、愚息が婚姻前に馬鹿な事をした。申し訳ない。
しかし、レオナルドが簡単に女性に手を出すような男ではないことは、私達もわかっている。
息子が生涯を供にしたいと望む女性が現れたのだ。私達は親として嬉しく思っているよ。」
「そうよ~。順番は間違えちゃった息子だけど、きっと本当にレベッカちゃんの事を愛しているのだと思うの。
コッカス伯爵夫妻には、レオナルドがこってり叱られるべきだけど、私達はレベッカちゃんと家族になれるなら、とても嬉しいわ。
レベッカちゃんはどう?レオナルドと一生添い遂げて貰えるのかしら。」
内心、レオナルド様の愛してるの言葉にちょっとドキドキしてしまったり、ランバードご夫妻を騙している事に罪悪感をもったりと、私の心は色々と騒がしかったが、
私の気持ちも言う言葉も決まっている
「もちろんです。私もレオナルド様を一生お支えしたいと思っております。こちらこそ、私でよろしいでしょうか?
私は少し社交が苦手で…これからご指導いただけると嬉しいです。」
「こちらとしては、反対する理由は何一つない。2人の結婚を許可しよう。」
「レベッカちゃんにはいずれ、この伯爵家を切り盛りしてもらわなくてはいけないもの。少しずつ伯爵夫人としての仕事を覚えてもらえれば良いのよ。焦らないで一緒にやっていきましょうね。」
「はい。ありがとうございます。至らない点はどんどん指摘して下さい。私、レオナルド様の為にも頑張りたいのです。」
「まぁ。本当に可愛らしいこと。ねぇ、旦那様」
「いやー本当に愛らしい。レオナルドは見る目があるのだな。今まで女性には興味がないようだったから、てっきり…」
あ、もしかしたらランバード伯爵様も私と同じように思ってるのかも。
男色だと思ってた息子がいきなり、恋人だと言う女性を連れて来たら、ビックリよね。わかります。わかります。
それに気づかないのかレオナルド様は
「運命の相手なんだ!」
と打ち合わせ通りのパワーワードを口にした。
女性が苦手でも、こうやってスマートにエスコート出来るレオナルド様には好感がもてますね。
玄関に着くと、執事服を着こなした、初老の男性が出迎えてくれます。
「レオナルドお坊っちゃま。おかえりなさいませ。」
「もうお坊っちゃまはやめてくれよ。こちらはコッカス伯爵令嬢のレベッカ嬢だ。」
「はじめてお目にかかります。コッカス伯爵家長女、レベッカと申します。」
私はこの執事らしき男性に挨拶した。
「私はランバード家の執事をしております。ヨハンと申します。伯爵様と奥様が応接室でお待ちです。こちらへどうぞ。」
とヨハンさんの後について応接室へ2人で向かう。
社交をほとんどしてきていない私は、少し緊張してきた。
重厚な扉をノックしヨハンさんが声をかける。
「レオナルド様と、コッカス伯爵令嬢をお連れいたしました。」
「では、入ってくれたまえ」
レオナルド様のお声を少し渋くしたような素敵な声です。きっとランバード伯爵様ですね。ドキドキしてきました。
「父上、こちらが私がお付き合いをしている。レベッカ嬢です。」
「お初にお目にかかります。コッカス伯爵家長女、レベッカと申します。以後お見知りおきを。」
と私史上最高のカーテシーをしてみる。多分間違ってないはず。
そうすると、伯爵が口を開くまえに
「まぁ。可愛らしいお嬢さんだこと。女嫌いのレオナルドがお付き合いしてるなんて、妄想じゃないかと疑っちゃってたわ。
実在する人なのね。ちょっとビックリしちゃったわ」
と明るい夫人の声が聞こえた。
「そんな堅くならないで、顔をあげてちょうだい。」
と言われたので、真っ直ぐ顔をあげ、夫人を見る。
「こんな素敵なお嬢さんが私の娘になってくれるなんて、嬉しいわぁ。でも」
と少し暗い顔をして
「婚姻前にレオナルドが馬鹿な事をしでかしてごめんなさい。コッカス伯爵夫妻にも、なんとお詫びしたらよいか…」
と俯きながら、頭を下げた。
私は一瞬何を謝られているかわからずに、ポカンとしてしまう。
そうするとレオナルド様が慌てて
「じ、実はその事なんだけど、妊娠は間違いだったんだ。勘違いというか…」と言い始めた。
あー、その事か。緊張して忘れかけていました。
え?でも、レオナルド様本当の事言っちゃうの?と私が隣でビックリしてると。
「妊娠は勘違い?妊娠はしていなかったのか?でも、そういう行為をした事には間違いないのだろう?」
と、少し険しい目付きでランバード伯爵様がレオナルド様に質問されます。
「ああ。それはその通りです。もちろんその事が問題なのはわかっていますが、軽い気持ちではないのです。
私は彼女を愛しています。私達の結婚を認めていただきたい。」
とレオナルド様が頭を下げたので、私も慌てて下げました。
「レベッカ嬢、顔をあげてください。この度は、愚息が婚姻前に馬鹿な事をした。申し訳ない。
しかし、レオナルドが簡単に女性に手を出すような男ではないことは、私達もわかっている。
息子が生涯を供にしたいと望む女性が現れたのだ。私達は親として嬉しく思っているよ。」
「そうよ~。順番は間違えちゃった息子だけど、きっと本当にレベッカちゃんの事を愛しているのだと思うの。
コッカス伯爵夫妻には、レオナルドがこってり叱られるべきだけど、私達はレベッカちゃんと家族になれるなら、とても嬉しいわ。
レベッカちゃんはどう?レオナルドと一生添い遂げて貰えるのかしら。」
内心、レオナルド様の愛してるの言葉にちょっとドキドキしてしまったり、ランバードご夫妻を騙している事に罪悪感をもったりと、私の心は色々と騒がしかったが、
私の気持ちも言う言葉も決まっている
「もちろんです。私もレオナルド様を一生お支えしたいと思っております。こちらこそ、私でよろしいでしょうか?
私は少し社交が苦手で…これからご指導いただけると嬉しいです。」
「こちらとしては、反対する理由は何一つない。2人の結婚を許可しよう。」
「レベッカちゃんにはいずれ、この伯爵家を切り盛りしてもらわなくてはいけないもの。少しずつ伯爵夫人としての仕事を覚えてもらえれば良いのよ。焦らないで一緒にやっていきましょうね。」
「はい。ありがとうございます。至らない点はどんどん指摘して下さい。私、レオナルド様の為にも頑張りたいのです。」
「まぁ。本当に可愛らしいこと。ねぇ、旦那様」
「いやー本当に愛らしい。レオナルドは見る目があるのだな。今まで女性には興味がないようだったから、てっきり…」
あ、もしかしたらランバード伯爵様も私と同じように思ってるのかも。
男色だと思ってた息子がいきなり、恋人だと言う女性を連れて来たら、ビックリよね。わかります。わかります。
それに気づかないのかレオナルド様は
「運命の相手なんだ!」
と打ち合わせ通りのパワーワードを口にした。
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